週末に久々にロードショー館で映画を見ました。sanregの好きなチェ・ゲバラの映画でちょっと期待していったけど、映画的には「別にDVDが出るのを待ってでもよかった」。カットバックが多くて、戦闘シーンもジャングルの中だし。苦笑
そんな映画ですが、感激したのはチェ・ゲバラの次の言葉。
真の革命家は偉大なる愛によって導かれる。人間への愛。正義への愛。真実への愛。愛のない真の革命家を想像することは不可能だ。

先日NHKで「黒いダイヤモンド」という南アフリカの現在のレポートをしていました。ご存じのように1994年アパルトヘイトが終わり、初の黒人大統領が誕生したわけですが、黒人の苦しみは消えたわけではないようです。はぁ・・・
8%の黒人が富裕層になり、黒人の貧困層は倍になった、つまり黒人の間で大きな溝ができてしまった、と言うことらしいです。前は、アパルトヘイトの廃絶という黒人全体にひとつの大きな目標があったもの、現在は黒人同士で対立をしている。
しかも、2010年のサッカーワールドカップの開会式と決勝戦が行われる会場がヨハネスブルクにあるのですが、このヨハネスブルクが世界一の犯罪発生地帯。殺人事件は日本の100倍以上です。むしろ貧困層の黒人にとっては、アパルトヘイト後、さらに状況は悪化している状況のようです。なにせ、会場のそばにスラム街があって、ワールドカップ前に撤去されることが決まっているのです。中国みたいです。

NHKのレポートの中で、気になったのは富裕層の黒人(この人たちが「黒いダイヤモンド」と呼ばれているそうです)を取材しているのですが、そのうちマンガン鉱山の権利を手に入れたのは、アパルトヘイトを廃絶に追い込んだ運動家であり、マンデラ大統領の運転手をしていた人が巨大なショッピングセンターを造って、それこそハリウッドのような大豪邸に住んでいるのです。

この人たちは頑張って今の地位を手に入れたのかもしれません。詳しいことはわからないし、別に革命でもないけど、ちょっと首をかしげてしまいます。チェは映画の中で、村の娘を強姦したり、盗みをはたらいた自分たちの兵士を死刑にしています。そして「農民たちを尊敬している」といって、決して革命は「自分の力ではなく、兵士の力であり、民衆の力」で成功した、とも言っています。まさに「正義への愛」であり、「真実への愛」を実践していったわけです。
あれだけのヒーローになっても、です。しかも、キューバ革命が成功すると、映画第2部「チェ 39歳 別れの手紙」にあるように、ボリビアの革命運動を指導して、処刑されてしまうのです。自分の命をかえりみず、圧政に苦しんでいる人を見逃すことができなくて。

なんやかんや言いながら、結局第2部である「チェ 39歳 別れの手紙」も観にいきそうです。苦笑