わしは世渡りの巧みな性質に生まれて来ていないのだ。この性質を鍛え直さなくては世渡りができないのだ。妻子を養い外の侮辱を防ぐ事ができないのだ。(気をいら立てる)もっと悪に耐えうる強い性格にならなくてはならないのだ。おれはおかげでだんだん悪くなれそうだよ。昔は人様に悪く言われると気になって夜も眠られなかったものだ。今は悪く言われても平気だよ。いや気持ちがいいくらいだよ。おれも強くなったなと思うのでな。鉄砲で鳥や獣を打つのでも鶏をつぶすのでも、初めはいやでならなかったが今ではなんでもなくなった。
彼女がいたことがない