三浦大知くんの「球体」。

発売されてからずっと頭から離れなくて、寝ても覚めても球体のことばかり考えています。

いつもは音重視で歌詞をあまり見ない人間なのですが、今作はナオさんの綴る歌詞が美しくて言葉を理解しようと珍しく考察するに至りました。

とはいえ、半分も理解できてないとは思いますが・・・(^_^;)

ということで、自分なりの球体考察です。
いろいろ考えた中で今一番しっくりきています。
生温かい目で見ていただければ。


◼️球体考察

まず球体を考察する上でキーポイントとなってくるのは独演で着ていた衣装です。
楽曲との対応は以下の通り。

パーカー・・・序詞、対岸の掟、クレーター最後、朝が来るのではなく夜が明けるだけ
白Tシャツ・・・円環、独白、世界
ジャケット・・・硝子壜、テレパシー、飛行船、誘蛾灯、クレーター後半
ロングシャツ・・・閾、淡水魚、綴化、クレーター前半
黒Tシャツ・・・胞子

これと歌詞を合わせて考えると以下のようになると考察します。

パーカー・・・彼の思いまたは魂を具現化した存在。
白Tシャツ・・・生まれ変わって前世の記憶を取り戻した彼
ジャケット・・・君を失ったあとの彼
ロングシャツ・・・君といたときの彼
黒Tシャツ・・・転生しようとしている彼


◼️ロングシャツの彼について

トラック順に考察しようかと思いましたが、球体の世界観の要となるロングシャツの彼のパートから考察します。

ロングシャツの彼は君といた時のことを表しています。

[クレーター前半]

まだ幸せだった頃の二人。
このあと訪れる出来事など予感もしていません。
「ハグロトンボの翅の色より深い宵闇が君をさらっても・・・」
この部分の君に対する気持ちが、このあとの展開の彼を突き動かす原動力になっていると思います。


[閾]

これに関しては全く理解できていません。
あの入れ物は何を意味しているのでしょうか?
水槽なんだとは思うけど・・・。


[淡水魚]

「空を覆う彗星」
彗星は不吉な予感を表します。

「変わってしまったのは誰」
「私たちの個性が、ここに馴染めないだけ」
「夢をほどく踏む茨」
これらの表現により、二人は辛い日々を過ごしており、人生がうまくいってない様子がうかがえます。

「君を映す水滴」
「排水口」
水場の表現なので二人はバスルームにいるのか。

「僕らはまるで大海を目指す淡水魚」
淡水魚は海では生きられません。
二人は死に向かっている=心中しようとしています。

「剥がれ落ちた穢れどこに吸い込む排水口」
「抑圧されるほど色づく実は深い朱色」
赤といえば血なので血が排水口に流れている表現と推測します。

「わずかな温もりだけ頼りにじっと待つ夜明け」
寄り添いながら夜明け=死をまっている様子。

これらを踏まえて、淡水魚は以下のように推測します。

「生きることに希望を見いだすことができなくなった二人はバスルームで身体(たとえば手首など)を切って心中をはかり、寄り添いながら死を待っている。」


[綴化]

これは淡水魚の後の話です。

「描く天まで伸びる梯子」・・・あの世に行くということ。
「過去に生きるのはもう最後」
「両端どうしを結んだ糸」・・・輪廻転生のこと。
これらのことから二人は死んで生まれ変わり、新しい人生を送りたいと思っています。

「洞ろを飾る君の水晶」
生気のない君の瞳=死に行く君、もしくは死んだ君

「君を抱き留めた腕さえ」
君の意識がなくなり、うなだれた君を彼が抱き支えていたのか。

「開く大輪の花 増殖続け」
ここの部分は独演で真っ赤なダリアが大きく開いていました。
視覚的な情報からしか考察できませんが、赤=血とすれば二人の血がバスルームに広がっている様子がうかびました。

綴化の歌詞は難解で、理解できていない部分がたくさんあります。
なので、わかっているだけの情報で考察すると以下になりました。

「転生してやり直せると信じて君と心中を試みたけど、君だけが僕の腕のなかで死んでしまった。そんな君を抱いている腕さえ輝いて見えるほど君と過ごした日々は愛おしくて、この現実から目を背けたい。バスルームは赤く染まっているのに。」

そして彼は救難信号の下で踊ります。
もがき苦しんでいるように見えます。


◼️ジャケットの彼について

次は硝子壜から白Tシャツパートを除いたパートの考察です。

ジャケットの彼は君を失ったあとの彼です。


[硝子壜]

これは綴化の後の話です。
ここからは考察する順番に時間が流れていきます。

硝子壜と綴化は歌詞が対比しています。

鉛色に染まる部屋の中で→いつか色褪せたこの世界を
君が置いていった硝子壜だけが→君の触れた場所だけが
色を集めて光反射して→彩る

君が死んだ時の思いと硝子壜を見た時の思いがオーバーラップして、彼の悲しみがより深く感じられます。


[テレパシー]

君との思い出がある河岸に彼は足を運びます。
ほんのささいな思い出だけど君を感じられると思ったから。
でも彼は飛行船の張り紙を見つけてしまいます。
飛行船はあの世へ人々を運ぶ乗り物。
そう、彼は死を選ぶことを考えているのです。


[飛行船]

彼は死について考えます。
人間はみんな死ぬけど、死んだあとどうなるのか。
生まれ変わることはできるのか。
そもそも、今自分が死ぬ必要はあるのか。
心中する必要などあったのか。

でも、彼は決意します。
生まれ変わる保証などなくても、君を愛している自分でいたい。
そんな自分のまま死んでいきたいと。

そして彼は飛行船に飛び乗る=鉄橋から身を投げます。

鉄橋から身を投げるという考察に至ったのは、独演の飛行船に飛び乗るとき、後ろのスクリーンに水しぶきがあがるためです。


[対岸の掟]

三途の川を渡ってあの世についた彼は現世での辛かったことを忘れリラックスしています。
でも、ここは中継地点。
また君を探す旅がはじまるのです。


[嚢]

救難信号が点滅しています。
早く君に会いたいと・・・。


[胞子]

ここで彼は黒Tシャツを着ています。
これが何を意味するのかはよくわかっていませんが、新しい命に生まれ変わっている様子を表しているように思います。
何重にも重なってうごめく彼は細胞分裂をしているようにも見えます。


[誘蛾灯]

生まれ変わった彼は夜の街を彷徨います。
ふと脳裏をよぎるあの場面。
DNAに深く刻まれた記憶が甦ります。
空を見上げると下弦の月がその半身を求めるように浮かんでいました。


[クレーター後半]

「草臥れた人生 さあもっと向こうへ 機械的輪廻」
「砂食む旅人」

これらの表現により、彼は君に会うために何度も転生を繰り返していることがわかります。

「いつだってすぐに見つける どんなときも見失いはしない」

幸せだったときに誓った思いを胸に、彼は再び君に会うために転生を繰り返します。

でも、いつも帰る場所があります。
それは君と過ごしたあの小さな部屋でした。


◼️白Tシャツの彼について

白Tシャツの彼は何回も転生を繰り返した後に生まれ変わった彼です。


[円環]

前世の記憶が断片的に甦りますが、まだ違和感を感じています。


[独白]

前世の記憶がプレイバックされます。
独演では今までの振付をおさらいするように踊ります。


[世界]

[独白]で完全に記憶がよみがえった彼は、自分が生まれた意味を悟ります。
それは君にもう一度出会うため。
そして彼は気づくのです。
すでに出会っていた君。
そう、君こそがずっと探していた君なのだと。


そして白Tシャツの彼については自分なりの考察がもうひとつあります。

あの白Tシャツの人、どう見ても三浦大知じゃないですか?
マイク持って歌ってますよ?
スタンドマイクで歌ってますよ?
白Tシャツの時だけ球体の世界観に対する違和感が半端ないんです。

で、気づきました。
あれはやっぱり三浦大知なのだと。
前世であんな辛い思いをして何度も転生した彼の生まれ変わりがなんと三浦大知だったのだと。

なので、あの2曲は大知くんそのままで歌っているなぁという感じがします。

この考察が当たっているとするなら、面白い演出だなと思います。
物語を急に身近に感じることができますし。

というこで、「君こそがこの世界の全て」だと盛大に歌い上げた白Tシャツこと三浦大知を見て、「二人、また巡りあえて良かったね。めでたしめでたし。」で普通なら終わるところですが、そうじゃないのがこの球体のすごいところなのです。


◼️パーカーの彼について

白Tシャツこと三浦大知が全てを悟り、神々しく歌い上げているその裏で、全てを悟った人物がもう一人います。

それはパーカーの彼です。

パーカーの彼は前述の通り、彼の思いや魂を具現化した存在です。

では、なぜ彼は[朝が来るのではなく夜が明けるだけ]で寂しそうなのか。

それを考えるとき鍵となるのは、彼が誰なのかということです。

「さっき、彼の思いを具現化した存在っていったじゃん?」と思われたと思いますが、球体の中に彼はたくさんいます。
転生を何回も繰り返したから。

では、彼の中でもどの彼なのかということになりますが、結論からいうとあの小さな部屋で君と心中しようとした彼です。

その理由は、彼こそが転生を繰り返すことになった原因であり、パーカーの彼が現れるのは、いつだってあの小さな部屋だったからです。([対岸の掟]はあの世だから別。)

パーカーの彼は[序詞]で「帰りたい場所はあるのに、行きたい場所がみつからないから教えてくれ」と言います。
まるで、「どうやったら君に会えるのか教えてくれ」と言っているようです。

その答えが[朝が来るのではなく夜が明けるだけ]でわかります。

パーカーの彼は何度も何度も繰り返した転生を振り返ります。
でも、「この人生が予行演習だったなら 次はもっとうまくやれるのに」と言います。

白Tシャツの三浦大知が君を探しだしたのにもかかわらずです。

パーカーの彼が再び会いたかったのはただ一人。
海で髪をかき上げて笑った君であり、鉄橋の下で泣かないでと言った君なのです。

どんなに転生を繰り返しても出会えたのは君だけど君じゃない。
僕の探していた君ではない。
ということになります。

予行演習では過去に戻れる(やり直しできる)けど、転生で変えられるのは未来だけなのです。

あの時二人が死を選んでしまったばかりに、もう二度とあの時の君には会うことができなくなってしまいました。
こんなはずじゃなかったのに・・・。

今までやってきたことが無意味だったことを悟り、彼はあの部屋に戻るのです。

答えを求める彼に会うために。

そして、「ただいま・・・」とドアを開けるのです。

「朝が来るのではなく夜が明けるだけ」
君の生まれ変わりに出会うことはできたけど、それは僕の知っている君ではなかった。

「僕がいるのではなく君がいないだけ」
僕がいてもいなくても、君はもう二度と帰ってはこない。

そして、あの小さな部屋の彼の思いは儚くも消えてしまうのでした。

というのが私の考察です。

なんとなく、
「今過ごしている人生は一度きりなのだから、自分を、まわりの人間を大事にして後悔しないように生きていけ。」
と言われているような気がしました。


ということで、長くなりましたが今のところの私なりの球体考察でした。

球体の考察自体に正解などないと思いますので、一人の大知くんファンの戯言ということでお願いします。

全部読んでいただいた方、ありがとうございました!