いつも一緒に仲良く遊んでいる友だちを、ちょっとしたことですぐに叩いたり蹴ったり、無理やり物を奪おうとしてしまう・・
障がいの有無に関わらず、1歳前後から大きなお子さんまで、このことで悩んでいる保護者や先生、多くいらっしゃるかと思います。
さっきまで仲良く遊んでいた人にいきなり暴力や攻撃をしかけるなんて、理解できませんよね。
理解できない・・・なぜ?どうして?
この「なぜ?どうして?」を考えないといけませんよね。
幼児の場合、どうしてでしょう。
私が想像するに、
①言葉(かして、いやだ、など)のコミュニケーションがまだ上手にできないから
②相手を叩いて思い通りになった(欲しいものが手に入ったなど)経験をした
たいていは、こういったことが理由かと。
①は言葉が発達して言葉のコミュニケーションで上手くやりとりできるようになれば、問題ありませんね。
②は、言葉のコミュニケーションがある程度できる子としましょう。
例えばおもちゃの取り合いなら、相手が泣いたり怖がったりしておもちゃから手を放し、自分のものになったり、もしくは叩いた時に大人がすぐにかけ寄ってくれて「○○ちゃんどうしたの?じゃあ、順番ね。」と上手く折り合いをつけてくれて貸してもらうことができた、など、その子にとっては攻撃したことが成功体験になり、“この方法(叩く)は次も使えるぞ!”と、誤学習してしまったのかもしれません。
大きなお子さん(小学生中学年~高学年)の場合どうでしょう。
これも私の想像ですが、
①相手が自分に攻撃をしていると勘違いしてしまった
②相手が泣くなど(自分から見て)弱い立場になり、思い通りになった経験をした
③相手を叩いた時に周りが注目して強くなった気分になれた
まだまだ理由はあるような気もしますが、多くはこんなところでしょうか。
①はその子自身の察する力(見る・聞く・想像する)が不足しているのかもしれません。
②は、幼児期の延長のような感じですね。誤学習をしたままなのかも。
③は、『泣かす=強い=良い』という、これも誤学習なのかもしれませんが、それ以前に、自己評価が下がっているような気もします。“自分を大きく見せたい”という気持ちが周りの注意を引くことに繋がっているのかもしれません。
“かもしれません”という憶測ばかりですが(^_^;)、それは、これが理由の全てではないからです。
一人一人、理由は様々で、それは関わる人がしっかりとその問題とされる行動の前後を観察して理由を探らないといけません。
ただ、一つはっきり言えるのは「叩くことはいけません」と叱るだけでは解決しないということです。
ましてや、「叩かないの!」と言いながら大人がその子を叩いてしまっては本末転倒です。
叱ることにはいろんな考え方がありますが、私は信頼関係ができているならビシッと言葉で叱るもありだと思っています。
ただ、それだけで終わってしまっては、その子にも「なぜ?」だけが残るのです。
誤学習をしているなら、叩かずに相手に気持ちを伝えられた成功体験をさせるなど、適切な行動に導いてあげることが必要ですし、自己評価が下がっているなら、叱りと褒め(評価)のバランスを見直す必要があります。
そもそも人をよく攻撃してしまう子は、どうしても叱られることの方が多くなりますもんね。
これはきょうだい間でも同じことがいえるかと思います。
理由は様々でしょうが、暴力や攻撃ではない適切な行動ができた時はちゃんと認めてあげること、これは関わる大人が絶対忘れてはいけないことです。