2020年1月、身体が固いまま不健康な肉体を引きづって生きていることにほとほと嫌気がさし、その嫌気がMAXになった時に衝動的に体験ヨガに申し込んだ。
たまたま申し込んだのは、ホットヨガ、ピラティス、常温ヨガの3タイプのレッスンを行っているスタジオ(Zen Place)だった。
結果として、このホットヨガとピラティスの組み合わせが私が身体が柔らかくなるまでヨガを続けられることになった一番の理由となった。
身体が固い人は、最初はホットヨガから始めるのがよいと思う。
まず、ホットヨガのスタジオは高温多湿が保たれていて、筋肉が緩みやすい。
そのため、常温のスタジオよりも身体を動かしやすく、身体が固い人が柔軟をした時に感じる、「これっぽっちも柔らかくなる気がしない」絶望感が少し和らぐ。
「あれ、意外と手が届いた」「あれ、思ったより曲がった」なんていう嬉しい瞬間がちょこちょこと訪れ、モチベーションを保つのにとっても役立つ。
常温スタジオでヨガを経験すると、まずあまりに周囲とのポーズのレベルが違い過ぎることに絶望し、
そして体をあちらこちらに曲げるたびに、股関節やら腿の裏側やら、様々な部位に感じる不自然な痛みに、「こんなに痛いことをこの先柔らかくなるまで続けていけるんだろうか?いやむしろ痛いことを続けて身体によい訳がない、怪我をする前に身体の声を素直に聞こう」とどんどん諦めモードに向かいがちだ。少なくとも私はそうだった。
何事も始めるのは簡単、でも、本当に難しいのはある一定のレベルに達するまで継続することで、だから身体は固いままなのだ。
おそらく、身体が固い人は、人生のそこかしこで、YouTubeや雑誌やためしてガッテンで「驚くほど身体が柔らかくなる柔軟体操」なんていうタイトルを目にし、半信半疑で数日間試してみるということを経験してきているはず。
それでも柔軟性が向上していない理由は、ただ一つ、継続してこなかったから。
その点、ホットヨガは効果がすぐに目に見え、継続するためのモチベーションを保ち続けるのにぴったり。
「前回よりここまで手が伸びた!」「自分の身体のこんなところが伸びるなんて知らなかった!」という小さな達成感を日々感じ続けられるホットヨガスタジオは、身体が固い人に特におすすめしたい。
そして、ホットヨガと同時に、ピラティスのレッスンも定期的に受けることを勧めたい。
ピラティスは正確にはヨガではなく、リハビリからスタートしたエクササイズだが、ヨガととても相性がよく、身体の歪みを発見し、本来あるべき機能に戻すのにとても効果的だ。
専用の器具を使って行うタイプのレッスンと、ヨガマットの上で行うタイプのレッスンがあり、圧倒的におすすめしたいのは、器具を使ったピラティス。
この専用器具を使ってエクササイズすることで、ピンポイントの筋肉に働きかけ鍛えることができる。
ヨガを始めてすぐ直後は、右も左も分からないというよりは、右も左も上も下も固くてカチコチで、何をやっても痛い・しんどい、固いから痛いのか、痛いから固いのかも分からない、というある種パニック状態に陥るが、3~4回くらいまじめにレッスンを受けていると、少しずつパニックが収まり自分の癖が見えてくる。
私の場合は、股関節周りの圧倒的な硬さ、反り腰、脚の外側の筋肉ばかりを使っている、首周りの筋肉が固い、などだったが、特に苦戦したのは、股関節の可動域を拡げること、そして、脚の内側の筋肉を使えるようにすることだった。
なぜかというと、股関節周りを柔らかくしようとしたり脚の内側の筋肉を使えるようにしようとした時に、働きかけなくてはいけない筋肉は、これまでの人生で使ったことがない筋肉なので、意識して動かそうとしても動いてくれない。
回路が存在していないので、脳からの指令が筋肉に到達しない。
そこで、ピラティスのマシンを使ってそのピンポイントの筋肉を無理に稼働させる。
長いこと眠っていた筋肉を初めて動かしたときの衝撃は笑えるほどだが、その分、効果は圧倒的でとても効率がよい。
慣れていない負荷がかかると、筋肉はブルブルと大きく振動する。
身体のあちこちが固い時は、その振動に違和感を覚え不快なザワザワとした気持ちになったものだったが、今となっては、その不自然なブルブルは「新たな改善ポイント」の発見に外ならず、自然と笑みがこぼれるレベルまで行ってしまった。
ピラティスをホットヨガと同時に行うことをおすすめしたいもう一つの理由は、ピラティスは近代のメソッドであるがゆえ、比較的体系が整っておりインストラクターの質のばらつきが少ない。
ヨガは元々がはるかかなた昔に体系立てられたヒンドゥー教の鍛錬の一環であり、現代では世界中の無数の団体が認定証を発行している。
それがゆえ、ヨガインストラクターを名乗る人の多さはおどろくばかりで、インストラクターの解剖学的・運動生理学的な理解度のばらつきがとても大きいと感じる。
運よく勉強熱心で熟練のヨガインストラクターと出会えればよいが、運が悪ければ誤った方法で身体に負荷をかけ続けてしまい、身体の歪みが大きくなる、最悪の場合は筋を痛めたりする可能性もある。
せっかく身体によいことを始めたのに、怪我で運動ができなくなってしまっては、元も子もない。
実際、ヨガをやっているとそんな話もちらほらと聞く。
デモンストレーションを行えることと、適切な指導ができることは別物だ。
ヨガインストラクターには、身体が元から柔らかい人や、バレエや器械体操をやっていたような人も多いが、そういう方であるほど、身体が固い人のことを全く理解していないなと思うことが多々ある。
身体が固いことを理解してくれていても、「できるところまででいいですよ」「痛気持ちよいところで止めてください」というぼんやりしたガイドが多い。
その点、ピラティスは怪我をした人のリハビリからスタートしたメソッドであるため、解剖学がベースにあり、精神論とは程遠い。
この関節の可動域を拡げるためにはここの筋肉を動かす必要があるので、このマシーンであのエクササイズをやりましょう、という流れだ。
また、最終的にアメリカで普及したという歴史もあり、PMAという業界団体が存在していて、インストラクター資格を取得するまでのメソッドが比較的確立されているように見える。
ホットヨガは、十分に身体が暖まった状態で筋肉を伸ばすので、怪我をしにくいと言われている。
ただ、暖まっているからといって無理をして可動域を超えた負荷を与えてしまえば筋を痛めることになる。
身体がとても固い人にとって、柔軟性を上げることは身体にそれなりの負荷をかけることを意味しており、そしてビフォーアフターの変化は劇的だ。
変化が大きいほど、無理は禁物。
繰り返しになるが、せっかく身体に良いことをしているのだから、怪我して運動ができなくなるなんていう事態は絶対に避けたい。
というわけで、身体が固い方はぜひ、ピラティスを併設したホットヨガスタジオへ。