「す…好きにしていいの?」
ちょい待った!
何する気だ?臣のやつ…
「常識の範囲なら…オケ」
「ボーダーラインが、わかんねぇ」
「十(じゅう)数えるから早く言え!」
「いーち、にー…」
「あ‼︎ズリィ!ちょっと待て💦」
「ええっと、好きなところ…」
「早くしろ!さーん、よーん…」
「早ぇーって!えーっと…」
「ごー、ろーく」
「ぜ、全部‼︎」
「…あ!一つしかねぇな、これ」
「えー!三つねぇの?」
「全部好き…からどうやって枝分かれすりゃいいんだ?無茶言うな」
「つまんねぇの」
「なんだよ、やんのか?」
「やるかよ…」
臣の顔に夕陽が差してきた。
その髪から滴る水滴がキラキラ光ってる。
「…サンセット、だな」
夕陽を振り返りもせず、手招きした。
「おいで、臣」
臣は何も言わずに軽く水を掻き分けて、
すぐ側にやってきた。
「チューして」
片方の眉をヒクッと吊り上げて、口元が緩んだ。
「こんな可愛いヤツ、他にいねぇから…」
「俺、ぜってー浮気しない」
「ホントにぃ?」
「うん」
「絶対?」
「しつけぇ」
「がお‼︎」
「あ!襲われる💦」
完