久しぶりのランニング。

歩くように走った。

アウトワークにならぬよう気持ち良くなってきてもペースは上げない。
これが意外と難しい。油断するとペースが自然に上がってしまう。

靄の立ち込める夜中の公園と、大瀧詠一の歌声は良く似合う。

「海が見たいなんて言い出したのは君の方さ」

そういえば、昨日海に行ったっけ。
高校の同級生で写真家の女の子の付き添いで、千葉県のとある海岸まで車を走らせた。

彼女は布団を燃やす場所を探していた。

それは彼女の作品の為で、布団を燃やすことにきちんとした意味はあるのだけど、まだ作品になっていないので僕から言うのは止めておく。

それに意味なんて、きっと彼女にはそれほど重要ではない。
海で布団を燃やすという行為自体、もっと言えば布団を燃やせる場所を探す、という行為自体が大事なのだと思う。
現に燃やすのは別日だというのに、彼女はなんだか楽しそうだ。

無事に布団を燃やせそうな場所を見つけ出した彼女は、冬がきたらそこで布団を燃やす。
冬を待つのは賛成である。布団を燃やすのは、やはり冬に限る。

5キロを42分ほどかけて走った。

♪『LONG VACATION』大瀧詠一♪