9月2~4日で連休を取得し、滝ノ内沢の続きをやろうと思っていたが、最悪のタイミングで台風がやってきた。予想進路を度々豹変させ、遅々と進む、典型的な迷走台風。台風を動かす偏西風が日本列島の遥か北にあり、太平洋高気圧と大陸の高気圧に挟まれる形で、台風10号は迷走することになった。九州に1000mm超える雨量を、太平洋側、特に南東斜面では700~1000mmの雨量を降らせることになった。

 北陸方面はそれほどの雨量でなかったようだが、滝ノ内沢は雨と分かって敢えて入るような、甘い谷ではない。涙を呑んで今回は断念し、当日の天気が良さそうなのは、近畿地方、その中でも南西斜面は降雨量が少ないようなので、奥高野の谷に行先を決定した。2日はdボルでジムクラし、3~4日で神納川の榎谷に行くことにした。

 

 榎谷は、吉岡さんのルート100に泊まりの沢として紹介されている。最近はしっかり詰める沢登りをしてなかったので、これからの遠征シーズン向けて、脚力を再トレーニングしておきたかった。

 コージは2日は仕事にし、夕方、ジムに向かう。dボルは最近コンペがあり、コンペルートが追加されていた。私は11.dまでオンサイト、12.aも最近登ってない割にはいいところまで迫ることができた。翌朝は5時起床で、ゆっくりと出発。山天集落奥まで入り、駐車しようとすると、畑にいたお婆ちゃんに話しかけられる。一旦、断ったが、「これを飲み~」と、チオビタドリングを渡された。下山後、立ち寄ると話し別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 初日は幕営予定の二又まで。基本、だらだらと河原が続く。土砂の堆積が目立つなぁと思っていたら、右岸に大崩壊地があった。それを過ぎると、ようやく渓谷っぽくなり、二又。二又は湿っぽく、快適でなさそうだったので、更にツツジ谷に進む。ツツジ滝手前にいい感じの台地があったので、整地してタープを張った。鴨ロースは焚火で炙ると、格別。ヘッデン点ける前に、シュラフに潜り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二又までは平凡だったが、ツツジ滝からは滝、滝、滝の連続だった。そのどれもが登れるから、嬉しい。ただ、それまでの約3時間の河原歩きがどうか・・?神納川ならやはりまず三田谷に行くべきなんだろうと思う。ガイドブックにありながら、ネット上の記録が少ないのも頷ける。私たちのように前日ジムで登って疲れた翌日、ゆっくり出発して焚火を楽しむプランなら、有意義だろう。また、脚の早いパーティなら、日帰り余裕だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 下山の尾根は、以前、冬場に小辺路へ繋げ周遊したことがある(2015年4月11日記録なし)。当時より、テープがこまめに付けられていて、ルーファイ不要だった。ただ、いよいよ山天集落に降り着くというところで、道が崩壊し分からなくなった。適当に降りると、導水ホースのある小沢に出て、小道を歩いていると、あのお婆ちゃんに声を掛けられた。

 お宅に上がり込んで、シャワーを浴び、おやつをもらい、楽しいお話、野菜のお土産までもらった。故郷に帰ってきたような気持ちだった。

 

 “山天(やまてん)のお婆ちゃん”。また、遊びに行きますー♪