賀正


すっかりご無沙汰しているあいだに
2020年が始まった

年末に買った枝ものの慶應桜が
狭い花瓶のなかで 既に満開を迎えている

暖かい室内で春がきたと思ったのか

おかげで一足早い春を
味わうことができている


2019年は
本当にいろんなことがあった1年だった

いろんな人に助けられた感謝の年でもあった

何より我が家にとって重大だった出来事は
次女が誕生したことだ

ついにお姉ちゃんになった

長女は私のお腹のなかに赤ちゃんができたと知ったとき、小躍りして喜んだ

ずっと本物のお姉ちゃんになりたかったのだ

去年のお正月には 真剣なかおで

「ママ、お願いだから数の子たべて」

と嘆願してきたので、なぜかと聞くと

「数の子たべたら赤ちゃんがいっぱいできるらしいねん」

なんてことを言って
大いに大人たちを戸惑わせていたのだが
それから2ヶ月後、本当にできた

そして産まれるまでの約7ヶ月間
毎日のようにお腹に話しかけていた

「あかちゃん〜お姉ちゃんだよ〜
産まれてくるの楽しみにしてるからね〜♡」

いつもおままごとでメルちゃんたちをお世話しているときに出すのと同じ、甲高い猫なで声で

毎朝、幼稚園の門のところでバイバイするときも

「じゃあ赤ちゃん、お姉ちゃん行ってくるからね〜♡」

お腹をなでながら例の猫なで声で話しかける姿に
先生や他のお母さんたちからも温かい笑顔を向けられた

そして産まれたとき

夕方に破水して大慌てで病院に辿り着いてから
4時間ほどでの超スピード出産だったため
ばぁばの家に預けていた長女もすぐに会いに来ることができた

次女と初めて対面したとき
長女は少し緊張していたけれど
嬉しそうな笑顔で ばぁばに支えられながら
次女を抱っこしてくれた

「これでハルちゃん(長女)もお姉ちゃんだね」
と、みんなに言われ、恥ずかしそうに頬を赤らめていた


そして次の日の朝
いつもお世話になっている近所のママさん曰く
幼稚園で出会ったとき、すれ違いざまに

「あ、○○くんのママー!!産まれたよー!!」

と、大声で叫んでいたそうな

そして その日の幼稚園のクラスで
赤ちゃんが産まれたことを
みんなの前で発表したそうな

こうして その日のうちに 幼稚園中の人が
我が家の次女の誕生を知ることとなった


そんなこんなで新しい家族が増えて迎えた、
初めてのお正月

年末のドタバタで 大掃除は終わらず
大晦日の夜9時前に なんとか年越しそばをかっこんで 子どもたちを寝かせ、
気を失いそうになりながら 紅白とガキ使を交互に見、カウントダウンはジャニーズのコンサートで、という例年通りの新年の迎え方となった


新しい年が始まった


2020とはなんと区切りがいいのか

しかも年女だ

新しいことを始めるにはもってこいの年である

そんな新年最初に読みたいのは、

樹木希林さんの「一切なりゆき」


役者としても私生活でも、特別な存在感をもった唯一無二の女性、というのが樹木さんにもつ私のイメージだ

そしてそれを確固たるものにする、彼女のことばの数々が、この本には書かれている

樹木さんは飾らない

自分の中にある強さも弱さも、美しさも醜さも
すべてさらけ出して生身のままで生きることを
ごく当然のこととして受け入れていた人だったのだと思う

仕事についても私生活についても、常に言動が注目されていた人だったけど

変に力が入ることなく、どんなときも常に淡々としていた印象だ

一般的にみれば、わりと壮絶な人生を生きていたように思えるが、そもそも一般論で語れる人ではない

自分が今何を好きか、何に興味があるか、に常に軸足を置いているから統計は信じないし興味がない

人間でも一回ダメになった人が好きだったり
年をとるのが好きだから不老長寿の薬なんか開発されたら困ると言ったり

他にもハッとさせられることばが、この本にはたくさん散りばめられている


"「人は死ぬ」と実感できれば、しっかり生きられる"

"何でもおもしろがって毎日を楽しく過ごしていたら、いい歳のとり方ができるんじゃないかと思う"

そして最後の也哉子さんの挨拶の中に出てくることばが、樹木さんの生き方をよく表しているのかもしれない

「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」


新しい年の始めに
この言葉をしっかりと胸に刻みつけた