橋杭岩を後に、串本駅から徒歩圏内にある無量寺に。
ここには円山応挙の弟子、長澤蘆雪の襖絵が残っています。
↓を読んで、前から見に行きたかった。
俳優の井浦新さん、串本まで何度も足を運ばれたようです。
応挙の襖絵
兵庫県香住の大乗寺で応挙の襖絵が収蔵庫から本殿に戻して公開されたのですが行くことができず😢
無量寺と長澤蘆雪
意味不明やけどリベンジのつもりで串本の無量寺まで来ました💦
禅寺らしくあんまり宣伝していません。
蘆雪は丹波(兵庫県)の下級武士の出身で、淀(大阪府)育ちで、才能には恵まれた奇想の絵師。晩年は相次いで子供が亡くなるなど辛いものだったようです。
↓毒殺説
おっ、作品は海を渡って展示。
メトロポリタン美術館にも
こういうかわいいのも。
円山応挙の仔犬ちゃん達に紛れる、長沢芦雪の仔犬ちゃんが良すぎて良すぎて……🌸🌸🌸 pic.twitter.com/dzhi2lTOzZ
— 南瓜のトトロ (@kabocha_10106) May 3, 2023
無量寺は1707年の地震に伴う津波で建物が流されました。1786年に現在地に再建した愚海和尚は応挙と若い頃、親交があり、応挙に襖絵を頼みました。
芦雪は師応挙の絵を持って代わりに串本を訪問。自身も襖絵を寺で描き、それが現在まで伝えられています。現在、本堂の襖絵は模写で、オリジナルは本堂をほぼ復元した収蔵庫に保管されています。
「長沢芦雪展」https://t.co/rG5OH1d0Cw 和歌山県串本町にある無量寺の再現展示の素晴らしさは言葉にできず。念願の「虎図襖」の裏側も観られて大満足なり。 #芦雪展 #愛知県美術館 pic.twitter.com/D8eYhxrQIH
— Tak(たけ) @『いちばんやさしい美術鑑賞』 (@taktwi) November 13, 2017
湿度等の管理の問題で、激しい雨の日はクローズです。複製画は撮影OKらしいと後でわかってんげど、お寺の方とお話していて写真撮るの忘れた😿まっそれぐらい楽しかったやけどね。檀家でもないのに丁寧に見せていただいてありがたい。
# 芦雪展 本日も朝から多くのご来場者をお迎えしております。愛知県美術館教育プログラムで製作した和歌山県串本の無量寺建築模型(https://t.co/EQ9QGyGGj3)を先日からフォトスポットとして展示室外でお披露目中。ご来場記念にどうぞ。 pic.twitter.com/rZjyZt8YwG
— 曽我蕭白展 公式 (@shohaku2021) November 4, 2017
本堂に座った時、斜めに襖絵を見ることになるので、それを意識して描かれています。正面から見ると、間伸びしてちょっと変。
「唐子琴棋書画図」にはふつう、仙人的な人が描かれるですが、みんな思い思いでバラバラなことをしている子供が描かれています。天井から顔をのぞかせているネズミを見ている子供もいます。
こちらは伝蘆雪やけど、雰囲気は似てる。
伝 長沢芦雪《唐子遊び図》(山種美術館蔵)。子孫繁栄の象徴の唐子に中国の画題「琴棋書画」を組み合わせた作品。豪快・奔放な作風のイメージが強い芦雪ですが本図では細やかな筆致で子供たちの様々な表情を捉えている点にご注目。(山崎) pic.twitter.com/XCmUKE9w
— 山種美術館 (@yamatanemuseum) October 2, 2012
↓この蘆雪の楊柳観音の複製は売り物です。
三万円って、表装代のレベルや。
魚は蘆雪の刻印
展示館には若冲のどくろの絵もありました。
勝海舟と第14代徳川将軍家茂が無量寺に滞在したと伺いました。
和歌山の別のお寺の記録↓
勝海舟は和歌山市にも一時滞在していたので、国防上重要拠点だったんやね。
早くも寛永年間に米国の船が串本に寄港したことが公式記録に残っています。
日米修好記念館。ペリー来航以前、アメリカ船が初めて日本に来航した地、串本町の紀伊大島樫野埼にある記念館。ラッコの毛皮を売りに、マカオからの帰路に立ち寄ったらしい。鎖国中のため交易不成立。日本側の記録は古文書で確認されていたが、アメリカで航海日誌が発見されたのはつい最近らしい。 pic.twitter.com/730FRYMCyd
— 雪やこんこん(ほとんどお休み) (@Yuki_yakonkon) August 31, 2017
JR串本駅前にも記念した彫刻?がありました。
奇想の絵
山下裕二先生の解説によると、応挙という技量に優れ、温厚で懐の深い師あっての蘆雪らしい。農家出身の応挙は古典の教養によらず(教育の機会がないよね~)、写実性で勝負した人。遠近法など当時、長崎を通じて日本にもたらされた西洋絵画の技法も取り入れています。
写真家の杉本博司さんは日本美術の伝統は新しさを必ずし金科玉条としない、と指摘され、「本歌取り」と表現されています。
意識的に捉えてきたのが日本だった。和歌を詠む際に古歌を取り入れる「本歌取」はそれを象徴する枠組みだ。まさに「本歌取り」をタイトルに据える姫路市立美術館での杉本博司氏の展示は、氏の旧作・新作とともに、「本歌」に取った屏風絵や油絵、茶杓や像などが並ぶ。
— 渡邉康太郎 / Takram コンテクストデザイナー (@waternavy) September 18, 2022
展示のオープニングトークである pic.twitter.com/0nvDwGa1f3
#姫路市立博物館 で開催中の #杉本博司 展 #本歌取り に滑り込み(11月6日迄)。展示は多様で自由、木彫( #性空上人 像など)、写真屏風、茶椀銘「むり栗」😂、#千利休 作の茶杓、 #能楽 映像(隣の #姫路城 で撮影)と #能面 (桃山時代)、#正倉院 伝来品も。 #圓教寺 でのインスタレーションは12月4日迄。 pic.twitter.com/3DxJ6ZTSnq
— Sally_Osaka (@osaka654) November 2, 2022
応挙みたいに技術勝負が前面に出てくると西洋的美術的な「新しさ」(これが「奇想」なんかな)が求められるようになるんやろか?
山下先生の師匠、辻先生が元祖蘆雪押し
秋に大阪中島美術館で特集展示されます。楽しみや~
(終わり)