発達障害当事者の先輩として、何を目指すべきか一つだけあげるとしたら、
できるだけ自分の得意なこと、好きなことだけをやり、
できるだけ自分の苦手なこと、イヤなことを手放すことです。
これらが皆さんへのアドバイスのほとんど全てだと言っても過言ではありません。
「好きなこと」だけして生きていく。
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この本は発達障害とは全く関係ありませんが、発達障害である私に
生きる希望を与えてくれた本です。蔵書の中で最も推薦したい本の一つです。
タイトル通り好きなことだけして、嫌いなことを手放していくことで
人生を変えていこう、ということを一冊通して書いてあります。
発達障害の専門書でも、好きなことを伸ばして苦手なことは
フォローしてもらうということが殆どの本で書いてありますが、
まさにその内容と一致しています。
悪い言い方をすれば科学的な根拠はなく精神的部分で語りかけてくるのですが、
特に発達障害者が楽しく生きるにはこれに尽きると思います。
当時会社でどんなに頑張っても集中できず、
成果が出ないため体調も悪化して休日は疲労回復のためにひたすら家に引きこもる生活でした。
その時たまたまこの本に出会い、めくっていくうちに
この本の一節が刺さりました。
「まずはやりたいこと、それだけを追求する。
あなたは南の島に行くのです。
そうすれば、人生が変わる一歩が踏み出せます」
体調不良でダウンしていた私にとっては、南の島への旅行など
夢のまた夢でした。
長距離の旅行なんて体力が尽きてパニックになるに違いない。
もし島へたどり着いてもかかりつけの病院にすぐに行けない状況で
パニックに陥るに違いない。
でも実際はそうではなく、まずやりたいことをやるのが先だったんです。
体調が悪いから行けないのではなく、やりたいことをやっていないから体調が悪い。
思い切って南の島へ行ってみました。本当に清水の舞台から飛び下りる覚悟でした。
そうすると何と体調のいいことか。5年以上忘れていた本来の自分がみるみる
復活してくるのがわかりました。
体調が悪いのは、実はふて腐れて自分の人生を諦めていたからだったんです。
それ以来順風満帆とはいえませんが、楽しいことがどんどん増えてきています。
いま、そこそこ幸せです。
繰り返しになりますが、特に発達障害で困難を抱えている人は
とにかく苦手なことを手放すのが人生を改善する大きな指標です。
他人に手伝ってもらう、仕事を変える、手段は様々ありますが、
あらゆる手をつくして苦手を手放してほしいと心から思います。