外部フィルターの選び方・特徴と上手な使い方|メリット・デメリット、注意点、水漏れ、酸欠、エアレ | す〜さんの釣行記&釣り情報・時々AQUA

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外部フィルターは密閉式フィルターとも呼ばれ、フィルター本体と水槽をホースで繋いで使用する独自の構造をしています。
外部フィルターは設置場所の自由度も高く、豊富なアクセサリーにより様々な用途に使用出来るのも大きなメリットです。

外部フィルターならクーラーや殺菌灯と接続して循環ポンプ代わりに使用できるので、別に循環ポンプを用意しなくて良いのも魅力ですね。
外部フィルターは水が酸素と触れ合わない構造のため、水草レイアウト水槽では定番のフィルターとして使用されています。

しかし、外部フィルターは使い方を間違うと水漏れや循環が停止してしまったり、生態が酸欠になる危険性もあります。他のフィルターと違い外部フィルターを使うなら、シャワーパイプを水面に向けるなど意識して溶存酸素量にも配慮する必要があります。

今回は外部式フィルターの特徴と使い方、メリット・デメリット、使用上の注意点を紹介します。


外部式フィルターの構造・種類
外部式フィルターの基本的な構造として、ろ材を入れるフィルターケースに給水と排水用のホースの接続口が2カ所付いており、ろ材全体に満遍なく水が通るように設計されています。

昔はポンプ一体型が主流でしたが、現在はポンプと濾材ケースが一体化した構造のタイプと、ポンプと濾過ケースが別れているタイプがあります。

ろ材ケースも形状が増えていて円筒形や長方形、中が2つに区切られたセパレートタイプも存在。特に形状による大きな優劣はなく、濾過能力は中に入るろ材の容量と流量に左右されます。

水槽との接続は逆U字型をした給排水2本の樹脂製パイプを水槽の縁に引っ掛け、片方の先端はストレーナー、もう片方はシャワーパイプが付いています。

●ポンプ一体型
ポンプとろ材ケースが一体型した一般的な外部式フィルター。古くから使用されているタイプで、外部式フィルターと言えばこの構造が基本である。

ポンプ内蔵タイプのデメリットとして、ポンプ部分を水槽の水面より下に置かないと循環流量の低下や呼水ができないなど不具合がでやすく、必ず水槽より下に置いて使用しないといけない。


●水中ポンプ式
ポンプとフィルターケースが別れていて、水槽内に設置するタイプの外部式フィルター。
ろ材ケースとなるフィルター本体が軽く、コードも付いていないのでメンテナンスが楽なのがメリット。

デメリットとして水槽内に水中ポンプが入るので水槽内のスペースを取りポンプが景観を損ねやすい。
水中ポンプ式は水温を上げやすいとも言われています。


●バスケット付き
外部式フィルターはろ材の取り出しや種類毎の使い分けがしやすいように、ろ材を入れるバスケットが付いている製品もある。
ろ材バスケットはフィルターサイズに応じて数は変わりますが、重箱のように2〜4段に重ねて使えるタイプの外部フィルターが多い。

デメリットとしてバスケット分のスペースを少し消費してしまうので、ろ材の入る量が僅か数パーセントですが少なくなりますね。


外部式フィルターのメリット

●水草の育成に最適
外部式フィルターは密閉式フィルターとも言われる通り、フィルターケースとホース内で水を循環させるので添加したCO2を空気中に逃しません。
この特性のおかげでさ水草レイアウト水槽は外部式フィルターの使用が定番になっています。

外部式フィルターならCO2を効率よく溶解するCO2ミキサーも取り付けできますよ。


●設置場所の自由度が高い
外部式フィルターは設置場所の自由度が高く、ホースさえ伸ばせば数メートル離れた場所への設置も可能。水中ポンプ式であれば水槽の横にも設置できますね。

ただし、ホースを伸ばすと循環する水の量が増えるため抵抗が増えて流量が落ちるのと、冬場は冷えやすくなりヒーターの稼働頻度が多くなります。


●アクセサリーが豊富
外部式フィルターは接続出来るアクセサリーがフィルターの中でめ格段に多く、飼育する生態に応じてカスタムして使えるが大きなメリットです。

例えば排水口だと、通常の付属品はシャワーパイプですが、別途アクセサリーを購入してディフューザーや水流を緩やかに出来るラッパ型のノズルを取り付けられますし、給水側もスポンジフィルターや底面フィルターとも接続できます。

スポンジを付ければ熱帯魚の稚魚やビーシュリンプなど小さい生態も吸い込みません。このため外部式フィルターは熱帯魚やエビのブリーディング水槽でも使用されています。


●循環ポンプとしても使える
外部式フィルターは水槽用クーラーや殺菌灯などの設備とホースで接続できるので、水槽に入る配管を減らす事ができ、水槽周りをスッキリまとめられます。

デメリットとしてクーラーと殺菌灯は内部の構造は複雑で抵抗が大きく、フィルターと繋ぐと流量が落ちてしまいます。

更に外部式フィルターの方が詰まり流量が落ちるとクーラー自体が機能しなくなってしまう可能性もあるため、他の機材と繋いで使用するなら流量の低下には注意して使用する必要があります。


●水槽や容器を選ばずに使える
外部式フィルターは給排水のホースさえ引っかけられれば、水槽だけでなくバケツや衣装ケースでも使用できます。
魚の隔離や水槽の掃除、破損で魚を他の容器に隔離する時も外部式フィルターなら使用できるので非常に役立ちますよ。

筆者は地震が多発した一時期、浴槽に熱帯魚を入れて外部式フィルターを繋いでいました。こんな使い方が出来るのは外部式フィルターならではでしょう。



外部式フィルターのデメリット

●価格が割高
上部式フィルターと外部式フィルターの価格を比較すると、外部式フィルターは上部式フィルターの倍近いの価格になる。


●設置スペースが必要
水槽から離れた場所に設置できるのはメリットでもあり、外部式フィルター用に設置スペースを確保する必要があるデメリットでもある。

上部式フィルターのように水槽の上部に置けた方が余計な設置スペースが必要なく、台の下はバケツなどメンテナンス用品の収納スペースに使えると言える。



外部式フィルターの濾過能力は高いの?
先に結論を言うと外部式フィルターの濾過能力はかなり高いです。水流をポンプで吸い上げて強制的に通水させるので、他のフィルターより水が満遍なくろ材内部を通せます。
サブフィルターを接続すれば上部式フィルターより酸欠と目詰まりにだけ注意が必要ですけどね。


●サブフィルターで濾過能力をアップできる
外部式フィルターはサブフィルターと呼ばれるからのフィルターケースが安価に販売されており、メインのフィルターと接続すると濾過槽の容量を簡単に増やせるし、ストレーナーをスポンジに変えるのも効果がある。
どちらも接続すると流量自体は少し低下するが、濾過バクテリアの総数が増えるメリットが大きい。

上部式フィルターもドライ濾過槽なら追加できたりするが、ろ材の量を手軽に倍に増やせるのは他のフィルターには無いメリットだ。



外部式フィルターの使い方
出展エーハイムジャパン
外部式フィルターにも色々な種類があるので基本的な使い方を簡単に解説します。必ず取り扱い説明書に従ってセットして下さい。

本体内部とろ材を軽く水洗いする→中にろ材を入れる→ホースや配管を接続する→呼水して本体に水を入れる→電源を入れる→正常に動いているか確認する


水槽の水が減るので足して水位を調整して下さい。外部式フィルターは使い初めは新しいろ材細かい泡が出て「ジャージャー」とインペラーがエアーを吸い込む「エア噛み」の音が出ますが、1日経てばエア噛み音はしなくなるはずです。


ろ材の種類と配置方法
外部式フィルターのろ材は給排水に大きなろ材、排水側に近い方が細かいろ材となるのが一般的です。

●ウールマット
上部式フィルターを使用しているひとはウールマットが最初じゃないかと思われる人もいるでしょうが、ウールマットの表面積が限られてしまう外部式フィルターでは詰まりやすいので1番最後に配置します。

ウールマットは砂や細かいゴミをインペラーが吸わないようにする役割もありますし、排水側に近いとウールマットも掃除しやすいですからね。
細かいゴミをキャッチするのが目的ですから、最後に配置するのは何度も洗って使えるスポンジマットでも構いません。


●スポンジマット
スポンジマットはウールマットと違い硬い樹脂で出来ており何度も洗って使えます。
スポンジは意外とバクテリアの繁殖数も多くコスパも良い優れたろ材です。

スポンジはリングろ材と細かいろ材の間に配置すると、ろ材の混ざりやリングろ材の穴詰まりを防げます。


●リングろ材
リングろ材は通水性が高く定番のろ材である。特にデメリットもなく、ほとんどのろ材をリングろ材にして使用する人も多い。
特にゴミが詰まりやすい大型魚水槽ではリングろ材をメインに使用するのがおすすめ。
濾過槽の1番手前に設置してゴミを絡めとる目的でも使用されます。


●ボール状・粒状ろ材
細かいろ材はフィルター内に隙間なく詰められるため得られる表面積が広く、バクテリアの生息数を稼げる。
ろ材同士の隙間が少なく通水性はリングろ材に劣るのでろ材の詰まりは早くなる。まずリングろ材やスポンジマットを手前に配置して、できるだけゴミをキャッチするようにしたい。


●活性炭
活性炭は主に水の黄ばみや臭いを除去する役割がある。臭いや黄ばみが無いなら特に必要ありませんし、どちらかと言えば水換えした方が早いです。
水換えしても黄ばみが強くなるなら活性炭を活用してみましょう。


●吸着ろ材
吸着ろ材は活性炭も含まれますが、人工的に作られた吸着ろ材にはアンモニアなども吸着できる物もあります。
外部式フィルターの初期セットに吸着ろ材が入っている事が多いですが、水槽の立ち上げ初期以外は基本的に不用です。

あとは黄ばみ取りやリン酸塩の除去など用途別に選択して使用するのが基本ですね。



外部式フィルターの注意点
●水漏れ
外部フィルターの使用で怖いのが水漏れです。
水槽の外で使う機材なので安全には配慮されていますが、やはり不良品や人為的なミス、パッキンの劣化などにより水漏れしてしまう事があります。
それでも毎日点検していれば酷い水漏れになる前に対処出来るはずです。

外部フィルターは水を吸い込む構造上、給水側では水漏れし難くくなっています。多少隙間ができても空気を吸い込むだけで水は漏れないんですよね。

1番怖いのはホースが接続部分から抜けて外れてしまうことで、硬くて奥まで入らないからとホースを浅く挿していたり、無理に折り曲げて接続部に負荷をかけるとホースが抜けやすくなります。
ホースが抜けるとサイフォンによりストレーナー部分まで水が抜けてしまう大惨事になるので、ホースの接続はしっかり行いましょう。

またパッキンの劣化によるフィルターケースからの水漏れも注意が使用。パッキンに細かいヒビ割れが現れたら交換しましょう。


●他のポンプやサブフィルターと接続する場合は水漏れに注意が必要
ポンプがフィルター本体の上部に付いている外部式フィルターは、ポンプが水を吸い込む負圧によりフィルターケースのからの水漏れを防いでいます。

給水側の動力に水中ポンプを使用したり、サブフィルターをポンプ本体より排水方向に付けるとフィルターケースの内圧が高くなり、フィルターケースが膨張してパッキン部分から水漏れする事があります。


●酸欠に注意
デメリットでも解説しましたが、外部フィルターの使用では酸素を取り込みやすいセッティングをしないと水中の酸素が不足しやすいため、うっかり酸欠になると濾過能力は大幅に低下しますし、内部のバクテリアや水槽の生態が死滅する危険性もあります。

筆者も熱帯魚ショップで働いていたので色々な種類の外部フィルターのメンテナンスをしていましたが、使い方さえ間違えなければ、10年以上使用していても水漏れした外部式フィルターほとんどありませんでしたよ。



外部フィルターの故障
●インペラー/シャフトの破損
外部フィルターの故障で1番多いのはインペラー付近の故障です。インペラーの羽が割れたり、インペラーシャフトが折れる事があり、大抵はモーターの音が大きくなったり、カラカラと異音がしてきます。

基本的にインペラーとシャフト、パッキンさえ交換すれば外部式フィルターは10年以上使えるフィルターですよ。筆者のエーハイム2213も2008年からインペラーとシャフトを1回交換しましたが10年以上現役ですよ。

●水を吸い上げない
ポンプ一体型の外部式フィルターは水面からモーター部分まで一定の距離が無いと上手く水を吸い上げられなくなり、ジャージャーと空気を噛んで空回りする「エア噛み」を起こします。
説明書に記載されている設置位置を守りましょう。

●エア噛み
循環しているけどエア噛みしている場合、原因にはパッキンの劣化かホースの接続部分から空気を吸っている可能性があります。

ホースは長期間使用していると硬化してしまい、接続部分も機密性が悪くなって、フィルターやホースを少し移動した時に負荷がかかると隙間が空きやすくなってしまうことも。
基本的には3cm以上差し込んでいれば滅多にホースから空気は吸いませんけどね。

あと、ろ材が詰まるなどして流量が低下すると、インペラー付近のエアーが排出出来ずにエア噛みする事がありますよ。



【まとめ】
外部フィルターは使い道も多く、使わなくなっても1台持っていると隔離の際など色々役立つので是非利用してみて下さい。





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