それは、自分を汚すこと。ものすごい潔癖症で旦那にも帰宅したらまず全部服を脱いで、お風呂に入ってもらわないとリビングに足を踏み入れることを嫌がった彼女。一方で、自分を汚さないと精神のバランスが取れなかったらしく、毎日、バーや居酒屋で出会う行きずりの男と一夜を共にしていた。


私はでも、そんな彼女を否定するわけでもなく、ただ素直に受け入れてた訳で。彼女はとても優しかったし、たぶん相当につらいと思うけど、頑張っているなぁと思ってた。私が入院していた病院には、潔癖症の治療で入院し、薬を飲まされていた人もいたけど、家族がありのままの彼女を受け入れていたら、私の友人と同じく普通に社会生活を送り、精神科に入院することもなく毎日を過ごしていたでしょう。私の友人は、とにかく家に人を入れたがらなかったので、両親も兄弟も家には入ったことがないそうで、私が彼女の家に泊まったことは、信じられないと驚かれました。潔癖症は本人もバカバカしいと理解しているのにやめられないんだよね。スーパーで食材を買っても、いちいち全部洗って、綺麗だと信じてるビニール袋に入れ替えないと気が済まないし、毎日の生活が面倒で本当に大変だと思いました。でも、周囲の理解があれば精神病のレッテルは貼られなくて済むわけで、そういう意味では彼女は幸せなのだと思います。今ごろ何をしてるかな? 会いたいな。幸せでいるなら嬉しいけど。