帰り道、町一番の大きな道路。いつもならすぐに車が流れるのにえらく混んでいた。少し進むと道路脇にパトカーや消防車、黒煙が立ち昇っていた。火事、事故、何なのかは未だに分からない
丁度信号機の辺りだったので、交通も混乱し、少しばかりそこで停まらなければならなかった。通行人の多くがスマートフォンを向けている。横にして長いこと持っていたからおそらく動画だろう
視聴者提供の映像がニュースに映るのを目にしたこともあるから、それで僕が情報を得たこともあるだろう。望む望まないに関わらずあの下卑た行為の恩恵にあずかっているなんて、言葉は悪いがクソみたいな気分だ
直接的に見えてはいないだろうが、その人たちが映す火の中で文字通り身を焦がす人がいるのかもしれない。ならば彼らは荼毘に付されるその人たちの動画も撮りたいと思うのか。おそらく自分たちが今していることが何なのか理解できていないのだろう。あなたがしているのはそういうことですがどうですかと聞けば、そんなつもりはないと本気の顔をして言うだろうから
つまり、彼らは馬鹿。その一言を吐き出しておかないと今から家族に会うのに家族に見せる顔が作れない。だからここに書いた。ご覧になられた人には申し訳ないと思う。
おしまい