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 僕には入れ込んでいることがあったのだ。それは体を鍛えることだった。東山(今は八甲田山と呼ばれている)から日が昇ると、家を飛び出し、自分の持てる限りの大岩を何度も持ち上げ、日々鍛練していたのだ。日に日に逞しくなっていく自身の体に満足感を得ていたのだ。この邑(むら)では体の強靭さが男の価値の大半を決めていた。それと、もう一つの重要な理由があったのだ。
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 そんなとき村長である父から私に命令が下ったのだ。私は三男で「考える木」という意味の名前モクを付けられていた。数年おきに行く、道具を作るための「石」を手に入れるための首長になるようにとの命令だ。これまでは上の兄の一人が担っていた仕事だ。どうも、15になる私に試練を与えようという考えらしい。しかし、私には引き受けたくない理由があったのだ。