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 さて本編です

 

 夫の「金ばっかバカバカ使って」発言を引きづったまま病院に戻ったわたしだった。

 

 3回目の電気治療を終えて午後に主治医が訪ねてきた。

 ここでの体制は1,入院を受け入れてくれた上級主治医(普段顔みせない)2,主治医(眼鏡のひょろ高い) 3,研修医のお嬢だったのだが、

 

 「どう調子は?」と聞かれて

 

 「とてもいいです。なんというか、やる気が出てくるというか前向きになれていろんなことチャレンジしたいという感じで」と

 上々なことを話す。元気よく。

 

 私の本来の姿は、たいてい雑談が好きでいろんなことに興味があるタイプなので素の姿だと私は理解していうのだが、こんなことばが返ってきた

 

 「ソウかもな」

 

 え?それは相槌?

 

 「双極性障害って知ってます?」

 

 「はい。躁状態とうつ状態を繰り返すのですよね」

 

 「そう、その躁」 ってソウというワード何回いうんだよっていう会話だが私は正直、想定もしていなかった問いに驚いた。

 

 「いやー・・・なんというか私が知りうる双極性障害の躁だとはちょっと思えないです。私、こういう素なんですけれど」

 

 ドクターはじっと私の目をみて

 

 「ま、様子見ましょう」と言って、下の2人となんか話しながら去っていった。

 

 確かに、電気がききすぎて一時的に躁転するケースもあるようだが、センセイ、これ私の素なんだよーーと言おうと思ったが、それ自体もなんか躁だと思われても嫌だからあえてそれ以上返さなかった。

 

 これで、電気治療は折り返しを迎えるのであるが、結論からいうと、私は躁転もなく記憶喪失もなく、副作用もない状態で非常に電気がきいて好転していった。

 

 散歩に出た。

 病院の近くにシルバー人材センターが入る建物があるので覗いてみた。

 求人が掲げられいる。

 何らかの有資格出ない限り、清掃の仕事が多かった。

 

 私は清掃の仕事が苦手だ。それは、マイナスをゼロに戻す仕事なのだが、とにかく粗いのだ。

 「四角い床を丸く掃く」そんな性格なのだ。

 

 資格か・・・自分が持っている資格って何だろう。TOEICのスコアとかじゃなくて、国家資格ってやっぱりあるといいのかな

とか思ったが、

 「あぁ、私マスコミの仕事が好きなんだなぁ。戻りたい、また」

 

 気持ちを新たにした。これが電気をやる前だったら

 

 「戻れるんだろうか、どうなるんだろう私の人生」と思ってその場で崩れ落ちるか、泣きながら帰っていただろう

  

 私の病院に戻る足取りは確かで、絶対回復するんだ、できるんだという希望が戻ってきていた。