岩下志麻さんと吉田輝雄さんが,お二人で,電車の到着を待っているホームがある駅は,東急電車の石川台駅のようです。つまりは,洗足池と雪が谷大塚の間にある駅のようです。
ちなみに,荏原病院に通院や見舞いなどされる方は,洗足池からバスで向かわれるのがよいのでは,と思います。
このお二人は,岡田茉莉子さんと佐田啓二さんの住む団地で,たまたま出会ったことから,帰路をご一緒することになったと言います。
東急電車の駅
秋と申しますと,真っ先に,秋刀魚を思い浮かばれる方もいらっしゃるのでは,と思います。
南インド料理に,Sambharという煮込みがありますが,秋刀魚をレンジで調理した後に,このSambharの中に入れて喰するのも,一興ではないか,と思う今日このごろです。
映画「秋刀魚の味」を初めて見たのが,いつのことであったか,詳らかではありません。
掃除機のスイッチを入れる
この映画を繰り返し見る度に,だんだんと気になって来ることがあります。
それは,笠智衆さんが,おそらくは平日の夕刻時に,岡田茉莉子さんと佐田啓二さんのお二人が,ご一緒に暮らす住まいを訪ねられた際に,お二人がこれから喰されると思われる夕食の調理を,中断させてしまったことに,他なりません。
そうなのです!
ハムたまを調理中
この場面の直前で,岡田茉莉子さんが帰宅すると,常に既に,佐田啓二さんは帰宅しており,キッチンで調理をしている様子が映っております。
岡田茉莉子さんが尋ねますと,佐田啓二さんは,
「冷蔵庫にハムがあったんでね,ハムたまだよ。」
と答えています。
それに対して,岡田茉莉子さんは,
「わたしも,ハンバーグ買って来た。」
と言います。
団地と東急電車
つまりは,これからお二人で喰する夕餉の内容は,
ハムたまとハンバーグがメインとなるであろうことは,充分に想像出来ます。
ところが,このお二人の食卓は,笠智衆さんの突然の訪問によって,現実化されることなく,中止されてしまうのです。
たぶん現実に起きたことは,岡田茉莉子さんが,ハムたまとハンバーグを,自分の分だけ喰することで,この日の夕食は終わったのではないか,と察せられます。
そして,残ったもう一人分のハムたまとハンバーグは,翌日の朝食に回されたのではないか,と思われます。
お掃除中
この家では,冷蔵庫を購入するという話があったのですが,この時点ではたぶん購入はなされていないと思われます。
ところで,この映画には,カレンダーが映っているシーンが複数あります。
タイトルが「秋刀魚の味」ですから,季節は秋と思われます。
秋刀魚を喰するシーンはたぶんありませんが,岡田茉莉子さんがぶどうを喰べるシーンはあります。
大洋対阪神のダブルヘッダーが山,という話も出ていますので,9月末ころではないかと思われます。
皆さんの服装も,だいだたいその時分という感じ(暑くもなく涼しくもない季節感)を受けます。
ですから,岡田茉莉子さん宅のカレンダーは,おそらくこの映画が撮影されていた1962年の9月と10月を表示していると思われます。
団地に帰宅する人々
ところが,笠智衆さんと佐田啓二さんが向かったバーの壁に貼られているトリスウヰスキーのカレンダーは,2月と3月を表示しています。
しかも,それが2月1日と2月29日が土曜日に当たる閏年なのです。
トリスバー
2月1日と2月29日が土曜日に当たる閏年は,28年ごとに発現するのですが,1962年の近辺では,1936年と1964年になります。
ちなみに,2020年も,2月1日と2月29日が土曜日に当たる閏年に当たるそうです。
これは一体,どぎゃんことでしょうか?
未来のカレンダーが貼られていることは,あまり考えられないので,このカレンダーは1936年のカレンダーということになると考えざるを得ません。
ところが,このカレンダーは,この時点で,26年も経過したとは思えないほどに,たいへん鮮明に映っております。
ですので,2年後の1964年のカレンダーの可能性も捨て切れません。
そして,この時点で冷蔵庫がないとするならば,まだまだ暑い日もある9月末ですから,ハムたまとハンバーグを,どれだけの時間,室温のまま置いておいて,喰して問題がないかどうか,という問題が発生すると思われます。
マクレガー
そこで,思ったのは,この映画の少し前のシーンで,同じアパートに住む女性から,岡田茉莉子さんは,(冷えた)トマトを2個いただいております。
そこから考えますと,もう一つの可能性としては,冷えたトマトをいただいた返礼に,ハムたまとハンバーグを,その女性に贈与したことは,あり得るのか,あり得ないのか,それは全くわかり兼ねます。