サロンオーナーの皆様、おはようございます。

 

本日お届けする業界ニュースは、「変革の時代における生き残り戦略」がテーマです。

 

国内市場は横ばいながらも、海外市場の急成長や、開業スタイル・集客方法のデジタルシフトが鮮明になっています。

 

特に、「高付加価値化」と「経営の見える化」が、今後のサロン経営を左右する重要なキーワードとなりそうです。

 

今日のニュースから、未来に向けた戦略のヒントを見つけていきましょう。

ニュース詳細

1. 国内市場は横ばい、海外フェイシャル市場は急成長予測

•概要: 矢野経済研究所の調査によると、2025年の国内エステサロン市場は3,046億円(前年比100.1%)と、5年連続の縮小からようやく下げ止まり、ほぼ横ばいで推移する見込みです。一方で、Panorama Data Insightsの調査では、世界のフェイシャルエステ市場が2031年までに263億米ドル規模へ成長し、年平均成長率15.5%という高い伸びが予測されています。国内では脱毛市場の価格競争が激化していることもあり、今後はフェイシャルやアンチエイジングなど、専門性の高い高付加価値サービスへのシフトが、生き残りのカギとなりそうです。

•出典: 矢野経済研究所調査(2025年11月12日発表)、Panorama Data Insights調査(2025年11月11日発表)1

2. 理美容業界の新規開業数が半減、「立地」から「個の発信力」へ競争軸が変化

•概要: 株式会社Reviewの独自調査によると、2025年1月〜3月の理美容店舗の新規開業数は全国で938件と、前年・前々年と比較してほぼ半減しました。これは単なる業界の縮小ではなく、「開業のかたちの転換点」と分析されています。コスト高やフリーランス化・シェアサロンの普及により、「開業届を伴わない独立」が増加。競争の軸は、従来の「立地」から、SNSを活用した「個人のブランド力」や「集客DX」へと大きく変化しています。

•出典: 株式会社Review プレスリリース(2025年11月21日公開)2

3. 2026年「エステティックJIS規格」導入へ、経営の「見える化」が必須に

•概要: JESMA(日本エステティックサロン経営学院)によると、2026年にエステティックサービスのJIS規格(日本産業規格)が発表される予定です。これは、サービスの品質や安全性を国際基準に合わせ、消費者が安心してサロンを選べる環境を整備するための動きです。サロン側には、法令遵守、衛生管理、明確なサービス基準の設定が求められます。これに対応するため、人事評価や品質管理(QSCチェック)、顧客管理を一元化する店舗運営システム「ISS」のようなITツールの活用が、今後のスタンダードになると見られています。

•出典: JESMA 日本エステティックサロン経営学院(2025年11月7日頃投稿)、有限会社日本SS プレスリリース(2025年11月12日発表)1

4. 注目の美容成分「エクソソーム」配合の新製品が登場

•概要: 全国3,300店舗以上に製品を供給するドクターリセラが、11月12日に新シリーズ「Ladire(ラディール)」を発売しました。この製品は「鎮めて攻める」をコンセプトに、注目の美容成分である「ヒト脂肪由来間葉系細胞エクソソーム」を配合。敏感肌ケアとエイジングケアを同時に実現するとしています。先進的な美容成分を導入することは、お客様への説得力のあるカウンセリングと、店販強化の大きな武器となります。

•出典: tokila(2025年11月12日公開)、ドクターリセラ株式会社 プレスリリース(2025年11月12日発表)1

サロンオーナーへのヒント

今日のニュースから読み取れる、サロン経営における実践的なアドバイスを3点ご紹介します。

•高付加価値メニューへの集中: 価格競争が激しい脱毛などの分野から離れ、フェイシャルやアンチエイジングといった、専門知識と技術が活きる高単価メニューに経営資源を集中させましょう。海外市場の成長トレンドも参考に、付加価値の高いサービス設計が重要です。

•SNSを活用した「個のブランド」構築: 開業の競争軸は「立地」から「個の発信力」へとシフトしています。InstagramやTikTokなどを活用し、オーナー様やスタッフ様の技術、サロンの雰囲気、独自の価値観を積極的に発信することで、集客と採用の両面で優位性を築くことができます。

•2026年JIS規格を見据えた経営の「見える化」: 2026年のJIS規格導入は、業界全体の信頼性を高めるチャンスです。今のうちからITツールを導入し、技術レベル、衛生管理、人事評価などの基準を明確化・標準化することで、他店との差別化とスタッフの効率的な育成を実現しましょう。

参照元

[1] BI PRO ビープロ. 【サロン経営者必読】2025年エステ業界3大トレンド|生き残り戦略. 2025年11月13日公開.

[2] 株式会社Review. 【独自調査】全国938件の理美容開業ランキングを公開。開業半減は“縮小”ではなく“転換点”. PR TIMES. 2025年11月21日公開.