先週登りに行った台高の未踏の岩壁に再び、挑みに行き、無事に完登できました。
残されたピッチもなかなか悪く、最後の最後まで気が抜けませんでした。
 
 前回は、5ピッチ、取り付きから約120m高度上げた地点で、降雨を理由に撤退してきました。リッジまで約30mほどを残していたのですが、いかにそのリッジまでラインを繋げるか、が大問題でした。
 
 当初、登攀ラインと考えてたコーナーは浮き石が詰まっていて、非常に危険な状態で、いざ、その前に立つとやはりそこに突っ込む勇気がでません。他にラインはないのか?・・・、5ピッチ目終了点からラインを探りながら草付きバンドをトラバースしていくと、ふと、フィンガークラックの入る壁を発見。そこに突破口を求めることにしました。
 
 
 
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                1ピッチ目。登るに従い傾斜が増します。
 
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               2ピッチ目。凹角をステミングで。
 
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         3ピッチ目。ホールド、スタンス共に乏しく、難しいピッチ。
 
 
 
 
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7ピッチ目。ビレイ点にて。
 
 
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7ピッ目。フィンガークラックを登ります。
 
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8ピッチ目。終了点へ。 
  
 壁の中に入った一筋の割れ目に突破口を求めたのですが、いつ、いかなる障害によって行く手を遮られるか分からず、「上まで繋がってくれ!」と祈るような気持ちでザイルを伸ばしていきます。じりじり登って行くと、一筋の割れ目は、次第に大きな割れ目となって、リッジへと私たちを導いてくれました。
 
 誰にも登られてない壁を登るという夢、恐れ多くも、実現することができてしまいました。未踏の岩壁に、自らが登攀のラインを引く。これほど、素晴らしい経験はありません。このようなチャンスを与えてくれた大先輩にあらためて感謝と敬意を感じずにはいられません。
 
 登ったラインは、今まで登った大滝や大台ヶ原の岩壁などと比べても決して易しいものではないと思います。今までの沢登り、またフリーでの蓄積があったからこそできた、私たちのクライミング。登るという行為が、最高の自己表現となったひと時でした。