妊婦さんなら皆気になる妊娠線。
もうお嫁に行けなくなっちゃうと冗談を
言われる妊婦さんもおられます。
妊娠線はおもに下腹に出来安いので
お腹の大きな妊婦さんは直接見ることが
出来ず、こちらが指摘して初めて知り、
ショックを受けられる妊婦さんもおられます。
分娩前日に妊娠線が出来て、もう少し分娩が
早ければ・・・という妊婦さんもおられました。
多胎妊娠はかなりシビアに妊娠線が
出来ます。
以前、ドクターの奥様でそれはそれは
お美しい方でした。
双子ちゃんを出産されました。
妊娠線は勿論、お腹の皮膚の弛みも相当な
ものでした。
よっぽど早く美しいお体に戻りたかったのでしょう。
お腹の上に何枚も固く折ったタオルを置いて、
さらしできつくお腹を締め付けていたようです。
ショック状態に陥っていました。
気管内挿管して、心マッサージなどしつつ、種々の薬剤
を投与し、一応蘇生は成功したものの、意識が戻らず
ICU(集中治療室)へ収容しました。
2日目でようやく意識を認め、3日目でほぼ正常にまで
回復しました。
心配した低酸素脳症などの後遺症は認められませんでした。
たまたま看護師が訪床して、早めに発見出来たのが不幸中
の幸いでした。
話を妊娠線に戻しますが、
妊娠線とは皮膚の断裂で生じるものです。
急激に皮膚が伸ばされて、耐えられなくなり、
出来るものです。
妊娠線の出来安い要因は
1.体質(皮膚の伸展性)
2.体重および体重増加
3.子宮の大きさ
(多胎妊娠・巨大児・羊水過多症など)
などが挙げられます。
1.の体質に関しては改善することは不可能です。
妊娠線予防のクリームなども、効果はほとんど
認められません。
3.子宮の大きさに関しても、どうすることも
出来ません。
唯一可能なのは、体重増加を極力避けるという
ことでけでしょう。
それと最近、産後に妊娠線を取って欲しいという
問い合わせがたまにあります。
妊娠線は時間とともに薄く・細くなりますが消えることは
ありません。
お腹の弛みは美容外科で切除することは
可能でしょうが、妊娠線を全て除去するのは
難しいのではないでしょうか?
何か治療法があるのかも知れませんが・・・・
それにしても、女性は大変ですよね。
感心!感心!