総選挙がたけなわです。
ニュースや討論番組では、連日さまざまな政策論争が行われています。
その中で、私が特に気になるのが
**「ポジショントーク」**です。
ポジショントークとは、
その時々の立場にとって都合の良い説明だけを使う話し方を指します。
消費税の議論は、
このポジショントークを見極めるための、とても分かりやすい事例だと感じています。
消費税は「逆進的」だという説明
消費税増税が議論される場面では、よく次のような説明がなされます。
消費税は、所得の低い人ほど負担割合が大きくなる
つまり逆進性があり、低所得者に厳しい税金である
生活必需品への支出割合が高い低所得層ほど、
消費税の影響を強く受ける。
この説明は、事実として正しいものです。
減税の話になると、評価軸が変わる
ところが、消費税減税が話題になると、
今度はコメンテーターや識者から、こんな指摘が出てきます。
消費税を下げると、消費額の大きい高所得者ほど減税額が大きくなる
だから不公平だ
……あれ?
「消費税は低所得者に厳しい税金ではなかったのか?」
思わず、こう言いたくなります。
どっちやねん!
重要なのは「どちらも事実」だということ
ここで強調しておきたいのは、
これら二つの説明はどちらも事実だという点です。
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消費税には逆進性がある
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消費額が多い人ほど、減税による金額ベースの恩恵は大きい
一見矛盾しているように見えますが、
実際には両立しています。
問題は「事実」ではなく「使い方」
問題は、消費税を上げるか下げるかではありません。
また、消費税減税の是非が論点でもありません。
問題なのは、
同じ事実を、立場によって使い分けていることです。
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増税を語る時は
→「逆進的で低所得者に厳しい」 -
減税を批判する時は
→「高所得者ほど得をする」
同じ税金について、
評価の軸がその都度変わる。
これが、ポジショントークです。
消費税は「思考のチェック材料」になる
消費税の議論は、
賛成か反対かを決めるための材料というよりも、
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今、どの事実が強調されているのか
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触れられていない事実は何か
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ロジックは一貫しているか
こうした点を確認するための、
思考のチェック材料として非常に優れています。
だからこそ、
消費税は事例で、ポジショントークを見極める目が必要
だと感じるのです。
信用できるかどうかは、姿勢に表れる
一貫した説明をする人は、
自分にとって不利な事実にも触れようとします。
一方で、
都合の悪い部分を避け、
都合の良い面だけを切り取る人もいます。
その違いは、
政策や主張以前に、姿勢の違いです。
選挙に限らない話
この視点は、選挙の時だけの話ではありません。
政治家に限らず、
経営者でも、専門家でも、
あるいは身近な人であっても、
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話の軸が一貫しているか
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立場が変わっても説明が変わらないか
そこを見ることで、
その人が信用できるかどうかが見えてきます。
消費税の議論は、
私たちにそんな視点を持つ大切さを教えてくれているのかもしれません。