すっかりバタバタしてしまってこのところ更新もしておりませんでした。
インド生活に別れを告げ、日本にて新しい生活のスタート。
初めての海外暮らしは、何とも不思議な体験でした。
なんだか、いろいろなことがふっきれた・・というか
小さなことでくよくよしなくなったような気がします。
例えば、人間関係。
日本にいると、自分は人からどう思われているんだろうとか
友人や、同僚や、取引先、いろんな人とのかかわりに一喜一憂します。
隠れ小心者なので、大胆に振舞っておきながら後から後悔することもしばしば。
海外に行くことで、友人と会えなくなる寂しい気持ちもありつつ
自分を取り巻くいろんなしがらみからある種の解放感に浸れるのかななんて
行く前は期待していたりしました。
でも、結局人は人と関わらずには生きていけないんだってこと。
どこに行ってもちゃんとそのうちネットワークができてそれに取り巻かれて
同じように悩んだりする。
文化の違いはさらにそれに拍車さえかける部分があったかも。
インドは特に人間関係の濃い国。
「親しき仲にも礼儀あり」なんて全くなくて
彼らは一瞬で私の見られたくないパーソナルスペースに切り込んでくる。
1週間電話しないだけで「もう私のことなんて忘れちゃったの?ひどいわ」と言われ
使っているものを断りもなくとりあげてみんなでまわし見したりする。
日本に一時的に帰るといえば誰もかもが「何買ってきてくれるの?」と聞き
「ねえいつになったら家に招待してくれるの?」と聞き
facebookは大量のインド人に侵食され、一度でも話せばすでに親友の扱い。
最初はそのベタベタ感がもう無理、あまりのなれなれしさに疲れきったけど
最後には温かいとさえ思えるようになりました。
寝る前に神様に私の幸せを一緒に祈っているよ、とか
もし将来子供が生まれたら絶対私の名前をつけるよとか
落ち込んでいるときに本当に一生懸命慰めてくれたり
別れを惜しんで泣いてくれたり
彼らは裏も表もなくていつも本音でぶつかってくれました。
確かに子供っぽく感じることも多いけど、それはあまりに純粋だからかもしれない。
自分が長年のうちに建前で固まってしまったから余計にそう感じるのかも。
彼らとの関わりを通して
びくびくしてても何にも始まらないな!もっと本音で生きよう!とか思うわけです。
試験に落ちたといって大の男がみんなの前でワンワン泣きだす。
それをいい大人がと思わずにみんなで頭をなぜて一生懸命慰める。
そんなことが当たり前ってなんかいいじゃないかと。
日本できっとまた日常に戻って戸惑ったり悩んだりすることもあるだろうけど
違う空の下で彼らは確かに同じ時を生きていると思うときっと勇気が湧くのです。
マンションからの眺めや、アラビア海、街の雑踏や、ドアも窓もないバスや
手で食べたカレー、ヤシの木、汚いトイレ、大量の虫、大量のインド人。
他にもいっぱい。
私は一生忘れないでしょう。
わずか1年足らずの短い期間ではあったけどたくさんのことを与えてもらいました。
さよならインド。そしてありがとうインド。