SANDY_16Lのブログ

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遠くの戦争は本当に株式買い?


📌 はじめに

先日、ある証券会社の資料に目が留まりました。タイトルは「銃声が鳴ったら買え」を検証するという趣旨のもの。過去の主要な軍事衝突が発生した後、日経平均やS&P500がどう動いたかをデータでまとめた内容です。

もちろん「今すぐ買いましょう」とは書かれていません。しかし、データの見せ方は明らかに「有事のあとは株が上がることが多い」というメッセージを伝えるものでした。投資家としては、こうした資料を受け取ると「なるほど、ここが買い場なのかも」と思ってしまうものです。


📊 過去のデータが示すもの

資料によると、1950年の朝鮮戦争から2023年のイスラエル・ハマス衝突まで、12の軍事衝突後の株価推移が整理されていました。

たしかに、多くのケースで株価は回復し、むしろ上昇しています。朝鮮戦争後の日経平均は12ヶ月でプラス46.5%、イラク戦争後もプラス38.1%と大きく伸びました。

💡 「パニック売りのあとに冷静に買った人が報われた」という構図は、データ上は事実と言えます。


⚠️ ところが5日後、風向きが変わった

この資料が届いてからわずか5日後。ある経済紙に気になる記事が掲載されました。見出しの趣旨は「"遠くの戦争は買い"が今回は通じていない」というものです。

記事のポイントをまとめると、こういうことです。たしかに過去の地政学イベント50回を調べると、100日後の株価は日米ともに6割以上のケースで上昇していました。しかし、そのうち原油価格が5%以上上昇した18回に絞ると、株価の戻りは明らかに鈍くなっていたのです。

🛢️ 特にエネルギーを輸入に頼る日本への影響は深刻:
・原油高を伴う有事 → 日本株の回復に平均400日以上
・米国株は1年後に平均6%高 → 日本株は2%安に沈む

そして今回の米国・イスラエルによるイラン攻撃では、イランの報復姿勢が強まり、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖リスクが現実味を帯びています。原油価格は衝突前の60ドル台後半から一時110ドルを超え、7割ほどの急騰。まさに過去の「原油高+有事」パターンに当てはまりつつある状況です。

さらに懸念されるのは、原油高が長引くことで物価上昇と景気後退が同時に進む「スタグフレーション」のリスクです。1970年代のオイルショックや1990年のクウェート侵攻時には、このパターンで日米の株式市場が長期低迷に陥りました。


✅ まとめ:判断するのは、やはり自分自身

証券会社の資料が示すデータは事実です。過去の軍事衝突後に株価が上昇したケースが多かったのは間違いありません。しかし、その裏には「原油高を伴えば話は別」という重要な条件が隠れていました。

同じ「有事」でも、原油供給に影響がない局面と、今回のように中東の主要産油国が直接当事者となり原油が急騰する局面では、マーケットの反応はまったく異なります。

過去のデータは「参考」にはなっても「答え」にはならない

ある情報が「買い」を示唆していても、別の角度から見れば状況はまったく違って見えるものです。大切なのは、一つの資料やデータだけで判断せず、複数の視点から情報を集め、最終的には自分自身の頭で考えて決断すること

投資は自己責任とよく言われますが、それは「放り出される」という意味ではなく、「自分で考える力を持とう」という前向きなメッセージだと私は思います。どんなに優れた分析でも、未来を完璧に予測することはできません。だからこそ、情報を鵜呑みにせず、自分なりの判断軸を持つことが何より大切ではないでしょうか。

 

※ 本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。