原監督の最新刊“原点”ば読み終わったとさ。
そん中で、“これが最高のチームプレー”として、
故・木村拓也氏の事を書きよらしてバリ感動したけん、
下に抜粋すんね。
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●これが最高のチームプレー
09年、僕が一番感動し、「ウチはいいチームになってきたな」と思ったのは
9月4日のヤクルト戦、木村拓也をキャッチャーで起用したときだった。
木村は09年でプロ入り19年目。1990年ドラフト外で日本ハムに入団したときは、
キャッチャーだった。その後、当時の監督やコーチが彼の特徴を引き出したのだろう。
92年、外野手に転向。広島に移籍後の96年、スイッチヒッターになった。
もしキャッチャーのままでいたら、はたしてどうなっていたかは分からない。
何かを決め込む、固辞する強さも時には必要だけれども、彼は周りの人の言うことを
素直に聞き、可能性にかけた。彼の陽気さ、すべてにおいて陽の部分で取り組んだ結果が、
今日の木村を作ったと思う。
僕は野手総合コーチだった99年、長嶋監督に提案して、中日戦でキャッチャーの村田義則を
2番レフトで先発させたことがある。左投手対策だったが、もちろん野手の中に、
いざとなったらキャッチャーができる選手がいることを見込んでいた。だから、攻撃的な
選手起用とそれを支える危機管理に関しては、いつも念頭においてたつもりだ。
その危機が、あってはならないはずのことが、あの試合で起こってしまった。
先発・ぐらいシンガーとの相性で、先発キャッチャーは鶴岡一成。正捕手の阿部は、
ファーストのスタメンに入った。打順の兼ね合いから、七回途中、ぐらいシンガーに
代わったピッチャーの山口を阿部の打順に入れた。2点を追う九回には、
鶴岡に代打・木村を出した。3対3の同点に追いつき延長に入ると、キャッチャーには
残る1人の加藤健を起用。ところが十一回の裏の打席で、この加藤が頭部死球を受け、
退場すると言うアクシデントが起こったのだ。
「加藤、大丈夫か?」
と言って加藤を見ると、球の当たった患部は腫れ上がっている。
「大丈夫です…」
加藤も事態が分かっているからそう言うが、フラフラしていて、
ちっとも大丈夫には見えなかった。
「加藤、今日はもう休め。あとは俺たちに任せろ」
そしてベンチを見ると、拓也がいない。あいつ逃げやがったなと思って、
「タクはどうした!?」と聞くと、「ブルペンに行きました」「ブルペンで練習してます」。
とてもうれしかった。ああ、巨人はいいチームになってきたなあ、と思った。
さて、誰に投げさせよう。拓也は野手転向後も、広島時代の99年にマスクを
かぶったことがあるとは聞いていた。だがそれにしても、10年ぶりだ。
豊田清なら、フォームが綺麗でコントロールもいい。球種もそれほど多くない。
何とかやってくれるだろう。
「豊田でいくから、タク、頼むぞ」
「はい」
豊田のフォークも難なく捕り、1アウト、そうしたら、次に左バッターが出てきた。
僕も、欲が出た。今度は左の藤田宗一。2アウトを取って、
「よし、これでいい」と思ったら、次にヒットを打たれた。で、野間口。
十二回の表、野間口の最後のボール、インサイドの真っ直ぐを拓也が
バシーン!と捕ったときの感動といったら!
あれは、09年一番の感動だった。僕はベンチから飛び出して、
「よくやった」とアイツを抱いた。どこか申し訳ないと思いながらも、
拓也が自分の役割を分かって進んでマスクをかぶってくれたのが
嬉しかった。あれは自己犠牲の最たるものだ。
チームにとって、あれは大きな出来事だった。若い選手たちに、
「これが巨人の野球だ」と言って継承させられる、素晴らしいプレーだったと思う。
拓也はこの年、日本シリーズ初戦でも谷、阿部と三人でよいプレーを見せてくれた。
1点リードの七回表無死一、三塁。バッター・拓也、ファーストランナー・阿部、
サードランナー・谷だった。拓也はバットを寝かせ、前につんのめるように倒れこみながら、
空振りをした。この“偽装スクイズ”に助けられ、決して足の速くない阿部が、二盗に成功。
併殺の可能性が少なくなった。続く代打・李承燁のタイムリーで日本ハムを突き放し、
シリーズ1勝を挙げた。これがチームプレー、これが自己犠牲だ。僕は若手、中堅にそう言った。
あのベテラン三人が決めたというのが、大きな意義のあることだった。しかも大舞台で
サラッと、全員が満点の動きをした、そこに、価値がある。練習で試すにはいかにも
簡単なプレーだが、シリーズのあの場面。サインの伝達から、一人ひとりの動きから、
それは見事なものだった。
拓也は09年を限りに、現役を引退した。10年からは、巨人の一軍内野守備走塁コーチ。
あの元気さ、明るさで、きっと多くの選手をよい方向に導いてくれるはずだ。
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木村コーチが亡くなった後に読んだけんが、涙が止まらんかったバイ。
同世代の人が、あがん元気やった人が急に亡くなることが、
信じられんけど現実として起こるとやけんが、健康には注意して、
毎日を過ごさんばいけんなあ、とつくづく思うたと。
自己犠牲…よか言葉やね。
今年の巨人で自己犠牲ができる選手がどんどん
出てくることば期待しとるバイ。