減給と戦う~「個別労働紛争解決制度」を利用したこと その1 | ♪ Happy Juggling ♪

♪ Happy Juggling ♪

東京都西部在住の「働きママン」。
某外資系アパレルで、やっぱり貿易事務してます。
家族は夫、11歳の長男、8歳の次男三男(一卵性双生児)です。

☆いつも心に北極星を☆
育児に仕事に家事に“自分”
重さも大きさも違えども、笑顔と余裕でぐるぐる回そう!

1年半前のことですが、どなたかの参考になればと思って書きます。
私が先日勤務を終えた会社で経験したことです。

当時、ブログは書いていなかったので、mixi日記に記録していました。
あくまでも当時の情報ですが、それを元に書きます。



二度目の育児休暇から復帰してからのことです。

私は産休前は貿易事務や国内デリバリー手配、本国へのレポート作成などが中心の「業務職」でした。
ところが、育休を終え復帰してくると、「営業アシスタント」職に変更になりました。

理由は、
「業務職はすでに定員であり、人数が足りている」
「営業の事務系をやる人員がおらず、そちらにまわってほしい」
ということ。

当時、私にとって、給料はかなりのモチベーションでした。
やることが変わっても、給料が変わらなければそれでいい、と職種変更をそのまま引き受けました。


そして3ヶ月後のことでした。
10月から減給します、との通告。
額にして5万円強(税引き前ね)ほど、月給が下がるのです。
 #私の会社は、ボーナスなしの、年棒制で、月給X12が年間にもらえる額

減給なんて、働き始めて以来初めて。
転職したことによって給与が下がった経験はあるけれど、同じ会社で働いていて、突然、こんなに額が下がるのは初めてで(額の多少に関わらず、減給なんて今まで経験なし)、あまりのショックに悔し涙も出てくるし、これからどうしようか考え出しました。


背景・経緯は以下↓。
・産休・育休にあたって、私の後任として正社員が入ってきたが、今も就業継続
・年1回面談が行われているが、本国より「セールスアシスタント職としては、給与が高すぎるのではないか」との指摘があった
・本国から私の給与として提示された額はあまりにも低すぎたため、日本の市場と照合した結果、適切と思われる額を日本の社長が提示。数回のやりとりの末、新給与が決定された。
・給与が下がるのは、私一人だけで、あくまでも「職種変更による給与減」とのこと。


以前もこのブログに書きましたが、日本側はとても小さな会社。
子育てしている女性は私だけだし、会社に迷惑をかけているかもしれない。
この減給分を、突発的に帰ったり休んだり、などの「迷惑料」みたいに考えればいい、とか、
今年度はこの額で何とか我慢して頑張って、来年度は上げてもらおう、とか、
いろいろ考えました。
減給するなら、それに合わせて仕事量も減らしてもらおうか、とも考えました。

それで、一旦は涙をのんで、減給を受け入れようかと思いました。


でも、でも、でも、やっぱり納得できない。
同じバックオフィスのラインなのに、職種が変わっただけで、なぜこんなに給与が下がるのか。
原職に戻れなくても、給与が変わらなければ、それでもいいと思っていたのに。

今やっているセールスアシスタント職としての仕事内容は、業務職の仕事より個人的には難易度が高いと思うし、売り上げなどに関する数字を扱うので非常に気を遣う。
業務職時代にやっていた業務を今も一部引き継いでいるのに、セールスアシスタントというタイトルだけで、がくんと給与が下がるのは許せない。

 #外資って、アシスタント職の給与はとても低いのです。私は外資で働いている意識に欠けていました

ちなみに、減給は一方的な「通告」に等しく、まさに、
Leave it (the office) or accept it (the contract).
受け入れられないなら辞めろ、という感じのもの。
そこまではっきりとは言われなかったけれど、交渉の余地はありませんでした。




何が正解か、どうすればいいのか。
とても悩みました。


何か言い出せば会社にいづらくなるかもしれない、会社の繁忙期にこういった問題を起こすのも・・・など考えました。
考えるほど、争う気も失せてきました。

社長は、とりあえず本国とは交渉してくれたんだ、その気持ちを踏みにじる行為にならないか、私がやろうとしていることは。
「今だけ」の額だと割り切って、何とか乗り越えることができないか・・・。


辞めて転職しようとも思いました。
前回転職時の人材紹介会社への登録を復活させ、レジュメ更新などもしてみました。

 #当然、日々の業務をこなし、帰宅して子供たちが寝た後です。
 今思うと、復帰3ヶ月後はまだパワーがあった。。。


でも、辞める覚悟があるのなら、会社と戦ってみようではないか。
こんな納得できない気持ちを抱えたまま、仕事を続けられない。
社長が「子どもがいて働く女性」に対し、いい思いを抱いていないのはよく分かっている。
だからって、泣き寝入りはしたくない。

それに、私が働くことを応援し、支えてくれる家族に申し訳ない。
年棒が60万円近く下がるのは、ちょっとやそっとの倹約ではリカバーが難しいし、おそらく、これほど下がった分をまた元の水準に戻すのは、バックオフィス業務では、かなり、難しい、というか、不可能なのでは・・・。
じゃあいつまで減給給与が続くのか・・・。

 #私の会社だと、あとはセールス職しかなく、これは技術系の知識がないと、まず無理



法律にあたってみました。
「育児・介護休業法」「男女雇用機会均等法」に「育児休業取得による・・・不利益取扱いの禁止等」という条文があります。
今回の減給は、この「不利益取扱い」に該当するのではないか、だったら、減給取り消しを求めて、会社と争ってみるか。


調べてみると、東京労働局の「労働紛争解決援助制度」というものがありました。
電話して状況を話すと、

「不利益取扱いにあたる可能性がありますね。
ご希望でしたら、こちらから直接経営者の方にお話を伺います」

ということでした。

私は援助を頼みました。




給与に関する面談でずっと話をしていたのは、上司ではなく、社長。
上司は前の年の秋に転職してきたばかりで、さすがに彼に減給の話をさせるのは心苦しいと思ったのでしょう。

一旦上司に状況報告をした後、社長に、
「不利益取扱いにあたる可能性がある。
東京労働局に、紛争解決の援助の申立を行いました。」
と話しました。

制度がきちんと整った会社で働いている方々には、こんなことが起こるのが信じられないかもしれません。
私としては、第三者から見て、“不利益取扱いには当たらない”という判断が下れば、それはそれで減給は受け入れるつもりでした。



ちなみに夫は、
「争うなら辞める覚悟で」
と言っていました。
夫はまさに「制度がきちんと整った会社」で働いているし、会社と争うなんて信じられなかったのでしょう。
ただ、私は一度言いだすと止まらない性格のため、これ以上の口出しは、たとえ配偶者と言えども聞かないだろうと思ったのかもしれません。


続きます。