月の きれいなよるでした
町はずれ
のんびり 歩いていたならば
ふしぎな2人に 会いました
そろいのベストにルビーの瞳
幼い 2人の 旅人は
わたしを見上げてたずねます
もし おにいさん ここいらで
ぼくらの影を 見かけたかい
ぼくらは 昨晩 けんかして
あいつは 怒って 出て行った
あいつがいなけりゃ ぼくたちは
ほとほと 困って しまうのさ
わたしは 首を 振りました
いいえ 見かけておりません
そうかい どうも ありがとう
2人は おおきく 手を振って
峠を 下って ゆきました
すこし 遅れて 小さな影が
2人によく似た 小さな影が
隠れて ついて ゆきました
月の きれいなよるでした
町はずれ
のんびり 歩いていたならば
すてきな2人に 会いました
彼らの 下には 小さな影が
そ知らぬ顔で 黒々と
幼い 2人の 旅人が
彼に気づくのは いつになるやら
おしまい