「日本数学検定協会認定 幼児さんすうインストラクター」のしまだ・まきです。

今日の記事は、幼児さんすうとは関係のない、自分が子供を育てている中で得た気付きがテーマですので、興味のない方は読み飛ばしてください。


暑かった夏も終わり、そろそろ秋の気配を感じる季節になりましたね。

さて、写真は今年、息子が保育園で書いた七夕の短冊です。(注:正確には書いてくれたのは先生。息子は願い事を言っただけです。)

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他の子はみんな「〇〇になりたい」とか、「〇〇が欲しい」とか子供らしいお願いをしている中、一人だけ切実な願い事の息子。
 
今年の保育園のプールでは、年中さんは9月のプール納めまでに「水の中のフラフープを顔に水をつけてくぐれるようになる」ことを目標に取り組むということでした。ちょうど七夕の短冊を書く日に、先生からプールの目標について聞かされた息子には、このお願いしか思いつかなかったんでしょう。

と、いうのも、息子は水が苦手。

親子スイミングなどに通っていたこともあったのですが、一向に私から離れない息子を抱いて、プールの中をぐるぐる回ることにむなしさを覚えて、退会。

その後も、スイミングを習わせようと体験スクールに行かせたところ、いきなり頭まで水に沈められ、それが恐怖だったらしく、泣いて嫌がるため、通わせることを断念。

そんな息子にとって、大好きな先生から突き付けられた「お水の中のわっかをくぐる」という課題は、小さな心を悩ますには十分だったと思います。




さて、「今年の短冊には何が書いてあるかな~」と気楽に探した息子の短冊に書かれていた願い事をみて、母もまたそれなりに動揺しました。

そして、普段の仕事のくせから、「課題認識」→「対応策の検討」といった思考になり、

「日課を決めて、お風呂で練習させる?」

「親子スイミングにもう一度入ってみる?」

「別のスイミングスクールに行かせてみる?」

といった具合に、頭の中は、息子がこの課題を乗り越えるために何ができるか、でいっぱいになってしまいました。

やはり親としては、なんとか苦手を克服して、成功体験につなげて欲しいという気持ちになりますしね。



しかし、次の瞬間、別の考えがふっと頭をかすめました。

「もし、ママやパパが一緒になって、この課題に取り組んだあげく、お水の中のわっかをくぐれなかったら、その時の息子の気持ちだどんなだろう・・・・。」

私まで一緒になって、なんとかしようと一生懸命になってしまったら・・・。それで、できなかったら・・・。

ただ「できない」だけではなく、「水が苦手な自分はだめ(親にも受け入れてもらえない)」と感じてしまうのではないだろうか・・・。


私がすべきことは息子の水嫌い対策を考えることではなく、息子のがんばりは応援し、仮にできなかったとしても、「それでもいいんだよ。」と言ってあげることのような気がしました。


そこで、主人と相談し、私たちは「できても、できなくてもいいんだよ」というスタンスで、でもがんばりは褒めると決めて、息子を見守ることにしました。


途中、プールを嫌がった時期もありましたが、なんと、9月に入って、ついにお水の中のわっかがくぐれるようになったそうです。スイミングをならっている子たちが、泳いでくぐるのを真似して、泳いでくぐることもできました。


↓保育園で先生が撮影してくださった写真です。
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短冊のこともあり、プールのことは担任の先生とも度々お話していました。

水が怖いという状態から、無理強いせず見守ってくれた先生に、本当に感謝です。

最後の日、先生と少し長くお話しました。

息子は本当に水が怖い状態から、「できるようになりたい」という気持ちで頑張ってきたそうです。



初めてわっかがくぐれた日、息子からこんな話を聞きました。

「あのね、こころのなかに、あくまくんと、てんしくんがいて、もういいやっておもうと、あくまくんなの。それでできないんだよ。あくまくんをおいはらうんだよ。」

先生が「できない」と思う気持ちを乗り越えるために話してくれたことが、息子を後押しし、そして、息子自身が自分の気持ちに打ち勝って、できるようになったんだと知り、少々感動しました。




この夏、息子は彼自身の力で「水の恐怖」を克服したんだ、この結果は100%彼の努力であり、彼だけの大切な経験だったんだ。
そして、この経験は、単に「水の中のわっかがくぐれた」という経験以上の経験だったんだ。

もし、私が一緒になって頑張っていたら、同じ結果でも、「ママも頑張った甲斐があった」とか思っちゃってたな・・・。

それは、息子が自分だけの力で、大切な課題を達成することを邪魔する行為だったな・・・。

子供を信じる、その子の力を信じる子育てって、こういう事なのか。


「水の中のわっかをくぐる」のは、(あたりまえだけど)私の課題ではなく、息子の課題だ。
成長に必要な大切な課題を、親が横取りしてやってしまってはいけない。

私自身も、大きな気づきを得た出来事でした。
今年の夏の出来事は、間違いなく、私の育児の中の忘れられない一コマだと思います。


今回得た気づきを大切に、今後も息子を見守っていきたいと思います。


幼児さんすうには一切関係なくなってしまいましたが、さんすうアプローチに関しても、私が主導でがんばりすぎる(実際は仕事が多忙でがんばれていないケド)のは、よくないなと思った次第です。

あ、ブログを辞めるわけではないですよ。


それにしても、子供を育てるって、本当に親も一緒に育っている感じですね。
私のくだらない日記のような記事に、お付き合いいただいて、ありがとうございました。


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幼児さんすうインストラクター