ワタルという男がいました。



ワタルの好きなものは、アイドルとネットゲームと風俗。




ワタルの口癖は、
『日本に石油が出れば、日本人は働かなくて済むのに。

石油が出れば、毎日ネットゲームやって、風俗に行って、アイドルのコンサート楽しむのになぁ。』






そんなワタルの夢が、ある日突然叶うのです。







日本のある小島から、突然大量の石油が噴出してきたのです。







その石油の量は、現金にして、9000兆円もの価値があることが判明。







政府は、石油の力により、日本の1000兆円もの借金を一気に完済。



さらに、国民全員に1ヶ月数十万の現金を支給する法律まで作りました。



ワタルの夢は叶ったのです。



ワタルは、すぐに仕事を辞め、


ワタルは、働かず、その日から、ネットゲームと風俗を楽しむ毎日を過ごしました。





しかし、すぐに問題が起きました。




石油が出て、働く必要のなくなった日本人は、次第に、誰も働かなくなり、




ワタルの大好きなネットゲームを作る人も、


風俗で働く人もいなくなってしまったのです。




大好きだったアイドルも、アイドル業を辞め、隠れて付き合っていたイケメン俳優と、さっさと結婚。






ワタルが大好きだったものは、石油が発見されたせいで、全てなくなってしまったのです。





石油が出て、誰にも平等に大金が配られ、働く必要がなくなれば、何の苦労もなく生きていけると思っていたワタル。



しかし、

働く必要のない国には、


病気になっても、治してくれる医者もいない、




旅行したくても、電車も船も飛行機も動かない。


車を作る工場もない。




美味しい食事を作るレストランもない。



食べ物を作る、酪農家もいない。





石油によって、全ての借金を返した日本は、


石油によって、完璧に崩壊してしまいましたとさ。








おしまい