学生の時に、吉本ばななの本をよく読んでいた。あの人の物語は、主人公はそつなく周りと打ち解けるけど世界に馴染めない人物をよく出す。

馴染めない人物と主人公を通した邂逅や交わりや繋がりの淡いを書くのが上手い。


私は主人公よりも、どこかチグハグで頓珍漢で変だけど真面目な人物に自分を重ねて救われていた。

それで、【哀しい予感】

という小説がジャケット含めお気に入りだった。





哀しい予感



この小説を浮かべると

Mとの思い出が蘇る


ある日、高校生の時クラスは違う中学の幼馴染Mとたまたま廊下で会った。

Mとは昔よく他の友人たちと家を行き来して遊んでいた。


Mは、クォーターで家はアメリカナイズで洗練されていた。田舎の家いえの中では周囲からは目立っていた。

Mはセンスもスタイルも良く凄く魅力的なのにコンプレックスも強かった。

Mの魅力は都会的だから田舎では多分理解されなかったかもしれない。

愛着障害から依存体質だった。毎日2時間以上家に帰ってから悩み相談を電話でされ続けた。

私が何度もMの魅力や可愛さを伝えても納得しなかった。きっと不安が消えなかったのだろう。

だから進学しクラスが離れ疎遠になったことに私は正直ホッとしてた。



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Mが、今日は誕生日と言っていたので

たまたま持ってた、哀しい予感をプレゼントした。主人公の変わり者の叔母さんのチグハグさや魅力が少しMに似てたから。Mは古本のその本をとてもとても喜んでくれた。



それから月日は流れ、私は引越しし

たまたまMと卒業して3年目くらいに再会した。

ライブに来て欲しいといわれ地下のライブハウスに行った。レトロポップな照明とBGMの中

恋人だという歳上男性とデュオでフレンチポップな歌を歌いとてもおしゃれで自由で楽しそうで可愛かった。痩せていたが幸せそうだった。


また何年も経ったある日

Mが死んだと母から知らせが来た。

新聞の訃報欄に載ってると。

私は告別式に間に合わなくて、自宅に手を合わせに伺った。


クリスチャンだから、仏壇はなく代わりに写真がありMは綺麗だった。

お母さんはやつれてMが拒食症だったことや結婚したこと、自殺未遂も何度もしてたこと。病気が治らずしばらく実家にいたけど死んでしまったこと。本人も本気で死ぬつもりではなかったかもしれないと言っていた。


また、昔のアルバムを出してくれた。

沢山の友達と映っていて、私の写真もあり他の仲良し友達と共に丁寧にデコレーションしてくれていた。

私は、Mと疎遠になり、Mが仲良いヤンキーの1人からいじめのような荒いいじりをされてるのを知っていた。

だけど、止めなかったし止められなかった。

でも写真ではこんな私を好いてくれてたのが伝わり苦しくなった。


また、旦那さんも来ていた。

あのライブに一緒に出てた人だった。

すごく痩せてて、でも愛おしそうにMの話をしていた。


Mが何に苦しんで死を選んだかはわからない。


もしかしたら、自分にピッタリの世界が

ここではない

と思ってしまったのかもしれない。


旦那さんが、Mの死を知って訪ねてきた人のところにMが夢で会いにいく話をしていた。

水を欲しがるから供えてほしいと言っていた。


私は実家に帰り、

その日か翌日の夜に寝てると金縛りにあった。


寝てる私のそばに誰か添い寝していた。


私はもともと憑依体質だったから霊に舐められないよう金縛りの際は強気に振る舞ってた。


だからMのことはすっかり忘れてて

思いっきり蹴りを入れてしまった。


添い寝してた人が消え金縛りは解けた


そして、、あれは

Mだったかもと気づいた。


せっかく多分お礼に来てくれたのに

キックしてしまった。

本当にごめん。。


でもMなら、

グエッと大袈裟に痛がり

笑ってくれると思った。


それから、枕元に水を供えた。