■神楽坂 あかぎの清正公 清隆寺
東京都新宿区赤城元町1−27
清隆寺は正式には「本国土寂光山、清正隆盛寺 」という日蓮宗の仏教寺院です。
日蓮宗は鎌倉時代に誕生し、「南無妙法蓮華経」を繰り返し唱える事を修行とし、「法華経」を根本としています。
「南無妙法蓮華経」とは「お釈迦様の正しい教えを信仰します」という意味で、平安時代から鎌倉時代にかけては各地で災害が多発し、貴族社会での権力争いから戦乱が繰り返され、政治が正しく行われていなかった事で飢饉や疫病で苦しむ人々が後を絶ちませんでした。
そのような中、日蓮聖人は「南無妙法蓮華経」を信じ唱えれば、身分などに囚われることなく誰でも救われる仏教の道を示し、それが広まった宗教です。
また、この清隆寺は、ある二人の歴史上の偉人と深い関わりがあります。
一人は、肥後熊本藩初代藩主で、戦場で「鬼将軍」と畏れられた智・仁・勇の三徳を兼ねる戦国大名の加藤清正公です。
加藤清正公は「日本近世人名事典」、「江戸時代全大名家事典」、「常山紀談」に「清正虎を狩れし事」と記述されており、文禄元年(1592)朝鮮出兵の際に、霊獣の虎に臆することなく立ち向かい討ち取った逸話が残るほど「勇猛果敢」なイメージが強くあります。
しかし加藤清正公の本当の凄さは、ただ強かっただけでなく、武運が非常に強く常勝無敗であったこと、平民から一国の大名まで出世したこと、国を良く治めて領民からとても慕われていたことなどの人物としての素晴らしさです。
清正公は治山治水や新田開発などに力を入れ、南蛮貿易に乗り出し積極的に領地経営を進めたので、国は豊かになり、領民からは神様のように慕われます。
こちらの清隆寺は、その加藤清正公を「清正公大神祇」として奉るお寺です。
さらに、こちらの清隆寺は、もう一人ゆかりのある偉人で有名な人がいます。
それは、坂本龍馬の師匠である勝海舟です。
清隆寺は、勝家と関わりが深く、勝海舟の菩提寺でもあります。
海舟の父・勝小吉も、当初はこの清隆寺に埋葬されていました。
このようなしっかりとした歴史と、偉人とのゆかりも深い寺院、清隆寺。
町並みや外観もとても綺麗で、お参り後に御朱印をいただいた際も丁寧に対応してくださり、とても素敵なお寺でした。
■御朱印
勝海舟 生誕200年記念ご朱印。
御志納料 1体 1000円
令和5年が勝海舟公の生誕200年の年にあたり、記念して限定御朱印の授与をされています。
「行蔵(こうぞう)は我に存す、毀誉(きよ)は他人の主張。我に与(あず)からず、我に関せず存じ候」
このご朱印の言葉は海舟が福沢諭吉に宛てた手紙の一説で、珠玉の名言といわれており、「出処と進退は自分が決めること、悪口と称賛は他人の主張で、私には関係のないこと」という意味です。
坂本龍馬や西郷隆盛といった人々に影響を与えた勝海舟の胆力と器の大きさを端的に伺い知ることが出来ます。
■アクセス
神楽坂駅から徒歩約3分。
①東京メトロ東西線 神楽坂駅1B出口を出て左側を見ると赤城神社の赤い鳥居が見えます。
②門を正面に右折します。
③次の曲がり角を左折します。
④そのまま直進すると、左側に見えてきます。