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 2段目の滝も4段目と同じくチムニー状で20mほどあるが、今までの滝ほど悪い印象は受けず、水流左手にクラックがあって、そこが弱点だ。しかし、3段目の滝の登攀に予想以上に時間が掛ってしまったので、私たちもこのクラックは諦めて、右岸の凹角を私がリードで登り、立ち木から滝身へ懸垂下降する。滝身に降りるとGさんがリードを引き継いで、スラブ状の滝身から大まかな岩場をトラバースして2段目滝の頭に出た。
 残るは最上段の滝のみだ。しかし、滝を見て唖然とする。ルートは滝の右サイドに入った明瞭なクラックだが、しかし、飛沫が激しくて、ここを登るにはシャワーを覚悟せねばならないからだ。Gさんがここは積極的にリードを買って出て、気合のクライミングを見せてくれた。フォローの私たちもズブ濡れになって登り切り、寒さに震えながら穏やかになった西ノ滝の源流から離れて、登山道に駆け上がった。
 登山道を歩いている内に、すっかり日が暮れて橋のところでヘッデンを取り出す。私の足はすっかりパンプしていて思うように進まない。駐車場に到着したのは19時前で、山荘でシャワーを浴びた後、明日の出勤に間に合うように関東に帰らなければならないGさんを駅へ送りに、慌しく大台ケ原を後した。