【淡水エイ】モトロ・スティングレーの生態と飼い方|繁殖、大きさ、寿命、混泳、水槽、水質、餌 | す〜さんの釣行記&釣り情報・時々AQUA

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モトロは淡水エイと呼ばれる淡水に生息するエイの仲間で、アマゾン川に生息しているよえに純淡水で飼育が可能です。淡水エイにはポルカドットスティングレーやクロコダイルスティングレーなど複数の種類が存在しますが、中でもモトロスティングレーは大きさや価格も手頃で淡水エイ飼育の入門種におすすめです。

今回はモトロ・スティングレーの生態と飼い方について紹介します。


モトロの飼い方
分布:コロンビア。ブラジル、ペルー
全長:80cm
寿命:8〜10年
水槽:120×60×45cm以上
水温:24〜28℃
水質:PH6.0〜7.5
性格:温和
混泳: 可能 

モトロはコロンビアのアマゾン水系に分布する淡水エイの仲間で、体盤全体に入る中央と外側を縁取る2色に分かれた円形の模様が特徴。
天然個体の最大全長は1m程度で体盤長50〜60cm、飼育かでの大きさは70〜80cmで体盤長40〜50cmまで成長します。
エイと言うと海にいる海水魚のイメージがありますが、モトロなど淡水エイと呼ばれるエイの仲間は通常の熱帯魚と同様に純淡水での飼育が可能です。

コロンビアが主な産地のため昔はコロンビアモトロとも呼ばれていました。近年は国内ブリードも盛んなため、モトロと他の淡水エイのハイブリッド(雑種)も流通しています。ハイブリッドの方が美しく高価なことも多いですよ。 

モトロを含む淡水エイの仲間は水質の変化に敏感で非常にデリケートなので、水合わせを1〜6時間かけたり、水換えを小まめに行うなど、より水質管理に注意する必要があります。

毒針に注意
モトロの尾には毒針が付いており飼育する場合はメンテナンスや移動の際に刺されないように注意が必要だ。エアチューブを被せる人もいるがその行為の方が危険なので余計な事はしないに限る。どのみちモトロの毒針は人間の髪と同じで生え変わりますからね。
ちなみに生まれたての子エイは毒針にカバーが付いていて、生まれて数日経つと外れて針が現れます。
モトロの毒針に刺されると激痛と強い腫れが起こり発熱や倦怠などの症状が現れます。命に関わる事は滅多にありませんが、アレルギー体質の人は症状が酷くなる可能があります。
万が一モトロに刺されたら必ず病院に行ってくださいね。

寿命
飼育下でのモトロの寿命は8〜10年で、良い飼育環境が用意できれば12年以上生きることもありますよ。寿命に関してはオスよりメスの方が僅かに長いと言われています。

モトロは卵胎生の魚
モトロを含む淡水エイは卵胎生の魚で、卵ではなく親と同じ姿形の稚魚を出産します。生まれる稚魚の数は親の大きさに影響されますが概ね5〜10匹くらいとなります。

販売価格
モトロの販売価格は8000円〜50000円程度で模様や大きさによって価格には幅があります。やはり模様が綺麗だったりブランド品的な血統のモトロは高価になりますね。

通信販売の利用
淡水エイを扱っているショップは少なく熱帯魚専門店じゃないとなかなか取り扱っていません。
近年はネットショップの通信販売でも淡水エイが購入できるので、近くに淡水エイを取り扱っているショップが無いなら通販を利用するのも良いでしょう。
筆者も通販で3匹ほどモトロなどの淡水エイを購入しましたが死着は一度もありませんでしたよ。とは言え通販を利用するなら必ず死着保証有りのショップを利用しましょう。


《モトロの飼い方》
モトロは大型でデリケートな魚なので広い水槽と良好な水質を維持する必要があります。淡水エイの中では小型ですが、それでも横幅120×奥行き60cmやや大掛かりな飼育設備が必要になりますよ。

水質
モトロの飼育に適した水質はPH(ペーパー)6.0〜7.5の弱酸性から弱アルカリ性。硝酸塩は60ppm以内を維持した方が良いでしょう。
PHが5.5を下回るようだと体表が白く濁って粘液を分泌し肌荒れを起こし最悪死んでしまいます。
水質が合っていないと動きが悪くなり、最後は体盤の外側が上方向にめくれ上がってきます。こうなると死亡する可能性が高いので、水質が悪化しないように毎週水換えを行うようにして下さい。

ペーパーを調整できるコンディショナー(水質調整剤)もありますが、モトロは薬品への感受性が高く死亡する可能性があるのでカルキ抜き以外の薬品類は極力使用しないで下さい。


水換え頻度
水換えの頻度は週に1〜2回、半分から3分の1の量を換えましょう。汚れが酷くなってから慌てて沢山の水換えすると、ペーパーショックなど水質の急変が起こり体表が荒れて結局死亡してしまいますよ。
常に綺麗な水質を維持できないと淡水エイの長期飼育は難しいと言わざるおえません。


水槽
モトロの飼育に必要な水槽の大きさは横幅120×奥行き60cm×高さ45cmが最低限必要な水槽サイズとなります。より大きく育てたいなら横幅150cm×奥行き75〜90cmは欲しいところです。スペースを取る淡水エイの飼育では高さ(水深)よりとにかく広い底面積を確保することが重要です。
基本的には120×60×45cm水槽か150×60×45cm水槽を用意出来ればモトロの飼育が可能ですよ。
ハイブリッドモトロはより大きく成長する可能性もあり、その場合は奥行き60cmではやや狭いかもしれません。

120×60×45cm水槽でも飼育設備の総重量が300kg、150×60×45cm水槽では400〜500kgを超えてしまうため、木造住宅では必ず水槽を設置する場所の床を補強しないといけません。
最初は90cm水槽から飼育を開始するでしょうが、後々必要になる床の補強費用も考えてから飼育を始めましょう。
鉄筋コンクリート(RC)住宅なら150cm水槽までなら問題なく設置できるので、賃貸住宅で床の補強が無理ならマンションへの引越すから住宅を購入する必要があります。

水槽は大きいほど飼育設備の総水量も増えるので、デリケートなモトロを飼育するなら大きな水槽の方が有利ですよ。


フィルター
水質悪化に敏感なモトロの飼育では濾過能力の高い上部式フィルターかオーバーフロー濾過を使用する人が多い。
オーバーフロー式濾過なら水槽の下に大きな濾過槽を設置できるので、沢山のろ材が収容でき水量も多くなります。オーバーフロー式濾過のデメリットはコストが高くなるのと設備の重量がかなり重くなります。
なのでオーバーフロー式濾過が設置できない方は、上部式フィルターをメインに補助として外部式フィルターを組み合わせて使用するような使い方をするのが良いでしょう。

ろ材
ろ材は目詰まりし難いリング状のろ材を使用する。PHの急降下を防止する目的でサンゴ砂を加える人もいますが、硝酸塩の蓄積に気が付かなくなる可能性もあるのでその点は注意してください。
PHが下がっていなくても水換えは同じ量を換えるように心がけてくださいね。


ヒーター
26〜28度の水温を維持するために冬場は必ずヒーターが必要です。ヒーターは下記を参考に水量に合った容量の製品を選んで下さい。
ヒーターには火傷防止のために必ずヒーターカバーを付けましょう。

【水槽サイズと必要なヒーターの容量】
90cm水槽:300ワット
120×60×45cm水槽:600ワット
150×60×45cm水槽:800ワット
180×60×60cm水槽:1000ワット
180×90×60cm水槽:1500ワット

東北や北海道のように寒い地域はヒーターの容量に余裕を持たせてくださいね。オーバーフロー式濾過を使用する場合もワンサイズ容量が多い


モトロの餌はキャットのような沈下性人工飼料をメインに、時々ドジョウや小赤(金魚)と言った生き餌を組み合わせて与えましょう。
モトロは水面に浮く浮上性の餌は食べ難いので購入する際は注意して下さい。生き餌の金魚もなかなか捕まえられず食べれないケースもあるので、その場合は網で少し放置して瀕死状態にして与えるのがおすすめです。
うっかり食べ残しても回復して泳ぎ出すので命を無駄にしなくて済みますよ。金魚を好んで食べない個体も稀にいますからね。
生き餌を食べさせるのが可哀想と感じるならネットショップなどで冷凍川魚も販売しているので利用してみて下さい。


モトロの導入
水槽をセットして濾過が機能したら水槽にモトロをお迎えしましょう。
購入してきたモトロを水と一緒ちバケツや衣装ケースに移し、エアレーションを施しヒーターをいれたら「水合わせ」を行います。

水合わせは点滴法と呼ばれる方法がおすすめ。まず水合わせ用の簡単な道具を作りましょう。エアチューブの片方に重りがわりにエアストーンを付け、もう片方に流量調節コックを取り付ければ完成です。

エアストーン側を水槽に入れてらチューブを吸ってサイフォンを働かせ、モトロの入った容器に水槽の水を1秒1滴のペースで入れていきます。
水合わせの時間は1〜2時間もすれば大丈夫ですが、PHが合っているかペーパー試験薬で測定しておくとより安心ですね。
うっかり水を溢れさせてしまう事があるので注意して下さいね。


混泳
水槽が広ければ様々な大型魚と混泳が可能です。120cm水槽までしか用意出来ないなら底層魚との混泳は控えるのが無難ですが、広い飼育スペースが確保できればポリプテルスや他の淡水エイとも混泳が楽しめますよ。
遊泳層の異なるアジアアロワナやシルバーアロワナなどのアロワナ類、ダトニオ、コロソマ、オスフロネームスグラミー、アイスポッドシクリッドなどとの相性は良いですね。
オスカーのようなモトロを齧ったり攻撃する魚との混泳は控えましょう。デリケートなモトロは怪我からの感染症やストレスで簡単に死んでしまいます。


モトロの繁殖
モトロや淡水エイはオスメスの区別が用意なので、ペアを用意できれば簡単にブリードが可能です。繁殖させるならペア以外に混泳魚は入れない方が良いでしょう。
オスメスの見分け方は、メスは普通に平たい尻ビレか付いていますが、オスは尻ビレが棒状になっているのですぐわかります。幼魚は下から見ないと判りにくいんですけど、ショップが販売している段階でオスメスを確認しているので、購入時に欲しい性別の個体を購入すれば大丈夫です。

モトロは体盤長が40cmくらいから繁殖可能になり、妊娠中の雌は明らかに腰のあたりが膨らむので妊娠していることが判ります。モトロは卵胎生なので気がつくと10cmくらいの子エイが5〜10匹ほど生まれて泳いでいることがあります。