フライボール革命と2012年のOakland Athletics | Sancantion【喰(SHOKU)レーベル】アルバムリリース情報!

金木犀の香りが街中に漂う季節となって参りました。

 

ちなみに,つい最近まで,金星と木星のことを一言で表すために,「金木星」と申すと思うておりました。

 

そして,その香りと言うことは,金星や木星の香りが,この季節に限って地球にいながらにして,楽しむことができるとは,「これ如何に!」と驚愕していたこともあったのでございます。

 

 

翻筋斗打って遅ればせながら,つい最近になって,「フライボール革命」というもの(こと)について,知ったとです。

 

実を申しますと,現在から遡ること6年前の2012年,Oakland Athleticsが奇跡の大逆転を遂げて,地区優勝を果たした際に,気になることが一つあったのです。

 

それは,オールスター・ブレイク以前と以後では,ホームランの絶対度数に大変な差異があったことです。

 

 

以前の本塁打数は83本で,多いほうから数えて,MLB30球団中の18位に位置しておりました。

ところが,以後の本塁打数は112本で,多いほうから数えて,MLB30球団中の1位に位置していたのです。

 

総打数あたりの本塁打数率を算出してみますと,以前は2.90%となりますが,何となんと,以後は4.21%と,約1.5倍に跳ね上がっていたことが,今更ながら判明したのであります。

 

そして,ここで気になることは,言うまでもなく三振数がどのような変化を遂げていたのか,ということになりますが。

 

以前の三振数は683で,多いほうから数えて,MLB30球団中の8位に位置しておりました。

ところが,以後の三振数は704で,多いほうから数えて,MLB30球団中の1位に位置していたのです。

 

総打数あたりの三振率を算出してみますと,以前は23.83%となりますが,以後は26.46%と,約1.1倍に増加していたことが,こちらも今更ながら判明したのであります。

 

 

野球の勝敗についてよく言われることに,本塁打数が多くても三振数が多いと,打線が繋がらず得点には繋がり難く,結果的に勝利には繋がらない,という定説があります。ところが2012年のOakland Athleticsは,前半戦の勝率が.500なのに対して,後半戦の勝率は何となんと.671という,金剛摩尼宝頂楼閣級の値を記録したとです。

 

この年の後半戦においては,負けていても同点であっても,試合の終盤で,実に効果的に本塁打が生まれて,同点に追いついたり逆転したり,というような,殆ど信じられないような試合展開を,何度も目にしたことを今でもはっきりと覚えております。

 

また,たとえ三振率がこれだけ高くなっても勝利を積み重ねられたのは,試合の中盤以降に一度優位に立ったら,自軍の後続の投手たちが,相手の攻撃を完璧に抑え,たとえ自軍の得点が全く加わらなくても,そのまま試合をクローズできたことにあるのではないか,などと思うております。

 

上記の言説から,もしかすると,2012年のOakland Athleticsが成し遂げたことこそが,元祖「フライボール革命」と命名してもよいのではないかと,今更ながら考えている次第であります。

 

というのも,想像するに,この年のOakland Athleticsは,前半戦を終えた時点で,勝率が.500であったことを考慮するならば,後半戦に同じような戦いを続けたとしても,五十歩百歩であろう。それならば,いっそのこと,戦術をがらりと変えて,打者の全打席を本塁打狙いにしたら,どんな結果が生まれるか,実験をしてみよう。文字通り「失うものは何もない」(奥村チヨ)なのであるから。

 

 

というようなことが,ビリー・ビーン(Billy Beane)さんを中心にして話し合われたか否かは,全くもってわかりません。

 

しかし,後半戦の勝率アップや地区優勝という結果から想像しますと,上述の戦術の変化(と思われること)は,明らかな成果となって現れた,と言ってもよいかも知れませぬ。

 

ちなみに,2010年から2018年までのMLBのシーズン中の総本塁打数の変化について調べてみますと,以下のような結果となりました。

 

2010年 4613本

2011年 4552本

2012年 4934本

2013年 4661本

2014年 4186本

2015年 4909本

2016年 5610本

2017年 6105本

2018年 5485本(9月27日終了時点)

 

2017年の本数が群を抜いていますが,2012年の結果が,その前後5年間の中で,やはり突出していることが窺われます。

もちろん,その度数の高さが,Oakland Athleticsの本塁打数の増大によるものかどうかはわかりませぬが。

 

 

しかし,いずれにしても,2018年シーズン,Oakland Athleticsは,まがりなりにもポストシーズンへの進出を決めました。

 

先ずは,10月3日(現地時間)に行われるNew York Yankeesとのワイルドカード・ゲームに勝利しなければなりませぬ。

 

Go A's !!