漢方養生LIFE~体も心も穏やかに

漢方養生LIFE~体も心も穏やかに

体も心も穏やかに過ごせるような漢方養生LIFEが大好きな漢方薬膳講師です。

こんばんは、ホリヤマです。

 

 

 

今日はクラシック素人感想文、「2024.6.15*大阪交響楽団 名曲シリーズVol.2@フェニーチェ堺」編を書き留めます。

2024年6月15日(土)

大阪交響楽団

指揮 山下一史

ピアノ 牛田智大

フェニーチェ堺 大ホール

 

 

 

5月末から仕事量が半端なく、平日は帰宅後、倒れ込むように寝ていた毎日。シューマンのピアノコンチェルトを何回か聞いて予習をしたものの、チャイコフスキーのシンフォニーはほとんど予習ができずに向かった今回のコンサート。ですが、眠気なんて微塵も襲ってこなかった約2時間。

 

 

 

まずこの日は到着してからのサプライズが3つ。

 

 

 

1つ目は開演20分前から常任指揮者山下先生によるプレトーク。

写真では優しそうな校長先生のイメージがありましたが、実際はもう少しワイルドな感じでそれでいて親しみやすい感じのかたです。

 

 

 

大阪交響楽団が堺発足の楽団であることとか、シューマンはオーケストレーションがあまり上手ではないと言われているけれど自分はそうは思わないとか、今日は牛田さんのファンのかたも多くいらっしゃっていると思いますが、ピアノ協奏曲が終わって帰らないでね(帰るわけないです!笑)とか、交響曲の「悲愴」は第2楽章が珍しく5拍子のワルツ、第3楽章がマーチで最大限に盛り上がるのですがここで終わりではなく第4楽章で「悲愴」に戻って終わるのです。などなどとても親しみやすい口調でお話をしてくださいました。

 

 

 

そして2つ目。

開演5分前。ホールからの男性の案内アナウンス。

「会場では録音、撮影は禁止…」で始まり、男性のアナウンスって珍しいなと思っていたら「シューマンとチャイコフスキーの…」という言葉が。これもしかして牛くん???こんなことホールの人が言わないよねと思っていたら「皆さまとご一緒に…」(このフレーズは牛くんがよく使うフレーズ)「ピアノの牛田智大がお届けしました」って!ちょちょちょちょっと待ってよ!何?今「うしだともはる」と言いませんでしたか??でもなんとなくはっきり聞こえなかったような気もして一人ドキドキしておりました。

この日の牛田さんのSNSに書かれていましたが、ホールのかたから「影アナ」をお願いされたそうです。その様子も楽団のSNSに上がっていて、嬉しいサプライズでした。本番前なのにホールのかたの無茶ぶり…なんだか大阪人の厚かましさが…でもお声が聴けてとても嬉しかったです。ありがとう!

 

 

 

最後に3つ目。

何年ぶりでしょうか?友人とバッタリ遭遇!思わずハグしちゃいました♡

 

 

 

<プログラム>

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54

チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」

 

それでは感想文スタートです。

 

 

 

「シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54」

第1楽章の冒頭は聴くほうも少し緊張します。オケの激しい1音に続いてピアノも激しい音で駆け降りてきて始まります。そして続いて愛する妻クララの名前を「CHAA(ドシララ)」に置き換えて何度も何度も繰り返しクララの名前を呼ぶようなメロディーが続きます。

 

 

 

ここの楽譜にはAllegro affettuoso(愛情をこめて)と書かれています。オーボエが哀愁たっぷりに愛情をこめて奏で、その後をピアノが切なくかつロマンティックになぞる。ここで弦も加わり音の層に厚みができた時、じんわり涙が。3月24日以来のライブ。音楽の振動で体中の細胞が震えて分裂して増殖している感じです。「あー私、音楽で満たされている」と実感。

 

 

 

これまでシューマンのピアノソナタ、クライスレリアーナを牛田さんのピアノで聴いてきたけど、いつもいつもシューマンの旋律は心が痛くて痛くて苦しかったのですが、このコンチェルトは愛するクララと一緒になれた後の曲だけに幸せを感じる部分があります。ただ第1楽章はまだ少し抑え気味のような気もします。

 

 

 

「ピアノとオーケストラが絶妙に織り合わされている―どちらか一方がないなど考えられない」これはピアニストである妻クララの日記の一節です。(Program Notesより)

第1楽章で牛田さんのピアノがオケと融合している感があり、ピアノだけが前に出ることもなく、オケだけが前に出ることもなく、絶妙な塩梅だったのはきっとこのクララの日記から作り出されたものだったのかもしれません。そして牛田さんのカデンツァ。心が震えるくらい、たっぷりと聴かせてくれました!

 

 

 

続く第2楽章は優しさと穏やかさ。ここはチェロのぬくもりが伝わってきて温かな幸せを感じます。静かに静かに終わりを迎えそのまま途切れることなく第3楽章が始まります。一気に扉を開けて眩しく温かい太陽の光が降り注ぐ草原にいるかのような光景が目に浮かびます。

 

 

 

シューマンはズルいな、と思うんです。喜びに向かって心が胸が熱くなると思いきや、スッと苦しさを表現するんです、これズルい。胸がギュッと苦しくなります。そして独特な拍の取り方がまた胸がギュっとなります。これは私の勝手な感想。もしかしたらシューマンの闇の部分かもしれません。

 

 

 

第3楽章にはあちこちに美しいメロディーがあって、シューマンは本当に幸せを感じていたんだろうなということが伝わってきます。第3楽章は牛田さんがぐいぐいとオケを引っ張っていくような感じで音の厚みが体中に届きます。オケもピアノもフィナーレに向かって喜びを表現していてこちらも高揚感いっぱいに包まれます。そしてピアノの指の動きが凄まじく速くてそれでいて1つ1つの音の粒が美しくて「お願い、終わらないで!」と心の中で叫んでました。最後のほうに出てくるメロディが好きすぎて何度も何度も聴きたいくらい。そしてオケもピアノもクライマックスに向けて音量全開でフィニッシュ!ブラボーーーー!

 

 

 

男性の「ブラボー」の声と会場から割れんばかりの大拍手。

スタオベしたい気持ちを堪えて(2階席の1番前だったので)、腕がもげるんじゃないか?と思うくらい拍手。もう感動して感激して涙目になります。

 

 

 

何度も何度も舞台に出てきてくれた牛田さんもとても嬉しそう。こんなふうに嬉しそうにしている牛田さんを見るのは久しぶりかも。そしてそれを後押ししてくれているのは指揮の山下先生です。何度も何度も舞台に呼んでくださってました。

 

 

 

そしてアンコール。シューマンのピアノソナタ第1番第2楽章「アリア」。今まで何度も何度も聴かせていただきましたが、この日はこの曲があるかたに届いてほしいと思いながら聴いていました。きっとこのホールにいらっしゃるはずと思いながら。

 

「チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」」

暗い闇にいるかのような音から始まるこの曲。音が厚くなるところは「あぁチャイコフスキーの音楽だ!」と素人ながらにも感じられます。そして第2楽章は山下先生がおっしゃっていた5拍子のワルツ。1、2、1、2、3という感じです。第3楽章で盛大に盛り上がりますがここで終わりではなく、第4楽章の暗く暗く彷徨う闇。最後は死なのかもしれないな、と思いながら聴いていました。最後の音が完全に消えてしまってからの拍手!ブラボーーー!

 

 

 

とにかく指揮の山下先生の全身を使った情熱溢れる指揮に見惚れること約2時間。そして終わって指揮台から降りられた時から最後まで正直よろよろされていました。こけないで~と祈りつつ、オケを讃え、オケへの感謝の気持ちを全身で伝えていらっしゃるのが分かりました。オケのかたがたもとてもいい笑顔をされていて充実感がとても伝わってきた本当に素敵な約2時間。どれだけ拍手をしても足りないです。心の充電たっぷりできました、ありがとうございました。

 

 

 

山下先生、大阪交響楽団の皆さま、そして牛田さん。

またまた大切な想い出が1つ増えました。本当にありがとうございました♡