武田薬品工業(4502)調べてみよっとW
一度やってみたかった!はじめての株Amazon(アマゾン)304,140〜304,491円武田薬品工業(4502)株価3698円(2020/5/6)◎テクニカル分析同社もコロナショックの影響を受けて3月中旬に大きく暴落した。しかし、その後上昇し25日移動平均線を越えて上昇傾向に移行した。新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止するために、日本では自粛が行われており、これにより日本経済は停滞している。当然ながら株価にも影響し、下落後ほとんどの株はボックス相場かあまり上昇していない。その中にあっても武田薬品工業の株は伸びている。その主な背景は以下の通りである。マネックス証券でがっちり儲けるネット株 賢い資産運用Amazon(アマゾン)334,324〜334,674円1. 新型コロナウイルスのパンデミックの状況下であるため、ヘルスケア業界が世界的に伸びている(武田薬品工業はグローバル製薬企業)。2. 武田薬品工業は、新型コロナウイルスの治療薬製造を開始した。25日移動平均線に近づいて、再び上昇して行く時が買いタイミングである。注意点新たな治療薬の製造には時間がかかるが、必ずしも有効なものができるとは限らない。期待していたものができなかったり、他社との競合に負けたりした場合、株価は急落する可能性が高い。◎業 績2020年2月4日に発表された2020年 3 月期 第3四半期決算短信によれば、主にShire社の大型買収による9か月分の売上高の貢献により、売上高は前年同期比で82.6%増であった。ただし、営業利益は前年同期比で42.9%減であった。以下、セグメントごとに解説する。1. 消化器系疾患消化器系疾患の治療薬を提供している。売上高は前年同期比で35.7%増であった。特にこの売り上げに貢献したのは、同社のトップ製品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」(国内製品名:「エンタイビオ」)で、この製品の売上高は前年同期比で31.1%増であり、このセグメントの売上高の50%を占める。特にヨーロッパとアメリカでのシェアが伸びた。2. 希少疾患このセグメントは新たなセグメントで、Shire社の買収により獲得された。ハンター症候群や血友病などの希少疾患の治療薬を提供している。売上高は4,855億円であり、同社の全売上高の約42%を占める。3. 血漿由来の免疫疾患治療主にShire社買収により得られた製品により売り上げが伸びた。売上高は、2,841億円増収 の2,966億円であった。4. オンコロジー(癌)売上高は前年同期比で3.7%増であった。特に売上に貢献したのは、多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」であり、米国と中国での売り上げが伸び、前年同期比で116億円増収 (25.0%増)の581億円となった。5. ニューロサイエンス(脳・神経科学)これについてもShire社買収により売上高が伸びた。つまり、売上高は前年同期比で348.4%増であった。ADHDやうつ病の治療薬を提供している。·今後の展開(長期的視点)アイルランドの製薬企業であるShire社の大型買収がほぼ完了しつつあり、売上高で比較すると世界10位以内にランクされる製薬企業となった。今後は、いかに営業利益を伸ばしていくかが鍵となる。また、新型コロナウイルスのパンデミックの状況を受けて、同社は治療薬製造を開始した。コロナショックにより、次の決算報告では赤字になる見込みであるが、ヘルスケアの需要が増加していることや今後はこの分野への投資がさらに拡大されることが期待されることを考慮すれば(少なくともイギリスやアメリカではその可能性が高い)、その赤字をネガティブに見る必要はないと考えられる。新型コロナウイルスのパンデミックの状況を受けて、同社はCSL Behring、Biotest、BPL、LFBおよびOctapharmaと提携し、CoVIg-19 Plasma Allianceを作った。これにより高度免疫グロブリン製剤であるCoVIg-19の開発進めている。既製の治療薬を新型コロナウイルスの治療薬に転用するケースが見られるが、この場合は新たな治療薬であるため効果は他のものより優れたものになるかもしれない。· アフターコロナにおける同社の役割新型コロナウイルスのパンデミックの収束には1−2年かかると言われているが、一方で、季節性インフルエンザのように新型コロナウイルスと共存していく可能性がある。後者の場合であれば新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の重要性が高まり、同社の業績をさらに上向かせる可能性がある。