?大企業支配の時代(資本家の時代)
・工業化がどんどん進み、工場も工場を経営する企業も次第に大規模になっていきました。小さな町の工場が、世界中に生産拠点を持つ大企業に変身し、さらに大量に、しかも低コストで製品を生産するようになります。生産が巨大化すると、販売を担当する企業もあわせて巨大化していきました。大きな企業が市場を動かす時代の始まりです。
一方、工場自身の機械化が進み、生産が自動化され、工場は巨大になってもそれほど多くの労働力を必要としなくなってきました。あふれた労働力は、巨大な組織を維持管理するために使われるようになったのです。いわゆるホワイトカラーの登場です。工場では作業着を着た多くの人がベルトコンベアの前で働く時代から、巨大なビルの中でスーツを着た多くの人が電話とパソコンの前で働く時代へと変化してきたのです。
この時代で成功を手にしたのは、工業の時代と同じく、大企業を所有した資本家と呼ばれる人たちでした。加えて、大きくなった組織を効果的に運営した個人にも多額のお金が集まるようになりました。成功を目指す若者は、大企業に入社し、厳しい昇進競争を勝ち抜くことを目指したのでした。


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?工業の時代
・多くの土地が農地に姿を変え、食料の生産が増え供給も次第に安定してくると、農業以外の職業に従事するひとが増えはじめます。この流れは、時代が注目する産業が、次第に農業から他の産業に移る合図であったと言えるでしょう。こうして新たな職を求める人が増え始め、次第に都市部へ人が集まりはじめます。また、産業革命を皮切りに、人類の技術力が大きな進歩をはじめました。
食料を安定的に手にすることができるようになった人々は、次に様々な技術による生活向上を望むようになります。このような時代背景の中、新しい技術を製品という形にする工業が時代の注目を集めはじめます。工業化の波のはじまりです。蒸気機関車、電灯、電話、蓄音機等、工場で作り出された製品が次第に街にあふれるようになります。あわせて、様々な製品の材料となる鉄や銅等を精錬する工場もどんどん増えていきました。
この時代で成功したのは、工場を所有し製品を大量に生産した者でした。時代が求める製品を生産し提供することができる所に人もお金も集まったからです。こうして更に人々が求める製品が供給され、人々の生活は便利になっていったのです。


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?農業の時代
・時代の流れで最初に説明するのは「農業」です。農業はヨーロッパでもアメリカでもアジアでも、人類の歴史が始まって以来、非常に長い期間最も注目を集めた産業でした。それは「食べる」ということが人類にとって不可欠の行動だったからです。食を征する者が時代を征するというわけです。
農業が最も注目を集めたのは、有史以来長い間、食物の供給が不十分であり、多くの人の関心が「食料を手に入れる」ことに向いていたからです。そのためこの時代は、米や小麦などの食料自体に価値があり、時には貨幣よりも食料の方が重視されることもありました。江戸時代の日本では、大名の位を「何万石」等のお米の生産量で表現したことからも、食料に高い価値が置かれていたことがわかります。
この時代に成功するためには、広大な土地を所有し農地として整備することが不可欠でした。また、食料よりも多く生産するためには、人の手が入っていない未開の土地を開墾・整備し、農地として活用することが最も効率的でした。そのため、成功への野心を持った若者は、こぞって農地の開拓・整備と所有を目指しました。紀元前のエジプトの王様も、中世のヨーロッパの貴族も、江戸時代の日本の大名も、広大な農地を所有・管理し、多くの人を農地で働かせることによって、多量の穀物を獲得し成功を手にしたのです。


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