今年初めてのオペラは、新国の『ドンパスクワーレ』


演出が分かりやすく、何より好きなオペラだったからという理由で選びました。




改めて、この演出は分かりやすく、新国立の舞台機構をフルに使える作品なので、もっと再演して欲しい作品。


今回は僅か3回の公演のみ。


これはとても残念なこと。


その限られた回数の公演に何とか参戦することができました💦





序曲が始まる♪


楽しみだった気持ちが怒りに変わる💢


これプロの演奏!?


酷すぎる


チェロの独奏から入っていくのですが、これは学級会レベルです。


フレーズになっていない。


そのチェロの独奏から乗っかる木管楽器、フルートが、なんとも皆同じレベルで低くて


何度もオケピットを眺めてしまいました💦


序曲から終わり1幕が始まると、キャストの歌唱力に魅了されました。


キャストにお金かけているだけあって、主役ドンパスクワーレ ミケーレ ペルトゥージ、ノリーナ ラヴィニア ビーニは素晴らしかった。


更にテノールのエルネスト ファン フランシスコ ガテル。


この役に絶妙なキャスティングを施したのは凄いところ。


この三役の声はマッチングしていて、高いレベルの演奏がされていました。


そんな外国人キャストが固める中、マラテスタ役上江さんの歌唱は溶け込んでいました。


この役は物語の根幹をリードする役であり、個性の強い各キャラに推されることなく、対等に渡り合えたのは素晴らしいの一言につきます。


冒頭のオケはダメダメでしたが、アンサンブルが深まると伴奏に徹して!?盛り上げていました。




キャストが入ってからのアンサンブル始め、ソロはとても素晴らしく、コミカルな台詞部分では笑わせていました。


↑あんまり自分は笑わなかったけど


なんせ台詞が始まると、どれだけイタリア語を聞き取れるか集中してしまい、物語から離れてしまうからです(⌒-⌒; )


↑嫌な聴衆です🤢




三幕のドンパスクワーレとマラテスタの二重唱。


あの早口部分が大好きなんですが❤️


少し言葉が飛んでなかったかな💦


とは言え、うまく音楽的にまとまっていたのですが


アンコールはされず😞


恐らく自分が生きてる限り、この日本で素晴らしいアリアや重唱の後にアンコールが起こる風習は生まれないかもしれません。


結構な拍手が沸き起こり、会場は盛り上がっていたのですが、何故かそれを遮る圧力みたいな物を感じます。


突然静まり返って、次の演奏に入る。


その後フィナーレまで、高いレベルの音楽で魅了しつつ、笑いもとりつつ演奏は終了しました。


C席12,000円でいいかなという演奏。


席は安いC.D.e席は完売。


見えなかったけど、S.A.Bは売れ残ってたのかなと


Sで観たいと思えるような作品に仕上げて欲しいなと感じました。


新国立に足りないものは


オケのレベルが低すぎる。


先ほど、伴奏に徹してという表現を使ったのも


伴奏じゃなく、一緒に歌ってほしいのです。


今回のキャストは素晴らしい。


キャストの歌唱に頼るだけで、一緒に歌っている感覚がないのです。


歌とオケのこの距離感が作品を盛り上げられない理由の一つかなと思います。


また、序曲の演奏の物足りなさは、歌唱の力に頼り切る所にあるのが明白です。



そして、もう一つ


観客へのサービス精神。


オペラをお硬いものにしている。


アンコールの雰囲気を消す生真面目さと空気


せっかくのオペラブッファなんだから、もっと陽気な雰囲気で演奏しようよ、聴こうよ。


といった雰囲気が皆無。


だから、オペラセリア観てるのと変わらない雰囲気なんですよね。


課題が多い、新国立


それでも


いつか新国立でS席が買いたくなる日が訪れることを心から祈ります。