最近、オペラネタを連発してきます。

今は、バラは休眠期に入る所で何もする事がないので、家でオペラを観ています(⌒-⌒; )

今回のスカラ座の『トスカ』は日本で来秋演奏されるプロダクションです。


これぞスカラ座と言った演奏‼️

芸術監督シャイーは、ヴェリズモを得意とするのですが、この演奏は本当に素晴らしい。


トスカ役はネトレプコ。

前回、メトのアイーダでは酷評しましたが、トスカは合っています。

必聴です。






カヴァラドッシのメリ。

「星は光りぬ」は見事でした。またそれ以外の演奏においても正確でかつカヴァラドッシの心情を表現する。

度肝を抜かされたのが、3幕の二人の二重唱。

自分はこの場面があまり好きではありません。

プッチーニ自身が創作意欲を失くしてしまったと言われるように、過去の二重唱『エドガール』の物を利用したとされています。

それまでのライトモチーフを器用に使って作られた音楽に対して、あの場面だけは使い方が粗い。

シャイーは、この場面を本当に細かく掘り下げているように思います。

豊富な声量を持つネトレプコはこの指揮に応え、見事な音楽を作り上げます。

この演奏はメトにはできない、スカラ座だからこそできる曲芸と言えます。

スカルピアを歌うサルシも素晴らしい。

特に、テデウム前の歌唱はスカルピアがトスカに抱く愛情を見事なまでに表現しています。

演奏面においては唯一残念だったのは、テデウムの合唱の迫力がイマイチだったこと。

コーラスのアカペラとなったのですが、声量が足りない(⌒-⌒; )

それまでのオケの演奏が大きかったのもあるかもしれません。

音楽は、今まで聴いたものとは違うものでした。

スコアが違うのか!?

これは調べる必要があります。



さて、新演出ですが

プロジェクションマッピング、動く舞台装置を駆使して視覚的に飽きさせない。

こういう凝った舞台だと、装置に拘りすぎるあまり、演奏の邪魔をしてしまう事もあるのですが、それもない。

ラストのトスカが投身する場面を、まさか昇天させるとは!!

確かにトスカの最後のセリフ。

「O Scarpia avanti a dio スカルピア、神の前で」

は、どちらが正しいか大天使ミカエルの前でハッキリさせようといった意味が込められています。

そういった意味において、トスカが昇天して対決を想定させる演出と言うのは面白いです。


正直、『トスカ』は見飽きていました。

大学で論文を書くのに何十回と観て、原作も読んで研究しました。

前回のスカラ座の演出は抽象的すぎて、そんなに好きではありませんでした。

今回の新演出は、あくまで現実主義であり、装置によって舞台を広く見せるものでありました。

これからのオペラのあるべき演出のように思います。


来秋の日本公演。

残念ながらネトレプコは来日しませんが、観たい(T . T)