0時に起床し、自宅を出発。2時間ほどで河合に到着し、ザンギリ林道に入るが、前日の雨で予想通り落石が多く、それらをどかしながら進む。

 トンネルを潜ると左折し、デポ地点の荒谷山登山口に山向かう。初日は荒谷登山口付近で幕営の予定で、軽量化の為に幕営装備をデポしておくという戦略。

 幕営装備をデポし、再びトンネル方面に戻り、坂本貯水池に向かう。大きく迂回している林道は思った通りに時間が掛かり、駐車予定地に到着したのは、4時だった。

 

 

 

 

 坂本貯水池を渡って、竜口尾根に取り付く。最初は植林の急登。尾根筋に乗ると、やがて左手が明るくなり、二次林ながら自然林も見られる。所有者を記すものか、古い石柱が埋められているのを目にする。

 

 784mピーク(P1)は気付かぬまま通り過ぎ、いよいよ岩稜帯に入る。830mのP2に立つと、坂本貯水池がよく見下ろすことができる。前方には、樹林越しに、これから向かうP5の厳つい岩峰や荒谷山ジャンダルムが望められて、武者震いがする。

 

 

坂本貯水池を見下ろす。

 

 

 特に問題なく、痩せ尾根をずんずん進んでいくと、いきなり切れ落ち、前方に嵓が立ちはだかる。いよいよ懸案のP5だ。P5の岩壁はザンギリ林道からもはっきりと見て取れ、安易に通過を許してくれなさそうだっだ。

 

 「あっちでない、こっちでない」、コージと言い合ったが、想像通り、そこに弱点があった。

何とかP5を通過して、ほっとひと息つくが、P6も荒々しい岩峰で、脆い岩場に神経を研ぎ澄ませながら、登った。

 

 

P5にて。

 

 

 P7、P8になると岩稜ではあるが、樹林がしっかりと岩場を食んでいて、緊張感から解放される。強傾斜のモンキークライムの連続で、ようやく荒谷山ジャンダルム(P9)のピークに立つ。

 

 

荒谷山ジャンダルム。

 

 

P7~P8にかけての岩稜。

 

 ここからは一旦、岩稜帯でなく、ブナなどの茂るなだらかな山体となる。大人しかった熊笹も勢いを次第に見せ始める。「これがP12、あれがP13」と地図と照らし合わせながら、カウントしていたはずなのだが、P13と思ってピークに立つと、何と「荒谷山」の山名プレートが立っていた。。途中で、先週歩いた尾根筋と何だか似ているなぁ・・・と思っていたのだが。14時到着予定が、10時過ぎに着いてしまった。

 

 

荒谷山ピーク1287m。

 

 

 コージに素敵な展望台を案内する。ここからは東ノ川側を見渡すことができ、台高の雄大な山並みに心が揺さぶられる。

 

 さて、ここからは勝手知った道。再び岩稜帯になり、石楠花やアケボモツツジの色彩が目に鮮やかだ。最後の留めというふうにP18、P19の登り返しがあり、熊笹掴んでのモンキークライムで大汗をかく。

 

 

  とは言いながら、デポ地点に17時予定だったのが、13時前に到着。林道脇にテントを張ると、早々に缶ビールを開けて、「お疲れ様!」の乾杯をした。睡眠不足だったので、18時前には眠りについた。夜中にふと目覚めると心細げに鳴く鳥の声が聞こえていた。

 

(レポ2に続く)