「娘さんの携帯でいいですか?救急隊の者です。今、搬送先の病院が決まりました。B総合病院です。来れますか?」


職場から30分位の位置にある病院。


「すぐ向かいます!」


病院に着くと父は処置室で点滴を受けていました。


受付の人に家族と伝えると、先生からの話があるので、待合室で待つ様言われました。


熱中症かな?

意識もあるみたいだし、大丈夫かな?



そこへ、隣の家の人から連絡があった。と言って母が病院にやってきました。


「あら、あんた仕事中に悪いね。父さんどっか悪いん?私の方が腰痛いし、今もリハビリに行ってたのに途中で隣の家の人から電話がかかってきて、やめてきたんだけど、なんなんだろっ?!」



あーこれも認知症の症状なのかなー。


と母の言葉は聞き流し、先生から呼ばれるのを待ちました。


「どうぞー。あー奥様と娘さんでいいですか?こちらもはじめ、熱中症かな?と思ったんですが、念のため検査してみましたら、コロナ陽性でした」


「えっ?!コロナ?」


「はい、でも数値から見て、もう終盤ですね。症状に合う薬を出しておきますので、家で様子を見られてください。点滴終わったら帰っていいですよ」


待合室に戻ると途端に母が


「やだ!うつるじゃない!私、一緒に帰りたくない!1人でタクシーで帰るから」


父の点滴が終わるのも待たずに母は先に帰ってしまいました。