まず、初日は大台ケ原駐車場からベースキャンプを張る堂倉谷出合へのアプローチ。通常なら大体、3~4時間の行程なので、ゆっくりお昼に駐車場に着いて、昼食を食べてから出発した。アプローチは日出ヶ岳への登りを除いて降り一辺倒なのだが、しかし、100リットルのザックを背負った私は久々のボッカだったので、思いの他足が進まず、何と5時間も掛かってベースに到着したのだった。
 吊り橋のところから河原に降り、昨年テントを張った西谷に少し入った大岩脇の同じ場所に張る。沢に浸けておいたビールが冷え、焚き火が付いたので、晩飯を作ろうとザックを開いた所・・・何と、食料を半分、家の冷蔵庫の中に入れたまま持って来るのを忘れたことに気付いた。とりあえず、明日の山行はできるとして、あさっては与力があれば粟谷ゴルジュ、なければ西谷で遊ぼうかと思ってたが、それはできなくなってしまった。忘れたのは焼き豚やウィンナーなどのご馳走だったので、コージもかなりショックのようだ。コージに「またやなぁ」と詰られた。昨年は、ガスストーブを持って来るのを忘れて、二人でビールを呑みながら侘しくクッキーなどを摘んでいたのだが、またもや忘れ物をしてしまうとは!その代わりといおうか、ビールは今回は多い目に持って来ていて500mlの缶ビールを四本と、赤ワインを1l、まぁ、酒があるのでよしとしようということで、気を取り直して晩飯のパスタをアテにビールを呑むことにした。晴天が続いているので、焚き火がよく燃える。すぐ傍を流れる西谷の清流もかつてないほど減水していて、いいコンデションで明日は臨めそうだと思った。駐車場では夕立に降られたが、見上げると、深い樹林の合間に星空が覗いていて、私たちに微笑んでいるように見えた。