父が胃癌で亡くなっても三年と三ヶ月
名は五夫、身内や親しいひとからは
いっチャンと呼ばれていた、
去年の母の日に自分が送った
カーネーションとクマのぬいぐるみがスチール製のバスケットに一緒に入っているもので
後にぬいぐるみだけを大事にして、残していた、
そのクマのぬいぐるみを
いつからかいっチャンと呼んでいた、
この現象は何の裏返しなのか?
寂しさがぬいぐるみに親父の影をかさねているのだろうか
前にぬいぐるみ療法って聞いた事あるけど
それに似た感じになってるんだろうか?
日に日に子供っぽくなっていく
母が可愛らしくも見えたり、
昔の母のイメージと、かけ離れて行き、
複雑な心境になる、
クマのぬいぐるみと時折り話をしている、
何も言わない筈のぬいぐるみが
母だけに何か聞こえるように
はなしかけているみたいにおもえてくる、
それほどに誰かと話している様に語りかけニコニコしているのだ、
デイサービスに行っている間にたまに実家の掃除に来た時も
母の寝床にぬいぐるみを寝かせてある時がある、
それを見た時僕は少し笑みが溢れたが、
母の気持ちを想像してみた
朝一人で起きて
デイサービスに行く時に
「いっチャン行ってきます、帰るまで、ねんねして待っててな」
と言っているように感じて
母も歳だし一人で寂しさを感じているのだろうと、思った、
そのうち僕が実家に越してきて、一緒にいてやらないとなぁと思っている、このごろです。


