６０年代のJazzギタリスト、まだまだ語り尽くせていないのだが。。。
ジム・ホールは？　ジョー・パスは？、バーニー・ケッセルはどうした？と怒られるかもしれないがこのシリーズは４回完結を予定している関係で今回から７０年代に入ることをご容赦ください。

７０年代はJazzフュージョン時代に突入する。その端緒となったのが1972年デオダートのアルバム「ツァラトゥストラはかく語りき」だと言われている。
そしてこの時代はジャンルを越えてラテンや民族音楽の世界からすぐれたギタリストが輩出された時代でもある。ブラジルのバーデン・パウエルがそうであり、本日紹介するスペインのパコデルシアもその１人だ。

パコデルシアはスペインで活動するフラメンコのギタリストだったが1977年に転機が訪れる。チックコリア率いるリターン・トゥー・フォー・エバー、そのギタリストだったアル・ディ・メオラのアルバムに参加したことで一躍有名になる。神業とも思えるテクニックから生み出される情熱的で哀愁の漂うギターはJazzフュージョン界やロック界にも多大な影響を与えたと言われる。

私の稚拙な能書きよりもまずこれを聞いていただくのが一番よいと思う。
1980年12月5日サンフランシスコで録音されたライブアルバム。
Friday Night in San Francisco

メンバーはパコデルシア、ジョン・マクラフリン、アル・ディ・メオラの３人。アコースティックギターだけで構成されたJazzバンドというスタイル自体が画期的なものでスーパー・ギター・トリオとも称された。

左からアル・ディ・メオラ（Al Di Meora）、ジョン・マクラフリン（John McLaughlin）、パコデルシア（Paco de Lucia）。

なんとこの時のライブ映像がYoutubeに上がっていた。この曲はパコとアルのデュオになっている。（記事内での再生はブロックされているのでYoutubeのページに飛んでください。）

～ Friday Night in San Francisco "MEDITERRANEAN SUNDANCE"～
日本語で"地中海の舞踏"
＃UP主様お借りします。

http://youtu.be/5hClGsI3YaM

高速ピッキング奏法で有名なアル・ディ・メオラも凄いが、3:41くらいから始まるパコデルシアのテクニックには息を飲む。ギターは専門ではないがあの右手の高速の動きはいったい何が起きているのかまったく見当もつかない。

1977年頃から日本でも知られる様になったパコデルシアだが、その年の年末にはキャンディーズがフラメンコ感覚が溢れる楽曲「わな」をリリースしている。フラメンコの強いリズムは取り入れてないので直接比較することはできないが、少なくともパコの哀愁のフラメンコギターが日本の歌謡界の作編曲家たちに微妙に影響を及ぼしていた可能性はある。そしてこれまたいつもの様に新しいものにチャレンジしたキャンディーズだったのである。

パコデルシアとキャンディーズ。いろいろ考えているとまた妄想が。。。。

地中海をバックに３つの情熱の赤いバラが舞う。
ラン・フェルナンデス・イトウ
ミキ・マリアーノ・フジムラ
ヨシコ・エンリケ・タナカ

今宵はそんな３人に想いをはせながら哀愁のギターに耳を傾けたい。

Jazz Guitar (3) ～ パコデルシア ～

Jazz Guitar (3) 　～パコデルシア～