隔たりのない平和 | 学生団体S.A.L. Official blog

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平和とは何だろう。

辞書で「平和」を調べてみると、一義的な意味として、「戦争や紛争がなく穏やかなこと」と書かれている。
しかし、戦争や紛争のない世界が本当に平和な世界と言えるのだろうか。「平和」の対義語は「戦争」だと言い切れるのだろうか。


私達が先日まで滞在していたイスラエルとパレスチナの間には、両者の武力衝突を避ける目的で建てられた分離壁があった。
争いを防ぐため、平和の実現に近づくために作られたはずの分離壁だが、民族・宗教を強制的に隔てていて、むしろそれ自体が平和とは正反対の象徴のように私は見えた。

争いを生まないためとはいえ、互いに接触を避け、心の中ではいがみ合いながら暮らしていくことは、本当の意味での平和とは言えないだろう。


私達が今日ヨルダンで行った街頭インタビューの中で、興味深い話を聞くことができた。
それは、ヨルダンで暮らす人々が自分の国をとても誇りに思いながら暮らしているということだ。
彼らは日々の暮らしに多少の不便を感じながらも、その中で生き生きと生活し、未来に希望を持っている。

さらに彼らのほとんどは、ヨルダンが多くの周辺諸国からの難民を受け入れながらも、中東の中では珍しく安定した状態にあることに満足し、ヨルダンを「平和な国」として捉えている。


平和とは、戦争や紛争がないことである以前に、状況はどうであれ人々の心が満ち足りていることなのではないだろうか。

平和の捉え方は一人ひとり異なり多様であるため、誰もが思い通りにいく世界などあり得ない。
重要なのは、全ての人々が不当な扱いを受けずに日常を送ることである。
そのために、第三者としてこのスタツアに臨む私達に何ができるのか…
残りの数日間でじっくり考えていきたい。


【文責:広報局2年 皆川理子】