ドクタードレ コンプトンを聴いて。
ドクタードレが16年ぶりのアルバム「コンプトン」をアップルミュージックから配信した。すごいヒップホッパーである。これまでの功績も同時に考えればラップミュージックの「神」かもしれない。そしてこのアルバムが最後だというアナウンスも聞こえてきた。「これは正装の上、正座で聴かなければ…」などと思うだけなのだが、それくらいの気持ちで聴き入った。一言でいえば「なんて贅沢なんだ」という感想。ゲストは勿論、音、アルバム全体のまとまり、全てに非の打ちどころ無し。レッキン・クルー、NWA、デスロウからのアフターマス、自身のアルバム制作、2パック、スヌープ、エミネム、50セント、他者への楽曲提供、Beatsヘッドフォン、映画などなど。この30年程の間、音楽業界を駆け抜けてきた彼の所謂、「音の集大成」である訳である。悪い訳がない。が…。一言物申すのなら、アルバムが「高級フルコース」になってしまっている。即ち、コンプトンは僕の中で「スマートでハイグレードな高級ちょい悪親父」的音なのです。HIP HOP IS DEADってNASが、昔歌ったけど街の喧騒に負けない音を、今ではもう見かけない「デッカイラジカセ」で鳴らしながら、笑い合い踊り歌うHIP HOPは今はもう絶滅した。スーツ姿でシャンパンに美女達をハベラかせて、ドル札ばら撒いて歌うラッパーの行く末ってなんだろう?と思っていたけど、ある意味その部分には答えを貰えたかもしれない。ドレーのコンプトンが、彼の思うHIP HOPの到達点、「スマートでハイグレードな高級ちょい悪親父」が答えで正解かも。でも、僕は「下町の安酒場の酒のアテ」を奏でるサウスセントラル産オリジナルHIP HOPが聴きたかった。「今のご時世にこの音で勝負するとは!」っていい意味で期待を裏切って欲しかったとゆう気持ちが、少し僕の心を揺さぶったのであります。