中絶の日程は、約3週間後の11月2日に。
仕事の関係でその辺りしか確実に休めなかったから。
 
というのが理由で、
その病院で中絶できるギリギリの週で予約を取った。
 
本当は、3日後にも予約が取れた。
そして、その日はきっと休みが取れた。
体調悪いって会社の人に言いまくってたから、
病院で休みって言っても怪しまれないし。
 
多分、ギリギリまで迷いたかった。
というのが本音かもしれない。
 
だって、キャンセルできるのは3日前までで
もう、キャンセルできないのだから・・・
 
その日までに、1人で生み、育てる方法と自信を見つけなくては。
もしくは、中絶という決心をつけなくては。
そんなことを思っていた。
 
その後、診察室から出て、
採血して、中絶の日の注意点を聞く。
 
スッピンで来てください。(顔色が分からないから)
マニュキア、ペデュキュアは取ってください。(爪の色が分からないから)
ヒールは履かないでください。(転ぶと危ないから)
術後の予定は入れないください。(全身麻酔で朦朧とするから)
ご飯は何時間前までに食べてくさい。などなど
 
説明を聞きながら涙がこぼれた。
なぜ、私は幸せになれないのだろうと。
 
説明してくれる女の人は、そんな私を無視して
淡々と説明を続けた。
 
中絶同意書をもらった。
パートナーにサインをもらってくださいと。
シャチハタじゃダメですよ。と言われる。
 
でも、なんらかの事情でパートナーにもらえない人は
それでも良いらしい。
 
この同意書は、パートナーに
十字架を背負わせるための、
お前も責任感じろよというための、
踏み絵であり、嫌がらせだな。
 
一通り説明を受けて、書類をもらって病院を出る。
さて、仕事に戻らねば。
 
歩きながらエコー写真を見た。
大豆みたいだった。
これが赤ちゃんか。
こんなんで心臓動いてるのか。
これがお腹の中にいて、大きくなるのか。
 
正直、分からなかった。
でも、中絶するなんて簡単に決められなかった。
 
歩きながら、ラインでパートナーにエコー写真を送りつけ
メチャクチャゆがんだメールを書いた。
 
そして、1度会って話すことになった。
会ったのは、その日の夜だったかな。