2000年3月、

京都大学附属病院で、入院患者(女性、17歳)の人工呼吸器に「蒸留水」を入れるところ、看護師は誤って「消毒用のアルコール」を入れた。その後も、他の4人の看護師が2日間にわたってミスに気づかずアルコールの補充を続けていた。その結果、アルコール中毒で患者は死亡する・・・という出来事がありました。

 

このエラー報道を知り、金沢大学医学部附属病院(本院)で使用している「蒸留水」と「消毒用アルコール」の容器を確認しました。

似ている !! というか、容器は同じ。そして、容器に貼られている商品名ラベルは小さく、デザインは同じ。

(写真が残っていないのが残念です。現在なら、両方の容器の写真をスマートフォンで撮ったでしょう)

 

これでは、同じエラーが本院でも起きる可能性があると・・・感じました。

そこで、すぐに「似ている薬剤」の院内調査 をしました(2000年3月16日~24日)。
この調査では、次の3点に回答してもらいました。

 ➀似ていると感じる医薬品の組み合わせ

 ➁似ている理由(容器、製剤、名前)

 ③エラー防止他のための改善の必要性(3段階)

調査用紙は、回答しやすいように、また、集計しやすいようにデザインしました。
現在なら、簡単にweb調査ができるような内容です。

 

京都大学病院の事故のあとだけに、看護部が協力してくれました。

集まった回答を見ると、予想していた組み合わせだけでなく、「こんな組み合わせが・・・」というものまでありました。
人それぞれ・・・です。

 

そして、この結果を製薬会社に公開することの許可を病院長からいただき、各社にお知らせしました。

 

余談ですが・・・
この調査のことが、地方新聞に続いて、NHK総合テレビ「おはよう日本」で全国に紹介されました(2000年4月26日)。
テレビを見た複数の知人から、「古川、見たよ。相変わらずやね」と、連絡をいただきました。

 

この調査が、「医療安全管理」に取り組むきっかけとなりました。