頸管熟化とは | 産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

 第一線で働く産婦人科専門医・周産期専門医(母体・胎児)からのメッセージというモチーフのもと、専門家の視点で、妊娠・出産・不妊症に関する話題や情報を提供しています。女性の健康管理・病気に関する話題も併せて提供していきます。

 分娩誘発の方法を説明するのに先立って、頸管熟化とは何かを説明しておきたいと思います。

 子宮頚管は軟産道の中で胎児娩出に対する抵抗が最も大きい部分です。これは妊娠中に胎児を子宮腔内に保持するために、子宮頚管を形成する子宮頚部には十分な強度が備わっているからなのです。分娩が近づくと、この抵抗をなくし胎児を娩出しやすくするために子宮頚部は柔らかくなります。これを頸管熟化といいます。頸管は熟化し始めると、児頭の圧迫によって開大し始め、徐々に短くなっていきます。これを展退といいます。同時にこの圧迫によって子宮下部も伸びていき、子宮口が開いていきます。
産婦人科医師のひとりごと-頸管の展退 妊娠末期の頸管の長さは当初約3 cmですが、その後次第に紙のように薄くなります。この過程の頸管が短くあるいは薄くなることを展退というのです。この段階的な過程を示したのが左の図になります。







 そして、この頸管熟化を子宮口の開大度頸管の展退度児頭の位置頸管の硬度子宮口の位置で評価しスコア化したものがビショップスコア(Bishop Score)です。
産婦人科医師のひとりごと-ビショップスコア表

 ビショップスコアを図説したものを上に示しました。産婦人科医師は日常診察において、このビショップスコアをつけ妊娠・分娩の管理を行っています。

 ビショップスコアは13点が満点です。9点以上で頸管熟化していると判断されます。8点以上で分娩誘発が成功しやすいといわれています。逆に4点以下は頸管未成熟と判断されます。

 なお、本文はオリジナルのものですが、画像中に使用しているイラストの一部は“病気がみえるシリーズvol.10の産科”から引用しました。

病気がみえる〈vol.10〉産科/著者不明

¥3,465
Amazon.co.jp

人気ブログランキングへ

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村