11月に入り、東京都の新規感染者数が一桁の9人と減少、全国でも86人と減少傾向が続いています。第6波到来含め、この先流行はどうなるのでしょうか。そんななか、国立遺伝学研究所から「死滅説」が、ニューヨーク大から「風邪化説」が出されました。果たして、そのような希望的観察の通りになるのでしょうか。以下に日刊ゲンダイでのコメントを引用します。

 

国立遺伝学研究所とニューヨーク大が指摘;

ウイルス「死滅説」と「風邪化説」は朗報か?

 

 昨日(1日)の東京の新型コロナ感染者数は9人。1年5カ月ぶりの1桁に安堵感が広がった。だが海外では10月下旬から感染者数と死者数が増加に転じ、ロシアなどでは深刻な状況が続いている。10月28日、WHOのテドロス事務局長は「パンデミック収束は程遠い」と警戒を呼びかけた。

 そんな中、2つのニュースが注目されている。ひとつは国立遺伝学研究所などがまとめた研究結果。第5波が収束したのはウイルスの変異を修復する酵素「nsp14」が変化したためで、担当した研究者は「修復が追いつかず死滅したのではないか」と指摘している。

 もうひとつはニューヨーク大の見解で、ウイルスが変異を起こし過ぎると感染力と複製力が低下すると予想。ウイルスは今後も感染拡大を繰り返し、最終的に普通の風邪のような状態になると推測しているのだ。

ハーバード大学院卒で近著に「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士の左門新氏に解説してもらった。まず「死滅説」について。

「ウイルスが変異するとき変異を修復して元に戻す酵素が存在しますが、この酵素はウイルス内の遺伝子によって作られる。この遺伝子が変化すると酵素も変異し、その結果、酵素が本来持っていた修復能力が働かなくなるとの理論です。その酵素がnsp14で、修復が阻害されたためウイルスが死滅したのではないかと研究者が推測しているのです」

 ニューヨーク大の理論には2つの裏付けがある。①度重なる変異によってウイルスの毒性が強まると感染した人などが死に、ウイルス自体も一緒に死滅する(自然淘汰)②毒性が強いと人間がワクチンなどの対策を強化するため、毒性の弱いウイルスのみが生き延び風邪の状態になる(適者生存)。こうした理由でウイルスの脅威が収まるというのだ。

「死滅」と「風邪化」――。どちらも朗報だが、信じていいのか。

「遺伝学研究所が言うように、第5波収束の原因は酵素の変化が多少関係しているとも考えられます。ただ、それが大きな原因とは言えず、死滅はあくまでも推測にすぎない。普通の風邪に変化するとの見方は以前から医師たちが指摘していること。断定はできませんが、新型コロナで同様の現象が起きるとも考えられます」(左門新氏)

 第6が深刻にならないよう祈りたい。

 新型コロナの治療に新しく飲み薬が登場しました。これまで、点滴薬しかなかったので、朗報と言えます。期待はできるのか、以下に日刊ゲンダイでのコメントを引用します。

 

入院半減、死亡はゼロにー米メルクが開発

新型コロナ飲み薬「モルヌピラビル」の効果と課題

 

 新型コロナウイルスの脅威が大幅に緩和されそうだ――。そんな期待が寄せられているのが経口治療薬の「モルヌピラビル」だ。米製薬大手のメルクが開発した飲み薬で、12時間おきに計10回、5日間服用する。

 メルクは新型コロナの症状が出て5日以内の軽度から中等症の患者775人を対象に治験を実施した。偽薬を投与された人のうち入院したのは14・1%で死亡者は8人。対してモルヌピラビル投与者で入院したのは7・3%、死亡者はゼロだった。この結果を受けて「入院のリスクが半減。死者はいなくなる」などと評価されているのだ。

 メルクは米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する予定で、年内に承認される可能性がある。認可されれば世界初の経口抗ウイルス薬となるため期待が高まっているのだ。

「画期的な治療法です」とはハーバード大学院卒で近著に「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士の左門新氏だ。こう続ける。

「抗体カクテル療法は基本的に入院して点滴を受け、自宅で投与可能する場合は医師と看護師が出向いて終了まで1時間ほどかかります。一方、モルヌピラビルは薬を飲むだけだから、医療従事者の負担は大幅に減るはず。しかも、治験を受けた775人は高齢者か全員が肥満や糖尿病など基礎疾患のいずれかを負っていた。こうした重症化リスクの高い人が入院半減、死亡ゼロとなったわけです。遺伝子解析による実験ではデルタ株などの変異株にも効果を発揮。短期での検証では副反応も少なかったそうです」

 課題は治療費だ。米紙の報道によると、1人あたり約700㌦(約7万7700円)かかる。メルク傘下の日本法人「MSD製薬」(東京・千代田区)に日本での価格設定を問い合わせたが、「回答は控えさせてください」(広報担当者)とのことだった。

 モルヌピラビルは夢の新薬かもしれないが、日本では感染者を割り出すPCR検査が普及していない。「Our World in Data」は各国の一日あたりのPCR検査実施数をグラフで表示している。最新の9月27日の人口1000人あたりの検査数はイスラエルが16・27、英国が14・63なのに対して日本はわずか0・63とお寒い状況だ。米国の1・00より低い。軽症・中等症を発見する能力がこれでは、モルヌピラビルを導入しても宝の持ち腐れになりかねない。

 日本政府はモルヌピラビルを年内に特例承認して調達するべく、メルクと調整しているというが、まずは検査体制の拡充が先だ。

 抗体カクテル療法に続いて、抗体治療薬ソトロビマブが日本で特例承認されます。変異株にも重症化と死亡を減らす画期的な治療薬として大きな期待が持てます。どんな薬なのか、「女性自身」でのコメントを引用します。

 

(自宅)点滴1回で重症化8割減へーコロナ新治療薬が特例承認へ

ソトロビマブは重症化リスクの高い軽症から中等症の患者一千57人が参加した海外の臨床試験では、患者の入院や死亡リスクを8割近く下げる効果が確認されました。

軽症患者向けに厚生労働省が7月に初承認したカクテル療法に続き、早ければ9月中にも特例承認される見通しです。

この治療薬は英国の製薬会社グラクソ・スミスクラインが開発した点滴薬だ。米国では5月に緊急使用が許可され、オーストラリアでも8月に正式承認されている。

 

この新薬について、『元WHO専門委員の感染症予防BOOK』(三笠書房)の著者で医学博士の左門新氏はこう語る。

「従来の抗体カクテルは2種類の別々の変異株に効くように、2種類の薬を文字通りカクテルしています。一方、今回のソトロビマブは変異を起こすスパイク部分ではなく、その大本に対する抗体を作ったので、変異に左右されません。

 ほかのどの変異株に対しても実験上は効果があったので、人間にも同等の効果が期待できます。

つまり、全ての変異株に対して効果が期待できるという点で非常に画期的なのです」

点滴薬だが、病院でしか受けられないのだろうか。

「抗体カクテルの点滴も一般家庭で使うことができたように、厚労省が認めれば、ソトロビマブも家庭で投与できる可能性はあります。

ただし、点滴は医師の診断後に看護師などの医療関係者が行わなければいけないので自宅の場合は医療関係者の訪問は必須。1時間程度はかかると思います」

 副作用もほとんどないそうで、今後に向けても多くの利点が期待されるという。

「一歩前進した治療薬であり、この技術を使えばmRNAワクチンにも応用できます。インフルエンザは多様な変異株に対応するため毎年、何種類も打ったりしますが、変異株に左右されないこの技術には大きな可能性が秘められています」

ただ、現状問題なのは費用面だ。国が買い上げ配布している1本10万円といわれる抗体カクテル以上の価格だという。

「製造コストはそんなに高くないはずなので、今後広く使われていけば、下がる可能性はあると思います。

“あらゆる変異株に効果的な治療薬”という選択肢が増えたことは、非常に希望が持てることだと思います」

画期的な治療薬の登場で、強力な変異株に怯えていた日々を、やっと過去のものにできるかもーー。

 先に、抗体カクテルという治療効果の高い治療薬が開発されましたが、さらに進化した新薬が登場しました。グラクソ・スミスクラインが開発したソトロビマブです。いかに画期的かは、下記の日刊ゲンダイでコメントしましたが、問題もなくはありません。今のところあまり議論されていませんが、その価格です。抗体カクテル薬は政府が製薬会社から買い上げて必要な病院へ配布しているため、保険点数もなく患者の負担もありませんが、1回10万円くらいと言われています。このソトロビマブも同じように高額なはず。1回25万円という声も聞きました。誰にどう実際使うかは医師が決めると思いますが、どこにどれだけ配布するかは誰がどういう基準で決めるのでしょう。気になります。

 

厚労省が今月末に承認―夢の新薬「ソトロビマブ」はコロナを克服するかー日刊ゲンダイ

 どんな変異株も撃退する――。こんな新型コロナの治療薬が登場して注目を浴びている。英製薬大手のグラクソ・スミスクラインが開発した「ソトロビマブ」だ。重症化する前の軽症・中等症の患者に投与するもので、厚労省は今月末にも特例承認する方針を固めた。

 現在の新型コロナ治療法には2種類の中和抗体を組み合わせた「抗体カクテル療法」があるが、このソトロビマブはたった1種類、1回の点滴ですむ。海外で1057人が参加した臨床試験では入院や死亡を79%減らす効果が確認されたという。日本医科大学特任教授の北村義浩氏は21日の「ひるおび!」(TBS)で「アルファ株でもデルタ株でも全部やっつけますよという『凄腕のスナイパー』みたいなもの」と称賛していた。

 どんな原理なのか。

「抗体カクテルがと大きく進化した画期的な治療薬です」とはハーバード大学院卒で近著に「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士の左門新氏だ。

「従来の中和抗体療法と違って、ソトロビマブはウイルス表面のスパイクタンパクの『保存性の高い領域』と結合して重症化を防ぐ仕組みです。保存性の高い領域とはスパイクのほとんど変異しない部分のこと。いわばスパイクの大元です。スパイクの他の部分が変異しても、大元に作用するため変異の影響を受けず、抗体の効果を維持できます。試験管内の細胞実験ではデルタ株やラムダ株をはじめ『懸念される変異株』『注目される変異株』への効果が確認されました。このことから、今後、新たな変異株が出現しても重症化を予防できる可能性が高い。かなり明るいニュースです」

 左門氏によれば、点滴の時間は数十分程度。現行の抗体カクテルと同じように、一般家庭で投与できる可能性もあるという。

 ただし問題もある。

「グラクソはかなりの開発費をかけているはずだから1本10万円ともいわれる抗体カクテルと同程度の費用が高価になるとも考えられます。そうであれば誰もが点滴を受けられるわけでもないはず。まずは基礎疾患のある人や重症化の懸念のある高齢者が優先されるでしょう。医師が優先順位で悩むことも考えられます」(左門新氏)

 とはいえソトロビマブは変異株への恐怖を払拭する強い味方。新型コロナが発生して以来、一番の朗報かもしれない。

 新型コロナワクチンは種類によって多少の差はあるものの、痛み、発熱、倦怠感などの副反応が、これまでのワクチンに比べてより多くの人に見られ、程度も重いようです。そんななか、鼻ワクチンが開発中とのこと。どんなワクチンで、果たして期待できるのでしょうか。

 

以下、「女性自身」での記事から抜粋引用します。

 

鼻ワクチンなら痛みも副反応もなし

 

ワクチン接種に希望の光が差し込んだ。リスクの少ない経鼻タイプの開発が日本で進行中なのだ。日本発の次世代ワクチンとして今、大きな期待を寄せられているのが三重大学と医療品研究開発ベンチャー「バイオコモ」が共同で開発している”鼻ワクチン”だ。開発者の一人である三重大学大学院の野坂哲哉教授は、鼻ワクチンを接種したハムスターに新型コロナウィルスを投与した結果、肺に残ったウィルスはゼロだったと説明。さらに動物実験で副反応はほとんど見られていないなど、現段階では”夢のワクチン”なのだ。

 

「バイオコモ」の福村正之代表取締役は、鼻ワクチンの特徴はスプレーするだけで、鼻や喉の粘膜に抗体を多く生成でき、さらに経鼻型には注射型にはないメリットがあると言う。「筋肉注射型では血液内に抗体ができるが、鼻腔内は守られないので鼻からブレークスルー感染が起きてしまう恐れがあります。われわれが開発しているのは鼻から粘膜免疫を入れることで、鼻と血中に抗体を生成するシステム。血中だけでなくウィルスの“入り口”をガードすることが重要だと考えています」

 

医療従事者側にも利点があるという。「鼻ワクチンは冷凍せずに4度Cほどで管理できます」そして接種時の痛みや副反応について、「点鼻時にツンとするかもしれませんが、注射のような痛みはなく、副反応も少ないと思います」

ラムダやミューといった最新の変異株のウィルスをもとに常にワクチンもアップグレードしているので、今後出る変異株にも早く対応できるという。

 

とはいえ、あまり経験のない経鼻型ワクチンの効果に不安を抱く人もいることだろう。

だが、医学博士で元WHO専門委員、「感染症予防BOOK」の著者の左門新先生によると、決して珍しいものではないようだ。

「鼻からスプレーするタイプのワクチンは、インフルエンザですでにあるんです。アメリカや欧州では鼻に噴霧して粘膜に抗体ができるものが十数年から使われていて、日本でも未認可ですが、一部の医療機関で使用されています。」

 左門先生も効果に期待を寄せる。

「従来の予防接種は結局、ウイルスが体内に入ってからやっつけるので、本当の予防ではありません。しかし、鼻ワクチンのように粘膜でできた抗体でウイルスの侵入をブロックできれば本当の予防です。さらに、従来のワクチン同様に体内でも鼻の粘膜とは別の抗体も産生し、予防持続期間も長いと思われるのです」

 2年後の実用化を目指しているというが、病院に卸す価格は、インフルエンザワクチンなどと同程度に一千円ほどと極力安く供給したいとのこと。

 

気軽にワクチン接種できる未来が早く来ることを願うばかりだ。