妻の浮気 運命の日々

妻の浮気 運命の日々

妻の浮気に翻弄され続けた今日まで~これからを、自分の馬鹿さ加減を吐露しながら過去に遡ってつづって行こうと思います。

Amebaでブログを始めよう!
不思議な感覚ですが、妻と別れたいという気持ちはわきませんでした。

それより、なぜそんな関係になったのか、どういう経緯があったのかそればかり気になりました。

妻の持っていた携帯を押収してGPS機能付きのものに代えさせてから、古い携帯のメールを1つ1つ読み進めました。

送信済ホルダーの中はすべて消されていて、妻が送った内容はわかりません。

相手からのメールは、引用返信になっていてすべてではないにしろ妻が送った内容もわかります。

おぼろげながらきっかけは単純なものでした。

当時(私が現行犯逮捕する3か月くらい前)、妻の不倫相手の部長、以降A部長としますが、そのA部長のパワーハラスメントを告発するような、社員家族からの投書がありました。

最終的に会社の方針として、異動はないにしろ社内の別の階にデスクを移動し、その間文書作成の仕事を人事部から特命で行っていたわけです。

A部長は落ち込み精神的にも深くダメージを受けていました。

部員で元気づけよう、飲みに行こうとなりました。

体調不良と飲みすぎから足元のおぼつかないA部長を電車を乗り換える駅まで送ることになった妻。

一旦、構外に出て酔いを覚まそうということになり、駅前のベンチに座って話し込みました。

あとはそのままホテルへ。ありがちな流れです。

*********************************

3日後位だったかと思いますが、私の職場に妻とA部長を呼びました。

ちゃんと正直に話させるためです。

最初から時系列にきっかけや思いを話させたように思いますが、よく覚えていません。

途中に立ち上がってつかみかかろうとした場面があったように思いますがそれもよく覚えていません。

はっきり覚えていたのは、

「私、実は信じてもらえないと思いますが、EDなんです。気持ちはあるけれどできないんです」

「でもホテルに入ってすることしたんやろ?メールにもあるやないか」と私。

「こういうこともあるかと、以前にビデオ試写室で買った”ギミック”をカバンに入れていました」

「ギミック??」

「大人のおもちゃです」

「・・・・・・」

にわかには信じられませんが、奴が言うには自分のペニスが可能になったことは一度もなく、すべてうまくごまかしてペニス型をした大人のおもちゃか自分の指でで妻と接した、ということです。

これからどう対処していいかもわからなくなり、その日は顛末書と反省文を差し入れるように言い帰らせました。

時間がたてばたつほど疑問と不審がわいてきます。

会社にはお役所からの抜き打ち検査や持ち物検査が入ったりする業種です。

自分のカバンに大人のおもちゃをチャンスがあるまで絶えず持ち歩く、そんな危険はまず冒せないということ。そして、そこまで実際にさも自分のペニスを挿入しているように上手に演技できるのか、また妻も少しもおかしいと思わなかったのか。

疑問が疑問を呼び、絶対にボロを出させてやる思いで、妻に問いただす日が続きます。

妻からの聞き取りと、後で差し出されたA部長の顛末書(事の成り行き)から全体像が見えてきました。

最初は成り行きから、そしてたびたび関係を持つようになり、妻も会社では恐ろしいほどの上司が、二人きりの時は子供のようになることが楽しくもあったようです。

メールででもやり取りしています。


{部長はTバックは好きですか}
{大好きです}
{一緒に買いに行ってくれます?}
{行く行く、どこで?}

というような具合です。

そして、部長が喜ぶミニスカートでイベントに出かけ、帰ると見せかけ二人でホテルに入ったところを私がおさえたわけです。

妻はA部長がギミックや指でさも自分自身で接しているように演技していることに気が付かなかったのか??

勃起した状態を見たり触ったことは一度もないのか。

妻は電気も消していたし、恥ずかしいので触ったこともないと言い切ります。
嘘をつくうち自分自身も本当かウソかわからなくなる妻の事です。何度聞いても気が付かないと言います。

指とペニスの違いは判らないはずがない・・・。そう思うとますます信じられません。

このあたりから私の行動は、ひたすら妻やA部長の嘘を暴くことだけに集中してゆきました。

私が地方に出張している間、GPS携帯の妻は家を出られませんが、奴が来ることはできます。

超小型CCDカメラ(ヤフオクで2~3千円です)を買い、リサイクルショップでビデオデッキを買いました。180分テープ3倍モードなら9時間録画できます。ハードディスク内蔵のDVDレコーダーならもっと長く録画できたでしょうが、何せ高い。

私が、自分自身ががおかしいと気づくのは季節も変わって3か月くらいしてからの事。鬱ではないようです。



















並んだ三人に向き合う格好となり、あわてて遠巻きに通り過ぎるカップルもちらりとして、少し冷静になりました。

妻にはB夫の車に乗るように言い、私と奴(浮気相手の妻の上司)は奴の車に乗り込みました。

B夫には後について来るように言いました。

ホテルから出て車の通りもまばらになった、幹線道路沿いの工場の出入り口の歩道に乗り上げるよう言い、車を止めさせました。

しばらく沈黙の後、

「○○(呼び捨て)、こんなことになってこれから先、どないするつもりやねん?」

押し黙っていた奴が重い口を開きました。

「嫁さんと別れて彼女と一緒になりたいです」

「・・・」私

「いやいや、あいつは俺の嫁はんやで」

「お許しいただけるなら別れていただいて。絶対に幸せにします!」

こういう時の、こういう状況の人の思考回路と言うか、俺は彼女の父親と違うわい!と思う反面、こいつに本当の彼女を受け止める覚悟があるなら嫁と別れてやってもいいか、と思いました。

私は彼女の過去を話し始めました。

私のとった行動は人としてどうかと思われる行動です。でも上司の奴の覚悟と度胸が本物なら、きっぱり嫁と別れよう、そう決心した上です。

おそらく上司の奴よりはるかに私が覚悟を決めた瞬間でした。

「うちの嫁はんはな、あんたが思ってるほどキレイ(過去が)やないよ。会社の中でいっぱい妻帯者とも付き合ってきたし、あんたもその一人。あんたもよく知ってる○○さん、△△さんもその一人」

「えっ!○○さん!」

「そう。さらにはあんたの部下の◆◆君。おまけに妊娠までして堕ろしてる」

「えっ・・・、ほ、ほんまですか・・・」

「俺と結婚する前の話やけどまだ5年と経ってないやろ」

「◆◆君はうちの嫁と同じ部署で仕事がしたいから、転勤願いをそれらしい理由を付けて出し、あんたがそれを受け入れたわけや」

「そんなんはほんの一部に過ぎん。そんな過去を持つ女を嫁にして、やって行く自信と覚悟があんたにあるか?」

かなり長い沈黙でした。ほんの一瞬が、私の心の中で何倍にも増幅されて長い時間に感じたのかもしれません。

「◆◆までとは・・・。そんなことも全て知ったうえでさんごろうさんは彼女と一緒におられるんですか・・・。すみません。僕にはとてもそんな懐の深さはありません」

そうか分かったと言った後、彼女を呼びにゆきました。

「お前の過去もみんなこいつにばらしたけれど、そんな過去は受け止められへんらしい。お前はどうなんや?」

「部長は私を美化しすぎてただけと思う。自分で昔、誰々と誰々と付き合ってました、って逐一報告する女なんておらんもん」

そりゃそうです。

上司は半分、遊ばれたそんな雰囲気です。

大学院を卒業し、一流企業に就職し会社一本でここまで登りました。実力も自他ともにあります。将来は社長のポストに一番近い人間と目されるいまの立場にまでなりました。

しかし、遊びは知らなかった。

お堅い大企業の上層部はみなそんな感じかもしれません。少し哀れになりました。

後日、事情聴取を行う、日時は妻から連絡させる、という事で上司の奴は帰らせました。

B夫の車で私と妻は帰路につきました。

妻から携帯を押収しました。

家に帰った後、妻には寝室に行かせ自分はリビングで押収した携帯のメールを見ました。

やばいメールは全て削除したようで、怪しげなメールはありません。

いつの間にか眠ってしまい、気が付いたら妻は出勤していなかったように思います。

1ヶ月の内で一番暇な1週間に入っていた私は、日中も妻の携帯をさわっていました。

ふと気が付きました。

シークレットホルダーが作成されロックがかかっていることを。

上司とのやり取りに間違いありません。

ロックの暗証番号。

妻の誕生日。そんなのは私が知っています。

思い出しました。

ついこのあいだ部内のみんなでお金を出し合って上司の奴の誕生日プレゼントを買うのに、妻に同行しました。

その時の妻からのメールは

「部長の誕生日、○月○日やねんけど、代表で私がプレゼント買いに行くんやけどついてきて」

と言うものです。

自分の携帯の受信箱を探しました。ありました。

部長は私より2つ下なので19〇○年〇〇月○日。

携帯の暗証番号入力画面に打ち込みました。

いとも簡単に、拍子抜けするくらいにあっさりと解除できました。

飛び込んできたメールは、

「今日は調子悪そうやったね。ふっとい注射してあげようか?<注射の絵文字>」

エロメールです。






もう頭に血が上るというより、むしろ子供の頃に泣きながら強い相手に向かって行く、くやしくて仕方がないそんな心境でした。

二人の乗った車がバックし終わると同時位に、B夫のオンボロ車は前を塞ぐ感じで止まりました。

飛び降りた私は、降りてくるよう何度も言いましたが、ロックしたまま私の姿が見えていないかのように、二人でひきつった笑いを交わしています。

頭に来ました。

ガラスをたたき割りたい衝動に駆られ、B夫の車を覗きましたが、いつもは後ろの席に放り込まれてある大型の工具がありません。

後でわかったことですが、B夫は修羅場になった場合のことも考え工具類や凶器になるようなものは全てガレージに下してきていました。

仕方なく正拳で窓ガラスを強打、思いっきりです。

10回くらいは殴りましたが、割れることもなく中の奴らは何もない正面を見ています。まるで私の存在が見えていないようです。

今度はドアを思いっきり蹴飛ばしました。数回でボコボコニ変形しました。

それでも降りてきません。

助手席に廻ります。

ガラス越しには妻の顔がありますが、薄ら笑いを浮かべているような表情のまま前を向いています。

ふと少し離れた反対側(運転席側)に立ったB夫に目が行きました。

なぜか空手有段者の彼は、ほんとににやにや笑っています。

何か余計に腹が立ってきました。

同じように窓越しに妻の顔をめがけてかなりの回数殴りましたが、割れることもなく妻の態度は変わりません。

やはりドアを蹴り、かなりへこんだ状態になったところで運転席のドアが開きました。

降りてきた上司の真横にB夫がぴたりとくっついて立っています。

逃げないようにするためではなく、私が上司を殴らないように手を出したら止めようと思っていたようでした。

付き合いは数年ですが、一日中一緒の事が多い濃い付き合いの彼は、こうなったときの私の行動は読んでいたようです。

有段者の彼が現役の時でもそう簡単には車のガラスは割れず、割れないときの方が手が痛いのをよくわかっています。

彼は、何度も何度もガラスを殴る私を見て、そうとう痛いやろうに・・・、なかなかさんちゃんやるなぁという気持ちと、そんなに連続で殴る蹴るしたらドアを開ける暇が無いやん、と思ったらおかしくてしようがなかったようです。

直接相手に手を出したら私の負けです。怪我でもさせたら形勢逆転します。

上司に向かってその時何を言ったか全く覚えていません。

奴が謝っていたのは確かです。

鬼の形相で迫ってくる私を少し腰が引けた感じで謝っていたように思います。

その姿を見てか妻が助手席から降りてきて上司のとなり、B夫の反対側に並び、3人が私に対峙する形になりました。

妻がかなり酔っているのは一目で分かりました。

声と言い、音と言い結構な騒ぎのはずですが、ホテルの人は終始出てきませんでした。






B夫と共にじっと駐車場の出口を、二人とも黙って見つめていました。

出口は私たちの止まっている反対車線。

中央分離帯があり、あちらとこちらに別れてしまいますが20m位先の一部分だけが、Uターンしてくださいとでも言うように欠けています。

上司の家へ向かうにしても、私の自宅に向かうにしても、どちらにせよ必ずUターンするはずです。

あたりはもう真っ暗です。上司の助手席に妻が乗っている確証もないままもう何時間も張り込んでいます。

こまめに何度も携帯からGPSで動きを見ますが、動く気配も全くありません。

目の前で車がUターンして行くたびにドキリとし、似たような車だと心臓がキュッとなる感じで寿命が縮まりそうです。

もう何十回目かの携帯でのGPSチェックで、下を向いた私の横でB夫が静かに

「きた、奥さんも乗ってる」

「おぉっ」

目の前でUターンをするため街灯で顔も確認できます。

上司の車がUターンすると同時に、ゆっくりと私たちの車も発進させました。

目の前の車の後部から、運転席と助手席のシルエットが見え、なぜかしらこれって現実なのかどうか自分が夢を見ているのではないかと疑問に感じました。

シルエットは明らかに助手席の妻が運転席の上司の方に寄りかかるように頭を寄せています。

3つ先の信号で、妻を自宅まで送るのだとしたら絶対に左に曲がらないといけません。

そんなことをB夫と話しながら最後の交差点に近づきました。

上司の車は片側2車線の左車線から右車線へ車線変更しそのまま右折レーンに入りました。

「右という事は一番近いファッションホテル街は○○町やな」

B夫が独り言のようにつぶやきますが、でもそのホテル街は上司の自宅から歩いても5分とかからないところです。

どう考えても自分の帰りを待つ妻や子のいる自宅のそんな至近距離で、部下と行為を持つとは私には理解しがたく、夢の中の非現実的な空間にいるようで、どこか他人事のようにへらへら笑っていたように思います。

私のへらへら笑いがだんだんひきつるにつれ、やはりB夫の言うホテル街へと近づいて行きます。

この先の信号を左に曲がればそのホテル街です。

車は・・・、曲がりました。

私たちが乗ったB夫のスーパーボロ車も後に続きます。

3軒目のホテルにウインカーも付けずに入りました。

少しタイミングをずらしてから進み、中の様子を入口から覗きました。

バックして駐車スペースに入れている最中です。

「B夫、このままあいつの車の前まで行ってくれ」

私の言葉に返事をする代わりにB夫は車を発進させました。














GPSを取り付けられたとも知らない上司。

これは厳密に言うとイケナイ事のようですが・・・

イケナイ事をしている人なのでお返しです。

ターゲットの日までGPSで時折監視しましたが、怪しいこともなく・・・

おかしな心境ですが、張り切っていたためかがっかりだったような気がします。


怪しい日の当日、ほとんどはくことが無いミニスカートで出かける妻を見送って行動開始、GPSのチェック。

上司兼浮気相手、動きました。

最寄りの駅ではなく急行が停まる、大きな駅周辺にいることを地図上のGPSのマーカーが示しています。

ただ誤差範囲が半径500mとなっています。電波の入りにくい場所にいるためです。

駅まで車で行き、後は電車で目的地へ行く予定だと思いました。

とりあえず彼の車を見つけなければいけません。

マーカーが示す半径500mをローラー作戦。コインパーキングとかの駐車場を探してゆくしかありません。

駅周辺ですがコインパーキングやボウリング場の駐車場など利用できるところはたくさんありました。

ここで車を見つけられなければ、張り込みも尾行も失敗する可能性が高くなります。

絶対に見つける!必死でした。

ボウリング場の駐車場は施設利用以外でも駐車できますので、6階建てくらいの立体駐車場を上から順に探してゆきました。1000数百台。

ありません。

周辺のコインパーキングもしらみつぶし、2時間以上探しましたが見つかりません。

半ば途方に暮れ、落胆して泣きそうになっていると、遠くにまだ見ていないPの文字。

駅から直接出入りできるショッピングセンターの駐車場が立体駐車場になっていて、建物に併設されていることに気が付きました。

灯台下暗しです。

ここに止めるなら、駅の連絡通路に一番近い所に止めるはずです。

駐車場の3階だったか4階だったかが連絡通路に一番近くです。

ショッピングセンターの中の駅への連絡通路のある階から駐車場へと、ドキドキしながら向かいました。

ありました。今まで必死に探したのがバカのようにあっさりと見つかりました。

手前から2台目に止まっています。

B夫にも連絡して合流してもらうことにしました。

この時点で昼すぎです。

イベントが終わって帰ってくるのは夜のはずですが、何があるかわからないのでB夫と2人で張り込むことにしました。

ショッピングセンターの駐車場の出入り口は1つ。

張り込みには好都合です。対向車線の真ん前にB夫の車で陣取りました。

悪いタイミングで、その日は町内会の役員会で役員の私は絶対参加しないといけない案件がありました。

夕方4時から1時間半ほど張り込みから抜けないといけません。

後ろ髪をひかれる思いでその間はB夫に任せて現場を離れました。

戻ってこられたのは6時過ぎ。

B夫からの連絡もなく私の車はコインパーキングへ入れてB夫の車に乗り込みました。









妻は一人、駅へと向かいます。

張り込んでいた空中庭園のような2階から、ダッシュで駆け下り後を追います。

予め買っておいたカードで彼女に続いて改札に入り、ホームの中ほどまで行ったところで止まりました。

携帯をさわっています。

すぐに私の携帯にメールが入りました。

『今から帰ります』

この時点で帰ると連絡してくるという事は、寄り道はありません。

そもそも浮気の相手の上司は車通勤ですから、人目を避けて途中下車して相手の車に移動することもあり得ますが、帰ると連絡してきたのでその可能性も無くなりました。

私はそのまま改札を出て、近くのコインパーキングに止めた自分の車に向かいました。

一番近い高速の入口から自宅を目指して、妻よりも先に家に帰ります。

そんなことを何度かしているうちに、事を起こす怪しい日が分かりました。

取引先のイベントに妻の会社の社長、飛ぶ鳥を落とす勢いの上司であり不倫相手の部長、そして妻、同僚が招待されました。

地域のお祭りとリンクしたそのイベントは食事をはじめ宴席もあり酒も入ります。

なので車で移動と言うのは考えにくいですが、皆帰る方向がバラバラなので解散したと見せかけて、再度2人で落ち合うことは容易です。

私が自分と上司との関係を知っているとは思ってもいない妻は、もともとは自分ではなく別の男性社員が行く予定を上司が何かと理由をつけて、自分が同行するように変更した、ほんとは行きたくないのになぁ・・・と話します。

このチャンスを確実にものにしなければいけません。

万が一にも車を使わないとも限らず、
①車を見張る人
②尾行する人
と、二手に分かれて行動する案も考えましたが、車を使わなければ①は全く無駄になります。

そこで上司の部長の車にはGPS発信機を付けることにしました。

これなら車が動けばどこからでも把握できます。

GPSはレンタル会社から1週間レンタルすることにしてネットで注文、翌日に宅急便で届きました。

強力な磁石も付いていて、1か月間は充電なしで発信してくれます。

いまはGPSロガータイプというデータ蓄積タイプが安く出回ってますが、回収後でないとデータは分かりません。

今回のはリアルタイムのGPSです。スマホからでも随時移動状況が分かりますが、1週間で3万円くらいかかります。

仕事仲間で以前から手伝ってもらっているB夫と共に、上司部長のマンションに向かいます。

マンション敷地内には広い駐車場がありますので、多分そこに止まっているはずです。

週のうち半分は電車通勤している情報もそれとなく妻から仕入れていました。

駐車していなかったら出直しです。

B夫と二人、普段から仕事に着ているツナギで向いました。

駐車場の中には・・・、ラッキーです。上司部長の車は止まっています。

車の修理に来ているそぶりで(乗っていった車も車やさんのサービスカーのような車です)、車の横に寝そべって裏側をのぞきます。

平らな目立たないところに、磁石でバシッと貼り付けるだけなので、所要時間は15秒位。

さっさと退散です。上司の奥さんが上から見る可能性もあります。

スマホから管理ページにログイン後、ちゃんと発信してくれていることを確認しました。

怪しいイベントまで1週間を切っていました。









何気なく見た、妻の後ろでUターンして行く上司の車のナンバープレート。

頭の中から血が引いて行くような感覚を覚え、急に吐き気をもよおしました。

車が去った後の道路の側溝に、強烈に嘔吐しました。

苦しさと、ショックから涙がぽろぽろと流れました。

上司の車のナンバーは間違いなく、あの温泉地の駐車場の領収書に書いてあったナンバー、上3桁。

あわてて駆け寄ってきた妻は、

「どないしたん?そんななるまで飲むやなんて珍しいやん」

と言いながら、私の背中をさすります。

頭の中から血の引いた感覚は、私に冷静さも与えてくれました。

カーッとなっていたら大声で怒鳴っていたでしょうが、その時はひどく冷静でした。

状況証拠としては十分なものが私の手にありますが、あれやこれやともっともらしい嘘で言い返される可能性もあります。上司と打合せする可能性もあります。

実際に現場を押さえなあかん、そう思いました。

「調子にのって飲んでたら、飲みすぎたわ」

それだけ言ってまたよろよろと立ちあがりました。

私が全てを知ってしまったとは、またしても夢にも思わない彼女に脇をかかえられて一緒に歩きました。

そのまま家に入り布団に倒れ込みました。途中、トイレに行ったように思いますが朝目が覚めるともう妻は出勤した後でした。

これからどうするのか・・・

どうやって現場を押えるのか。

少しむかつく胃を押え、ぼーっとした頭で考えました。

ここまで我慢し、真実を知るために頑張ってきました。温泉地には複数で行ったとでも言い逃れでもされると、確固たる証拠もありません。

妻と上司が再び出かける、次のチャンスを待たんとあかん。現場を押えよう、長期戦になるな、そう思いました。

それまでは毎夜、妻の帰りを待っていましたが、もう馬鹿らしくなりました。

妻を待たずに先に寝ることも多くなりました。

彼女の携帯でも見ればすべてわかるかもしれませんが、どちらにせよ会社の帰りに事に及ばれてもどうしようもありません。会社を出る時間はバラバラです。

それでも何かしないと何も進まないように思えて、仕事が終わるであろう時刻にビジネスビルが立ち並ぶ妻の会社まで行きました。

お弁当なども食べられる空中公園から、隣接する妻の会社の出入り口を張り込みます。

2時間以上もじっと見ていると、時折、警備員が見廻りにやってきます。

何か言われるかと思いましたが、様子を察してか何も言いません。

2時間半が経過したころ、数人の同僚と出てきました。

妻以外は地下鉄の駅方面。一人で別の路線の駅に向かいます。

後を追いました。





ナンバープレートは、全く違いました。

車もどちらかと言うとオジサン車です。

塀の中の駐車スペースは1台。本人の車は他に駐車場を借りているんだと思いました。

あたりの駐車場をローラー作戦です。すぐ近くに大きな駐車場があって、止まっている車のナンバーを見ましたが該当するようなものは無し。

奥さんが乗って出ている可能性もあります。

家に電話しました。

先日住所を教えてくれた奥さんと思しき女性が出ました。

「山田さんですか?」

「違います」

「すみません、間違いました」

奥さんは在宅です。

あたりの駐車場もローラー作戦で見て回りました。

ありません。

後輩男の可能性は極めて低くなりました。

その後、1ヶ月の間に2人の自宅に確認に行きました。

どれも白です。

半ば心が折れそうになりながら、行った3人目の自宅。

最初から数えると4番目。可能性の割合で行けば、ほとんどなさそうな相手です。

やはり白という事が分かった夜、夕方からテレビを見るでもなく飲んでいました。

夜中12時過ぎ、妻から帰るコールです。上司の車で3人ほどの同僚の家を回りながら帰るといういつものパターンです。

一度は妻に内緒で相談しようとまで思ったその上司の自宅は、私も知っています。

先日も私の仕事の現場がその上司のマンションの近所で、自宅に忘れ物をした私はたまたま振り替え休日だった妻に届けてもらいました。

来た妻に、

「あれ○○さんのマンションやで、ベランダから俺らの事見えるン違うか、電話してみ」

「休みの日に・・・」

と言いながらしぶしぶかけた電話で、ベランダに出てきた上司はこちらに手を振っています。

その後、私の現場に現れた上司にうまいラーメンをごちそうになり、妻のドジ話で盛り上がりました。

そんな上司の自宅が近いために、妻はいつもみんなの家を回った一番後に帰ってきます。

結構酔っていました。酔いさましに夜風にでも当たろうと、缶チューハイを片手に家の角まで出てあまり人目に付かないところで腰を下ろしました。

手に持った缶チューハイはすぐなくなりました。ポケットに次の缶が入っています。

その缶チューハイもほぼなくなりかけたころ、妻を乗せた車がうちに入る脇道の入口に横付けして止まりました。

降りてきた妻は丁寧にお礼を言い頭を下げています。

車に背を向けて家の方に歩き出した妻に

「お帰り!」

と声をかけ、よろよろと立ちあがりました。

そんなところに私がいるとは夢にも思わなかった彼女は腰を抜かさんばかりです。

妻を送ってきてくれた上司の車は、Uターンするために私たちのいる脇道にバックで入ってきます。








「は、はい。それはもう十分承知の上で・・・」

返答する私に、

「当ホテルではお客さまの、個人情報はお教えできません」

また言います。

「・・・」私。


そういう事か!

泊まっていない→お客さまではない

泊まっている→大切なお客さま

思わず笑顔になった私に支配人もニッコリ。

一般的なお客さまが当ホテルからよく行かれる場所としては、○○とか○○が多いですね、と支配人。

個人情報の規制が厳しい中で、できる限りの配慮をしてくださいました。

ていねいにお礼を言い、少し胸が熱くなりながら、周辺のスポットと例の駐車場を車でチラ見して帰路につきました。

帰りの道の遠かったこと。

行くときはあっという間のように感じましたが、彼女らが宿泊したホテルを見、宿泊した確証が得られた帰路は何かが重くのしかかってくるようで・・・

まず相手の特定です。

妻の事ですからまた社内の人間が相手に違いない、そう思った私にとっての手がかりは、妻の会社の緊急連絡網の電話番号表しかありません。

住所は載ってませんが、固定電話の番号はあります。

いきなり電話して住所を教えて、と言うわけにもゆかず・・・

いっそ、妻の会社の社内行事等で直接仲良くなった、妻の直属の上司である部長に相談するか・・。

漏れる可能性も無きにしも非ず、それはできませんでした。

やはり固定電話から情報を探るしかありません。

またもや大ウソつき作戦。

緊急連絡網から、過去に妻と関係や接点があった人間をピックアップします。

電話を掛けます。

「○○(適当)配送センターのドライバーですが、○○出版様(仕事に関係がありそうな本の出版社で適当につくる)からお届けなんですが、伝票がこすれて字が読めなくなってまして○○市(固定電話番号からおおよその市を割り出して)から下が読めなくなってます。住所おうかがいしてもいいですか?」

「何の本ですか?」

と聞かれればまた適当。

ほぼ確実に住所は聞けました。待てど暮らせど本は届かず・・・

私、悪人です。

後は実際にその家に行き車のナンバーを確認します。

ここまで、電話を掛け住所を聞き出すまで結構勇気が要りました。躊躇する部分もあって結構時間がかかり、2週間以上たっていたと思います。

仕事の合間を縫って現地に行かないといけないので、なかなかすぐには行けませんがしょっぱなは、過去、妻を妊娠させた後輩男の自宅です。

なかなか入り組んだ自宅で、分かりにくかったんですが何とか見つけました。

以前に私が何も知らないときに、親と同居と聞いてましたが、立派な家です。

高い塀があり木の門構えがあります。

観音開きの下から中を覗き込みました。

車が止まっています。ナンバーも何とか見えます。












捨ててあったその束には、駐車場の領収書もありました。

手書きです。

車のナンバープレートまで入っています。

○○-○

ん、下一桁が書いてない!

確か新幹線の路線案内とかホテルのプリントアウトとか旅行用のサブバックに入れてたはず。

押入れの妻のバッグを探しました。

ありました。

クリアケースに挟んでいますが、幾分中身がずれています。

ずいぶん枚数が多い。

取り出して見てみました。

新幹線の路線案内、ビジホのプリントアウト・・・、観光地の高級ホテル、そこまでの車でのアクセス、地図。

なんじゃこれ・・・

一人つぶやく私。

このころの私は、ガテン系の自営業を始めていて結構自由がききました。

とにかくお客さんの所に電話を入れ、うかがう日を一日ずらしてもらいました。

さてと、どないしょ・・・

とにかく電話や。

東京のビジネスホテルに電話しました。

「もしもし、○○株式会社の経理担当者ですが、弊社の○○○○というものが土曜日の宿泊させていると思いますが、本人が領収書を失くしたというもので、確認の御電話なんですが」

「はい、しばらくお待ちください。・・・申しわけありませんが、宿泊になられておりません」

「宿泊してない・・・」

決定です。

続いて、駐車場の領収書の電話番号にもかけてみました。

おじいさんが駐車場の料金係りをしていて、下一桁は面倒だったんでしょうとのこと。特に別に帳面とかは無いので全く分からないとのこと。

最後は高級ホテルです。

宿泊しているのはほぼ間違いないと思いますが、相手を断定する手がかりが無いかも含め確認する必要があります。

どんな状況であれ宿泊客の事は教えてくれないでしょう。

妻の写真と後輩男の写真を持って(結婚してすぐの日記を発見したときに、一緒にあったツーショット写真、ちゃんと保管していました)車に乗りました。

飛ばせば3時間足らずでつくはずです。

焦る気持ちを抑えながら、安全にしかもアクセルを踏みつけます。

私も学生のころからバイクで行ってますし、旅行でも行ってます。よく知っている温泉です。

高速のインターを降りて20分もしないうちに目的のホテルが見えました。

路肩に車を寄せ、ホテルにどういう風に切り出そうか考えました。

一か八か。

ホテルまで車を走らせ、駐車場に止めます。

けっこう緊張します。

思い切ってフロントに切り出します。

「すみません。身内の者が宿泊させていただいたかどうかお聞きすることは無理でしょうか?」

「個人情報保護法がございますので、ご希望には添えかねますが・・・」

「お恥ずかしい話で、どうしても確認したいんです」

「しばらくお待ちいただけますか?」


しばらく待つと、支配人さんが直々に話を聞いてくれました。

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、でっちあげた話を聞いてもらいます。

「じつは妹が会社の同僚の妻帯者の男性と駆け落ちしました。経理を担当していた妹は・・・ 会社のお金を持って出たようです。会社の方は1週間以内に本人から連絡があれば警察沙汰にはしないと言ってくれてます」

写真を見せました。

少しやり取りをして、真剣に懇願し困っている私に同情しながら、私にしばらく待ってくれと言い、フロントの男性に写真を見せに行きました。

ややあって戻ってきた支配人は、

「当ホテルでは大切なお客さまの個人情報は宿泊されたかどうかも含め、何があってもお知らせできません」

「やはりそうですか・・・」

「当方ではお客さまの個人情報はお教えできません」

なぜか繰り返します。